メイド・イン・ジャマイカ

20080719.jpg @渋谷シネアミューズ。

あらすじ: 今や全世界をとりこにし続けているジャマイカン・ミュージック。人口300万人足らずの小国から、世界に影響を及ぼすほどの音楽がどのようにして生まれたのか。バニー・ウェイラー、グレゴリー・アイザックスらレゲエ・ミュージックの伝説たちに迫る一方、ジャマイカが抱える矛盾や問題を見つめながら、レゲエの真実をとらえていく。(シネマトゥデイ)

いつものみんちゃんと行ってきたよ。最初、Disりあいで殺されたダンサーBogleの話が出てこれを元にドキュメントで行くのか?と思いきや、そうでもなく淡々とシンガーと歌をピックアップしていく形式だった。うーん、悪くはないんだが、ミュージックビデオでもなく、伝えたいメッセージが見えたわけでもないので、いまいちだった。

しかし驚いたのが、女性の踊り方(腰振り&セクシー)とか路地裏でのたらいを使ったお風呂とか、すごくアフリカの風景に似ていた。やはり奴隷として連れてこられた(と非常に彼らは強調しているが)ため、ルーツが同じだからだろうか。そしてラスタファリズムの浸透にも驚いた。あと ジャー(Jah)とよく言ってて”ジャー”って何だろうと思っていたら神の意味だった。旧約聖書の YHWHの短縮形「ヤー(JAH)」が英語読みされてジャーらしい。ヤハウェか!そこで繋がるのかとびっくり。あと預言者的なマーカス・ガーベイとかハイレ・セラシエ1世とか、wikiを読むと随分と実像とラスタファリズム上では違う気がした。

興味を惹かれる事柄はあったけど、映画は・・・?といったところ。

『模倣犯〈下〉 / 宮部 みゆき』

模倣犯〈下〉 模倣犯〈下〉
宮部 みゆき
小学館 2001-03
出版社 / 著者からの内容紹介
公園のゴミ箱から発見された女性の右腕、それは史上最悪の犯罪者によって仕組まれた連続女性殺人事件のプロローグだった。比類なき知能犯に挑む、第一発見者の少年と、孫娘を殺された老人。そして被害者宅やテレビの生放送に向け、不敵な挑発を続ける犯人――。が、やがて事態は急転直下、交通事故死した男の自宅から、「殺人の記録」が発見される。事件は解決するかに見えたが、そこに、一連の凶行の真相を大胆に予想する人物が現れる。死んだ男の正体は? 少年と老人が辿り着いた意外な結末とは? 宮部みゆきが“犯罪の世紀”に放つ、渾身の最長編現代ミステリ。
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読み終わりました。下巻の感想は、上巻よりもテンポが速くなったので良かった。しかし網川は嫌なやつだなあ。由美ちゃんがあんなになってショックだったよ。

全体的な感想として、被害者視点から犯罪への問題提起をしたというのは非常に意義のあることだと思う。平和な日々をいきなり襲う暴力的な不幸にぞっとした。被害者が悪いわけじゃないのに、あまりにも失うものが多すぎる。ひどいことだ。最近、いろんな犯罪が多くて、テレビを見て「怖いねー」なんて言ってる裏に「被害者家族が居る」ということを意識させてくれたことが自分には良かった。

しかしお話としてみると、オチ(犯人がわかるくだり)はあっけなく感じたし、もうちょっとエピローグで登場人物みんなに救いがあるようにして欲しかったし(あるんだろうけど)、犯人はもっとぎったんぎったんにして欲しかったので、ちょっと未消化でした。考えてみると初宮部作品読了。ちょっと次の作品を読むには二の足を踏んでしまいますが、もう一作品ぐらいなら試してみてもよいかもしれないと思ってます。

『物理学は何をめざしているのか / 有馬 朗人』

物理学は何をめざしているのか (ちくまプリマーブックス) 物理学は何をめざしているのか (ちくまプリマーブックス)
有馬 朗人
筑摩書房 1995-09
内容(「MARC」データベースより)
物事を単純に見る、何が本質的でより基本的であるか。そして普遍的、統一的に見る。物理学の三原則は、具体的にどのような実りをもたらしたのか。科学の過去から未来にわたる点検と診断。〈ソフトカバー〉*
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これ、本の対象者年齢が小学生高学年から高校生ぐらいまで。2倍の年齢のおばちゃんが読みますよ、と。

内容としては物理の歴史とどういうことが物理でわかるか、というところ。単純に読もうと思ったきっかけは、数学のイメージはできるんだけど、物理ってどういう学問なのかイマイチわからんというところから。物理って、数学や化学の知識も必要な感じじゃないですか。実際そうなんだろうけど。

それで今回学んだことは、電車に乗ってボールを真上に投げてなぜボールは後ろに落ちないのか(慣性の法則)。「え、いまさらそこから?!」と驚かれるかもしれませんがすいません。考えてもみませんでした。しかし、電車に乗ってるだけで全てのものがエネルギーを持つなんて!かっけー!痺れるぅ!

そしてよくわからなかったのが、棒磁石を切断していくと、それぞれにN極とS極が生まれること。……なんで?そしてそもそも磁気(磁性)がよくわからん。磁気を発生するのは、電荷の動きらしい。電荷ってなんだ?というと、原子・電子などが帯びている電気の量らしい。プラスとマイナスがありスピンしていて…(このあたりから量子力学入った)……で、よくわからんという結論に。どうも私には、原子・原子核・電子・電荷・共有結合・イオン結合・双極子などなどの単語の意味することがわかってないよ。だいたい、電気・光・磁気・重力というのが具体的なイメージをつかめてないんだな。物理の世界も遠いようです。

『模倣犯(上) / 宮部 みゆき』

模倣犯〈上〉 模倣犯〈上〉
宮部 みゆき
小学館 2001-03
出版社 / 著者からの内容紹介
公園のゴミ箱から発見された女性の右腕、それは史上最悪の犯罪者によって仕組まれた連続女性殺人事件のプロローグだった。比類なき知能犯に挑む、第一発見者の少年と、孫娘を殺された老人。そして被害者宅やテレビの生放送に向け、不適な挑発を続ける犯人――。が、やがて事態は急転直下、交通事故死した男の自宅から、「殺人の記録」が発見される、事件は解決するかに見えたが、そこに、一連の凶行の真相を大胆に予想する人物が現れる。死んだ男の正体は? 少年と老人が辿り着いた意外な結末とは? 宮部みゆきが“犯罪の世紀”に放つ、渾身の最長編現代ミステリ。
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長いっ!分厚い!……というわけで、上巻だけでメモ。

みんちゃんが「読むべき」と言ってたのと、宮部みゆきは読み通したことがないので読み初めてみたんだけど、うーん? どうも私には文体が合わないなあ。昔もそれで読むのやめたんだっけなあ。記憶もないが。

高村薫女史などは好きなので、物事の書き込みが多くても読めるはずなんだけど、今回のように出てくる登場人物のバックボーンを執拗に描かれるとそれだけでおなかいっぱい。早く先へ進めと思ってしまう。

実際、第一部は展開に引き込まれて読めたが(豆腐屋のおじいちゃんは格好良いね)、第二部の最初あたりつらかった。正直、かなり速読した。だってキャラクターとか想像できる範囲なんだもん。あとやっぱり登場人物がつらい場面があると(それが日常的ならなおさら)だめなのです。昔から中学生日記(NHKのドラマ)とか大嫌いなのね。現実がつらいのに物語の世界までつらくてどーする、という見方なので。

とりあえず読み終わらないとどうしようもないので下巻まで突入する予定だが、この厚さの本はカバンが肩にくいこんで大変だ。

『舛添要一の6カ国語勉強法 / 舛添 要一』

舛添要一の6カ国語勉強法―体験に裏づけられた上達への近道 舛添要一の6カ国語勉強法―体験に裏づけられた上達への近道
舛添 要一
講談社 1997-02
出版社/著者からの内容紹介
外国語に上達する秘訣を体験から大胆に伝授。現在一般に流布されている外国語学習法の誤りを「語学学習法・七つの落とし穴」として指摘。「成功する九つの秘訣」で上達法を教授。外国での言葉の体験談も面白い。
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別に語学勉強のために読もうと思ったわけではなく、例の年金問題で、ほんと社会保険庁どうなってんだよなーと思っているところ、舛添さんがよくテレビに出てるので(社会保険庁は労働厚生省の下だということを最近知った・笑)、そういや舛添さんってどんな人なんだろうと思ったところから。イメージは「たけしのテレビタックル」で発言してる偉そうな国際政治学者だったんですが、実は英・仏は通訳になれるぐらいのレベルらしい。仏・英・独・西・露・伊ってよく学びましたねえ。学者としてどこまで評価されてるのかは知りませんが。

そんな彼がどのように語学を勉強したかを書いている本。私が頷いたのは、日本人は最初に基礎的な文法・単語を日本で勉強していったほうがいいということ。まぁ外国語の勉強法って人によると思うんですが、私も基本的な理論を学んでから現地行ったほうがいいんじゃないの?と思うほうなので、そーだよなーと思った。

あと意外だったのは、発音に関してなんだが、仏で各国からの留学生があつまる語学教室があったようなんだけど、そこにいると他学生の訛りのある仏語を聞くからダメだと、ほとんど参加せずに仏人の友達と遊んでいたというくだり。私は発音って最終的には無理なんじゃないの?と思うほうなんだが、徹底してるなあと。スペイン語・イタリア語訛りの仏語だって妥協してもいいと思ったんだが。

特に目新しい勉強法があったわけでもないんですが、ふーん舛添さんてこんな人なんだと一面を覗けたのは面白かったかな。でも社会保険庁のずさんっぷりは許しませんが。

『ご冗談でしょう、ファインマンさん / Richard P. Feynman 』

ご冗談でしょう、ファインマンさん〈上〉 (岩波現代文庫) ご冗談でしょう、ファインマンさん〈上〉 (岩波現代文庫)
Richard P. Feynman 大貫 昌子
岩波書店 2000-01
内容(「BOOK」データベースより)
現代を代表する大物理学者が、奇想天外な話題に満ちた自らの体験を痛快に語る。何でもとことん追求する態度といたずら好きの性格は、周囲に混乱と感動をひき起こさずにはいない。研究のかたわらで金庫破りの腕をみがいて仲間を驚かせたり、女の子とうまくつきあうことに腐心する一方で、夢に興味をもてば自分を実験台に研究開始。陽気なアメリカ人の愉快な一面と、科学への真摯な情熱を伝える好読物。
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実際読んだのは、古い一冊版のやつ。ノーベル物理学賞を受賞した物理学者のファインマン氏のエッセイです。

この本には全然物理学が出てこないのです。彼の悪戯しまくりの生い立ちがつづられているんだけど、ほんと子供みたいな人だなと思ったよ。可愛いねえ。ただ、あのいたずら具合は相手にもそれなりの度量がないと、怒ってしまうんじゃないかと心配してしまうチキンな私ですが。

自分の興味のあることを、自分の方法で模索し(”この記号はおかしい”と自分の積分記号などを作ってしまうような人だ)、好奇心旺盛な彼はほんと魅力的でした。日常生活から理論を思いつくのがすごいね。カフェテリアで皿を回してる人がいて、暇だからその皿の運動を計算したのがノーベル賞に結びつくなんてなあ(暇だから計算するというのも不思議だが)。

ファインマン物理学という大学の講義をまとめてシリーズがあるんだけど、それは隣の人に聞いたら大学1年生レベルだそうなので、ちょっと読むのは難しいかもしれない。とりあえずエッセイは2弾があるそうなのでそれは読もう。

『腐蝕の街 / 我孫子 武丸』

腐蝕の街 腐蝕の街
我孫子 武丸
双葉社 1995-11
内容(「BOOK」データベースより)
蘇る死刑囚。新本格の旗手が新境地をひらく近未来クライム・ノベルここに誕生。2024年、東京は死にかけた太陽のように荒廃した光を放っている。バラバラに切断された死体のそばには、処刑されたはずの殺人鬼からの挑戦状が残っていた。
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クライム・ノベルという単語を初めて聞きまして、なんですかそれ?と思って読みました。どうやらそのまま訳して、犯罪小説という意味らしい(ちなみに映画だとピカレスク・ドラマとか言うそうです)。

近未来設定なんで攻殻機動隊みたいな脳ハッキングや、ひねた少年と更生させようとするおっさんとの関係とか、ベタといえばベタなんですがまぁ面白かったです。でもミステリーではないな。

ただこのシンバ(ライオンの意)という少年、なんだかよく位置づけがわからんかったので続きを読まないとよくわかりません。もう一冊、続編があるようなので読んでみるかな。いま気づいたら10年以上も前の作品だったのに驚いた。

『文系のための数学教室 / 小島 寛之 』

文系のための数学教室 (講談社現代新書)

文系のための数学教室 (講談社現代新書)
小島 寛之
講談社 2004-11-19
<本書より>

数学はいまや理系に固有の学問ではなく、文系でも必需の道具として利用されているのです。「文系だから数学はわからない」と決め付けてしまうのは、実にもったいないことです。文系には文系固有の数学の利用方法、理解の仕方があっていいでしょう。(中略)実は数学は「言語」の一種です。しかし、このことを意識している文系の方はあんがい少ないのです。
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*多少酔ってます。

これもvamoくんのおすすめだったかな?読んでみました。

うん、文系からの見方(日常の論理、民主主義、哲学など)とわかりやすい切り口で面白かったです。多少、それはどーかなーと思う点もあったけど、数学の式を使って色々と説明してくれたのが変に表面的じゃなくて良かった。もともと微分積分を理解しようと学んでいる数学道だけど、なんとなーく見えてきた気がする。積分というのは曲線のある面積を求めるのに、部分を細かく分けて面積を求め、それらを足したものという観念でいいのかな。昔、領主が領地に税金をかけるのに正確に面積を求める必要があったけど、川が曲がっているから求めるのが大変だったとどっかで読んだ。

ただ微分がいまいちまだつかめてない。その一点における状態がわかると最大値や最小値、それを加速と考えると未来の位置がわかるという感じなんだが、一点の状態がわかると未来がわかるというのがどうも繋がってないのよねー。dxとかdyが出てくる記号は「とっても細かい」という意味はわかった。実際には differential らしいんだけども。略語は意味を知るのが大事っすなー(IT略語なんて特に)。

あと今回の驚きは民主主義を数学的に考えると、個人の好みが集団に反映されないということが証明されているということだ。なんでも経済学者のケネス・アローによる「アローの一般可能性定理」によると「個人の選好から集団の選好を決定する方式(関数)で、決定された集団の選好がこの5条件を満たすような方法(関数)は存在しない」ということらしい。5条件というのは、推移率、正反応、独立性、市民主権、非独裁ということだが、詳しくは wiki へ。難しいことがあれば「国民投票すりゃいいのに」と単純に思っていたんだけど、そうか。そういうこともあるのか。なんか騙されてる感もあるので、どっかのエライ人がこの論を覆してくれるのを待ちたい。あと文系としては、ドストエフスキーを思い出した。大多数の無知による多数決の結果って正しい結果を生むか?ということだ。でもこれって非常に傲慢な考えなんで、別に正しい・正しくないは要らないのかもしれないとも思う。でも科学が弾圧された歴史を考えると(天動説とか)、やっぱり正しいことは正しいとも思う。難しい。個と集団て別物だよね。

そうそう、本日体調悪いんで、MZ飲みをキャンセルしてしまいましたがご帰国なさった方、お疲れ様でした。

2008上半期ベスト5

東京暑いっすなー。湿度がたまらん。湿度が。

半期で読了50冊ぐらいなので、ちょうどいい区切りだと思って上半期のベスト5を考えてみました。

  1. プラネタリウムを作りました。 / 大平 貴之
  2. 聖の青春 / 大崎 善生
  3. ビッグバン宇宙論(上・下) / サイモン・シン
  4. ハサミ男 / 殊能 将之
  5. スプートニクの恋人 / 村上 春樹

こんな感じかな。1位・2位は似たような感じですが、ひとつのことに一生懸命になっている人がすごいという流れ。3位のサイモン・シンは暗号解読も良かったんで、「サイモン・シン」というくくりでもいいんだけど、宇宙熱が復活してるので宇宙論のほうを。4位はミステリー。久々にミステリーで面白かったから。5位も久々の(恋愛)小説ですが構成が上手かったので。

年間100冊を目標にしてるけど、それでも3~4日に1冊か。読書時間が通学時の往復1時間ぐらいなのでまぁ妥当か?速読すればもうちょっと速く読めるかもですが、ビジネス書は速読してもいいけど、それ以外には速読する意義を見出してないのでこれ以上は速くならないかなあ。

 

『スプートニクの恋人 / 村上 春樹』

スプートニクの恋人 スプートニクの恋人
村上 春樹
講談社 1999-04
メタローグ
「僕」が帰って来た。平仮名の「ぼく」になってはいたけれど、それは紛れもなく鼠の友人であり、直子の恋人であり、ビールとジャズとコットンシャツを愛する「僕」だった。 「ぼく」の女友達すみれが17歳年上の女ミュウに恋をする。しかしミュウは過去の事件が邪魔して求愛に応えられない。すみれは姿を消し、「ぼく」は彼女を探しにギリシャへ向かう。 村上春樹が支持された要因は主人公のクールでミニマムなライフスタイルにあった。ところが「ねじまき鳥」から「オウム」にかけ、彼はどんどん熱くなっていった。置いてけぼりにされた昔ながらのファンは、今回ホッと一息というところか。(石飛徳樹)
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「ずっと昔からnyontaはあったの?」
 僕は肯いた。
「うん、昔からあった。子供の頃から。
 僕はそのことをずっと感じつづけていたよ。そこには何かがあるんだって。
 でもそれがnyontaというきちんとした形になったのは、それほど前のことじゃない。
 nyontaは少しずつ形を定めて、その住んでいる世界の形を定めてきたんだ。
 僕が年をとるにつれてね。何故だろう? 僕にもわからない。
 たぶんそうする必要があったからだろうね」

村上春樹というと思い出すのがこんな言い回し(村上春樹風に語るスレジェネレータから抜粋)。人によっては合う合わないがある作家かもしれませんが、やはり世界のムラカミ。外国の友達が「最近読んだんだけど…」と言ってきたので、うわ、日本の作家なら私も読まないとマズイわ!と慌てて読みました。

村上作品は高校・大学時代がマイブームで、一番好きなのは「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」。ねじまき鳥は本屋で何日もかけて立ち読みしたレベルなので、実はちゃんと読んでない。近年の「海辺のカフカ」にいたっては未だ手付かず。そんな村上レベルの私が語るのもあれだが、ノルウェーの森時代とねじまき鳥あたりを足して2で割ったテイストだと思った。恋愛プラス自己模索みたいな。いや、でも悪くなかった。上手い構成で、ぐいぐいと引き込ませる作りだった。

村上作品はさらりとした文体に浸るのが素敵だと思うので、平日の昼間に天気のいい戸外の喫茶店で軽いアルコール片手に読んでみたいと思うのは、あまりにも作品に毒されすぎ?毎度思うんだが、村上作品の登場人物みたいな人と逢って話してみたいんだよね。リアルと虚構(自分世界)とうまく折り合いつけてるような人。実際の現実は、リアル多めか自分世界満載かのどちらかが多いからなあ。

この本の内容には触れませんが(知らないほうが面白いと思う)、面白かったです。やはりカフカも読まねばいけないな。