自分探しが止まらない (ソフトバンク新書) 速水 健朗 ソフトバンククリエイティブ 2008-02-16 内容(「BOOK」データベースより) 気がつけば、世の中には「自分探し」と密接に関わる現象が満ちあふれている。海外放浪やバックパッカーなどの”外こもり”、自己啓発ムーブメントやフリーター増加、路上詩人やホワイトバンドなどなど…。若者を中心として、「自分探し」が止まらなくなっている日本の姿を赤裸々に暴き出す一冊。夢を追っているうちに「自分探し」の落とし穴へ転落しないための社会の歩き方。 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
久々にハズカシー!と布団のなかをごろごろ転げまわりたい気分になった。
私は”自分探し病”じゃないかしらとは薄々感づいてはいたんだけど、まさかここまでピッタリに当てはまるとは思わなかった。インド旅行、サイババ(自分ブームがあった)、ニューエイジ(ヨガとかアロマテラピーとか)、海外ボランティア、ライフハック(一種の自己啓発)など挙げられてる例が、いちいち当たっている。やばいよ、一通り経験しちゃったよ。そしてこれらを経た若者は就職に関して「自分らしさ」「やりたい仕事を見つける」「好きなことを見つける」というキーワードへ向かうわけだ。
(∩ ゚д゚)アーアー聞こえなーい。何、このテンプレ通りの私の思考経路。
興味深かったのが自己啓発について。上記にも書いたが、私がお勧め!と言ってたGTD(getting things done)という手法はなんと元を辿るとニューソートと呼ばれる自己啓発の類に近いらしい。ビジネス手法だと思っていたのだが、ポジティブシンキングや成功哲学も一種の自己啓発なわけだ。あとは「貧しい人たちのために」「夢を実現しよう」といったスローガンを元にした企業ビジネスがあるということ。例としてあがっていたのは、ホワイトバンド(イカリングのあれ)や高橋歩や軌保博光の運動、新風舎の共同出版など。確かにああいった運動の裏には、そのお金がどこに流れるのかという疑問がある。よく聞くロハスなんて言葉も商標登録されてるってどういうことだ。作られたブームのようで胡散臭い。
惜しむらくは著者も後書きで述べているけど結論がないこと。自分探しをしている若者の分析で終わっており、彼ら(私を含め)が進むその先への視点がなかったことが残念だった。分析としては非常にうなづける例が多くて、自分への「気づき」(これも自己啓発のキーワードね・笑)がありました。
私自身、自分探し病から抜け出せないでいるのでこれらへの結論は出てないんだけど、一つ思っているのは「自分で考えなければならない」ということ。そのための手段(ツール)として色々なことを試すのは良いんじゃないのかと考えている。経験でしか見えてこないこともあるのは確かだし。ただ「本当の自分」「天職」「生きるのが楽しい」なんて(私にとっては)”無い”だろうと思っているので、見えないものを追い求めてもしょうがないと最近は割り切っているけど。
なんて、こんなことを言っている次の日にポジティブシンキングに目覚めるかもしれないので、未来は不明なんですけどね。