『模倣犯〈下〉 / 宮部 みゆき』

模倣犯〈下〉 模倣犯〈下〉
宮部 みゆき
小学館 2001-03
出版社 / 著者からの内容紹介
公園のゴミ箱から発見された女性の右腕、それは史上最悪の犯罪者によって仕組まれた連続女性殺人事件のプロローグだった。比類なき知能犯に挑む、第一発見者の少年と、孫娘を殺された老人。そして被害者宅やテレビの生放送に向け、不敵な挑発を続ける犯人――。が、やがて事態は急転直下、交通事故死した男の自宅から、「殺人の記録」が発見される。事件は解決するかに見えたが、そこに、一連の凶行の真相を大胆に予想する人物が現れる。死んだ男の正体は? 少年と老人が辿り着いた意外な結末とは? 宮部みゆきが“犯罪の世紀”に放つ、渾身の最長編現代ミステリ。
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読み終わりました。下巻の感想は、上巻よりもテンポが速くなったので良かった。しかし網川は嫌なやつだなあ。由美ちゃんがあんなになってショックだったよ。

全体的な感想として、被害者視点から犯罪への問題提起をしたというのは非常に意義のあることだと思う。平和な日々をいきなり襲う暴力的な不幸にぞっとした。被害者が悪いわけじゃないのに、あまりにも失うものが多すぎる。ひどいことだ。最近、いろんな犯罪が多くて、テレビを見て「怖いねー」なんて言ってる裏に「被害者家族が居る」ということを意識させてくれたことが自分には良かった。

しかしお話としてみると、オチ(犯人がわかるくだり)はあっけなく感じたし、もうちょっとエピローグで登場人物みんなに救いがあるようにして欲しかったし(あるんだろうけど)、犯人はもっとぎったんぎったんにして欲しかったので、ちょっと未消化でした。考えてみると初宮部作品読了。ちょっと次の作品を読むには二の足を踏んでしまいますが、もう一作品ぐらいなら試してみてもよいかもしれないと思ってます。