『世界青春放浪記 / ピーター・フランクル』

世界青春放浪記―僕が11カ国語を話す理由(わけ) (集英社文庫) 世界青春放浪記―僕が11カ国語を話す理由(わけ) (集英社文庫)
集英社 2002-04
内容(「BOOK」データベースより)

世界的数学者にして大道芸人。ハンガリーに生まれ、26歳でフランスに亡命。イギリス、アメリカ、スウェーデン、インドなどを旅したのち日本に定住する―。アウシュヴィッツで殺された祖父母のこと、医者の両親の愛情につつまれた少年時代。数学オリンピックでの金メダル獲得とパリ留学。天才数学者たちとの出会い、兵役、そして恋愛。大道芸と数学を愛し、自由を探し求めた波瀾万丈青春記。
Amazonで詳しく見るby G-Tools

チョイスのきっかけは、副題の「僕が11カ国語を話す理由」というところにあったんだけど、語学の本かなあなんて思ったら全然違ったよ!ピーターフランクルの半自伝だった。

ピーターフランクルは大道芸人で数学者ということだけしか知らなかったんだけど、ユダヤ人でハンガリーから亡命していたとは知らなかった。ヨーロッパにおけるユダヤ人迫害という話はやはり当事者の立場から語られると重々しい。

ヨーロッパ人の性の奔放さというんでしょうか。酔っ払って寝ている女性が初体験、なんていうくだりは(日本人の)倫理的にどうかと思ったけど、父親のいう「われわれユダヤ人の財産は心と頭にある」という言葉のとおり、身体一つで世界を股にかける姿はさすがです。

『いつでもやる気の英語勉強法 / 三宅 裕之』

 いつでもやる気の英語勉強法 心理メソッドと基礎徹底で誰でも伸び続ける いつでもやる気の英語勉強法<心理メソッドと基礎徹底で誰でも伸び続ける>
日本実業出版社 2007-09-21
内容(「BOOK」データベースより)
「パブロフの犬」になることで、一瞬でやる気に。イチローの意識の高さを自分にコピーする。大人は論理的思考力でリスニング力を伸ばせ。成功した「未来の自分」にインタビューする。英語を話すときは、頭の中を「小学3年生化」する。半年間の基礎徹底で、英語力は飛躍的に伸びていく。海外ドラマのDVDは、第一話だけを何度も”聴く”。リーディングは「ハリポタ」よりもビジネス書。人生を劇的に変える学習習慣。
Amazonで詳しく見る
by G-Tools

なんていうんでしょう、ドラクエ世代というのでしょうか。攻略本読まないと取り掛かれないのよね。

ということで、英語の勉強方法ってどんなのあるのかな~なんて数年かけて色々と見ているけど、まあ大体同じ様なこと書いてありますよね。結論は本人のやる気次第だとは思うけど(笑)

面白いのが集中力を高める方法として、アンカリング(Anchoring)という手法を紹介していたこと。これは例えば自分が「ものすごくやる気になっている」状況を作り上げ、気分が最高潮になる直前で左手の中指を右手でギュッと握り(指はどこでもいい)、その意識をアンカーしておくというものでした。他の機会に、また左の中指を握るとそのイメージを思い出してやる気が再び出るということなのかな。

勉強方法でも基本に沿った良いことを書いてあるような気がしました。この本どおりに勉強を実行しても面白いかもしれないなあ。

『定年まで逃げ切る英語術 / 梅森 浩一』

定年まで逃げ切る英語術―元・外資系人事部長が教える勉強法 定年まで逃げ切る英語術―元・外資系人事部長が教える勉強法
東洋経済新報社 2006-12
内容(「BOOK」データベースより)
それほど英語力がなかった著者も、ネイティブのヘッドハンターから「fluent(流暢)レベル以上」と評されるまでになった。彼が行ったのは英語が身につくまでの「時間稼ぎ」と徹底的に「効率的な」勉強であった。本書では、その「時間稼ぎ」と「勉強」の技術を大公開。さらに、外資系企業の人事部長であった経験から「仕事力」と「英語力」の関係についても明かす。
Amazonで詳しく見る
by G-Tools

今年は英語勉強しなかったので、そんじゃ替わりに本でも読んでおくかと思い、当分英語関係の本が続く予定。正直、語学は身体で覚える(手で書いたり話したり)するものだと思うので、読むだけでは勉強にならないのは百も承知。

この本は題名がインパクトあったが別に定年まで逃げ切る方法を教えてるわけでなく、著者自身の体験や使えるフレーズを紹介してました。確かに仕事上で使うのっていくつかの決まったフレーズがあって、それを押さえておくと格段に楽になるんでしょう。しかし、それが紋切り型じゃいかない場面(トラブルとか世間話とか)で、どれだけコミュニケーション取れるかというところが「英語が出来る」と言えるポイントなんだろうけど。

しかし本のエピソードで 「May I speak to Nyonta-san?」と電話で聞かれて「It’s me!」と答えて失笑されたなんてあったけど、これ、私が思いっきりやってたことなので笑った。「Speaking」とか「This is he/she」なんて答えるのが正解だったのか。知らなかった~。これだけでも読んだ甲斐があった。

いくつか覚えておくと便利そうなフレーズがあったのでメモっておこうかと思った。

『理科系の作文技術 / 木下 是雄』

理科系の作文技術 (中公新書 (624)) 理科系の作文技術 (中公新書 (624))
<本から>
中央公論新社 1981-01
(略)理科系の研究者・技術者・学生のために、論文・レポート・説明書・仕事の手紙の書き方、学会講演のコツを具体的にコーチする。盛り込むべき内容をどう取捨し、それをどう組み立てるかが勝負だ、と著者は説く。文のうまさに主眼をおいた従来の文書読本とは一線を劃し、ひたすら明快・簡潔な表現を追及したこの本は、文科系の人たちにも新鮮な刺激を与えるにちがいない。
Amazonで詳しく見る
by G-Tools

100冊の本の一冊。

うーん、たぶん良書なんだと思う。

が、けっこう理科系技術者の書く論文や学会講演のやり方などに焦点があたっていたので、全然関係ない私にはちょっとピンとこなかった。

しかし大学生で理系な人は一回は読んでおくとよいだろうというのはうなづける。

理系論文というのはずいぶんと通常の書き方とは違うもんなんだねえ。

『ことばと文化 / 鈴木 孝夫』

ことばと文化 (岩波新書) ことばと文化 (岩波新書)
岩波書店 1973-01
内容(「BOOK」データベースより)
文化が違えばことばも異なり、その用法にも微妙な差がある。人称代名詞や親族名称の用例を外国語の場合と比較することにより、日本語と日本文化のユニークさを浮き彫りにし、ことばが文化と社会の構造によって規制されることを具体的に立証して、ことばのもつ諸性質を興味深くえぐり出す。ことばの問題に興味をもつ人のための入門書。
Amazonで詳しく見る
by G-Tools

近年はかなり言語学に興味があるのです。

動機は色々とあるんですが、

  • トラウマと呼べるほどの私の英語コンプレックス
  • ポル語ひとつ知ってるとラテン語系はみんな似てるなあ
  • アフリカの人々は部族間で言葉が違うからわからないというのに、最初に出会った人たちはどのようにコミュニケーションしたんだろう?

なんていうところから。別に本書は上に関係した本じゃないけど、たまたま読んだらこれが良書であった。

そうなんだよなあ、言語は文化なんだよなあ。(日本語には)そういう考え方がないから、日本語を直訳しても英語にはならないんだよなあ。留学すると言葉が上手くなるというのは、24時間その国の言葉漬けというのもあるだろうけど、その国の人の考え方・振る舞いを肌で感じるから、頭で理解した単語選びじゃなくて感覚で単語が選べるんだろうなあ、なんて思った。

あとは言葉の意味、定義という話のあたりは哲学に通じている。言葉で言葉を説明するという辞書の不思議がおもしろい。例えば石を辞書でひくと「岩より小さく、砂より大きいもの」とあるので今度は岩をひくと「石の大きいもの」となっており、堂々巡り。

色々と面白いことが書いてあった。まとめるのが面倒なので省くけど、いいなあ。言語学。

『アフリカで寝る / 松本 仁一』

アフリカで寝る (朝日文庫) アフリカで寝る (朝日文庫)
朝日新聞社 1998-07

内容(「BOOK」データベースより)
砂漠で、サバンナで、気温46℃の世界で、寝る。記者としてアフリカに暮らし、アフリカを愛してやまない著者が、自らのさまざまな「寝る」経験を通して現地の人々の生活を描き、アフリカの現在に迫る。”本物の出会い”の素晴らしさが胸を打つ、日本エッセイスト・クラブ賞受賞作。

Amazonで詳しく見る by G-Tools

先日の「アフリカを食べる」が面白かったので、続編。

アフリカのエッセンスはたぶん前作で凝縮されているので、おすすめするなら前作だけど、こちらも楽しんで読んだ。

この頃、本を読むといろんな知人を思いだします。「これ、○○が読んだらどうなのかなあ」と思って、プレゼントしてみたいんだけど、いきなり本を読んで!と渡されると、プレッシャーに感じるかなあ。自分がされたらと想像するに、早く読まなきゃとプレッシャーに思うかもしれないけど、横に本を積んでおくのは好きなので嬉しい気もするんだけど。

でもやっぱり他人に本をプレゼントするという勇気が出ない。

そういうのが平気な人には、私が思うその人へのオススメの本をあげたいと思うんだけどな。

『アフリカを食べる / 松本 仁一』

アフリカを食べる (朝日文庫) アフリカを食べる (朝日文庫)
朝日新聞社 1998-07

内容(「BOOK」データベースより)
アフリカの人々は、サルを食べるが豚は食べない…なぜ?アフリカ通の著者が、大陸の風土・歴史を背景に、「食」を通じてアフリカの人々を描く。食が地域に根ざすものであること、文化の共存は他者の価値観を尊重するところに始まることを感じさせる、洒脱なアフリカ体験記。

Amazonで詳しく見る by G-Tools

病院通いは4日ぐらい続いております。炎症反応が消えないんですよ。24日も、もう一度検査しに行くことになっちゃた。せっかくの休みをPCに張り付きってどういうことだ。いつもと変わらんじゃないか。

そういうわけで図書館にも行けてないので(痛くて)、家の本棚から拝借。いやー懐かしくもあり、知らないこともあって面白かった。著者は朝日新聞社のアフリカ駐在員で、まさに地元に根付いた「食」を描いてくれている。うまいこと言うなあと思ったのは、アフリカの食文化を総称して 「熱湯でこねた穀物の粉」を「トマトと塩味の肉煮込み汁」で食べる、と言ったのはそのとおり。

アフリカは食「文化」ではないかもしれないけど、それでも色々と食べ物があるのは確かで、著者は本当に現地の人と同じものを(好奇心で?)食べているのに好感が持てる。ヤギの血を飲んだり芋虫を食べたり羊の目玉を食べたり。日本人から見るとゲテモノのように思えるかもしれないが、現地の人が食べているものはそこに文化があるんだと思う。私らが生魚を食べるのも、ずいぶんと変に思われるようだしね。

思い返すのは、昔、MZでお手伝いさんに連れられて彼女の村に行ったときのこと。マンゴーで作ったお酒を勧められたのね。ペットボトルの容器に果汁をいれて自然発酵させたものだと思うんだけど、それをプラスチックの器でハイと渡され、恐る恐る飲んだら、周りに群がっていた村人たちがワッと喜んだこと。自分たちが食べているものを他人が食べてくれるというのは、何故だか人を連帯させる力がありますなあ。同じ釜の飯を食べた、じゃないけど。

あと協力隊の知人たちに感謝したいのは、その地域に友達が行ってたなあと思うと急に親近感が湧くこと(笑)。おかげでどこの地域の話を読んでも、興味深く読めました。

この本でMZを思い出していたら、たまたま元生徒からメールが来てあらまー偶然て続くわね。ほんと、たまーにだけどアフリカの青い空が懐かしく思い出されて行きたくなるときがありますよ。

『月と六ペンス / サマセット・モーム』

月と六ペンス (岩波文庫) 月と六ペンス (岩波文庫)
モーム(著) 行方 昭夫(訳)
岩波書店 2005-07
<表紙より>
皮肉な笑みを浮かべながら、自分は”通俗作家”だとうそぶいていたモーム(1874-1965)だが、その作品の底には、複雑きわまりない矛盾のかたまりとしての人間にそそぐ、<人間探求者>の飽くなき目があった。芸術の魔力に取り付かれた男の徹底したエゴイズムを、シニカルな筆致で巧みに描いてみせたモームの代表作。
Amazonで詳しく見る
by G-Tools

ここんとこ、DQ9に忙しくて通勤中に本を読んでなかったのですが(通勤中にDSをやるな!というご指摘はごもっとも)、点滴のために病院通いがあったので読了。

先日のゴーギャン展でゴーギャンに興味を持ったんですが、そういえば彼をモデルにした小説があったなあということで選びました。いや、なかなか面白かった。ゴーギャンがモデルというか彼を彷彿させるけども、うまくフィクションと混ぜ合わさっていた。語り手の小説家の青年の視点が冷静で少し皮肉もきいてて、こういう感じは好きだ。

ストリックランド(小説のなかの画家)は、かなりひどい男で、自分の芸術に向かって周りを巻き込んでいくんだけど、こういう男に惚れる女もいるわよねということで、ちょっとその女性側の気持ちがわかりかけてしまった。本当にゴーギャンがこういう人だったなら、前言撤回して「しょうがない」と言ってしまうかも。

題名が素敵ですが、この由来はモームの「人間の絆」という作品への書評で 「多くの他の若者と同じく、主人公のフィリップは『月』に憧れるのに夢中であったので、足元にある『六ペンス』を見なかった」とあったのから引用されたそうだ。ストリックランドは、美の理想(『月』)を追求しつづけ、世俗的な喜び、富、名声(『六ペンス』)などを投げ出す、ということらしい。なるほど。

『蝶狩り / 五條 瑛』

蝶狩り (角川文庫) 蝶狩り (角川文庫)
角川グループパブリッシング 2008-08-25
内容(「BOOK」データベースより)
女子高生、風俗嬢、キャッチガール、キャバクラ嬢。アイドルばりの恵まれた外見で流行の服に身を包む彼女たちが忽然と消えた。人捜し専門の調査事務所を営む桜庭は依頼を受け、腐れ縁で”逃がし屋”の御曹司・桧林と、親友でヤクザの二代目・松村の協力を得て、失踪した美女たちの行方を追う。彼女らに近づくにつれ明らかになる哀しい現実とは?艶やかさの内側に氷を隠した蝶たちに、ちょっとさえない探偵・桜庭が迫る。
Amazonで詳しく見る
by G-Tools

五條さんの既刊を読破せねばならぬ…!と思いつつ、このブログをはじめてから3冊しか読んでなかった。私が五條さんを評価するのは、女性向けのハードボイルド風というのもあるんだけど、彼女が自分の小説を「文学作品ではなくエンターテインメント作品でよい」とどっかで言ってるのをみてから。

格調高い文学作品も良いけど、やっぱり本は普通に読んで面白いのが一番良くない?

じゃーラノベでもいいのか!という話だけど、ラノベだっていいんだって。自分が面白ければ。文字の組み合わせでいろんな世界が出来て、その世界に浸れるなんて、なんて素敵な活字世界。

そうそう。この本の感想は 「渚ちゃんがかわいそうじゃない?!」 この一言に尽きる。どうも連載一回分が無くなったような結末だった。あれは未完じゃないの!?違うの?!

それなりに前半の内容は面白かったんだけどなあ。消化不良でした。出てくる男の人たちは相変わらず素敵だった。女子向けだが。

『マリカの永い夜; バリ夢日記 / 吉本 ばなな』

マリカの永い夜;バリ夢日記 マリカの永い夜;バリ夢日記
幻冬舎 1994-03
内容(「BOOK」データベースより)
蓮の花を見つめるマリカ。彼女にはまだいくつ、越えなくてはいけない悲しいことがあるのだろう。多重人格のマリカと10年の時を共にした元精神科医が見た、自由な魂たちの悲しみと希望の物語。そして、霊が肉を包む南の磁場での著者の体感世界を現わす「バリ夢日記」。初の書き下ろし小説+紀行。
Amazonで詳しく見る
by G-Tools

選んだ理由が俗っぽくて恥ずかしいんだが、ちょっと前にネットで吉本ばななのこのエッセイが話題になっていたのね。私としては、「気持ちはわかるが、チェーン店の居酒屋にお酒持ち込むのはどうよ。というか、こういうエッセイを書くとは、今の吉本ばななってどうなってるんだ?」と思ったのがチョイスのきっかけ。

吉本ばななといえば、私が学生時代にキッチンやTSUGUMIを読んで心をときめかせていたという(……)過去があるのでなんとも複雑なことであったよ。まあ、月日が変わると人も変わるわよね。

この本はバリ島の本。小説のほうは、多重人格の少女がバリ島に癒されるといった感じでまあ普通。エッセイのほうは、ところどころ鼻につく箇所があってやっぱり「えー」と思ったりした。というか私のエッセイが面白いと思う基準が年々厳しくなっている気もするが。

やっぱり「ふーん」という読後感ではあった。