『太陽を曳く馬 / 高村 薫』

太陽を曳く馬〈上〉太陽を曳く馬〈下〉 太陽を曳く馬〈上〉〈下〉
新潮社 2009-07
内容(「BOOK」データベースより)

福澤彰之の息子・秋道は画家になり、赤い色面一つに行き着いて人を殺した。一方、一人の僧侶が謎の死を遂げ、合田雄一郎は21世紀の理由なき生死の淵に立つ。―人はなぜ描き、なぜ殺すのか。9.11の夜、合田雄一郎の彷徨が始まる。
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もう高村さんは合田刑事シリーズを書かないと思ってました。そしたら書いてらっしゃったのでわたくし歓喜。

しかしいろいろと重い本だった。宗教論、芸術論を軸に一つの時代を切り出したような。何度見ても高村さんの本に「吉田戦車」で「火星田マチ子」はその組み合わせが既にシュールだ。

合田刑事(ごうだ、だと最近知った)が歳取ったなあ。もう40歳代になってしまったのか。奥さんが9.11に巻き込まれて亡くなったというのには驚いた。離婚した奥さんだよね?

またイマドキの若い刑事の描写が上手くかけてると思った。そうそう、ケータイに忙しくちゃらんぽらんに見えるんだけど、ひょんなところで鋭いところがあるというのは同意。

難しい本だったのでうまく感想書けないんだけど、また数年後の改稿で読んでみたい。いや、むしろ今またマークスの山かレディージョーカーか照柿を読み返す時期なのかしら。

 

『リセットダイエット成功レシピ集 / 篠塚 蘭美以』

覚悟を決めて1週間!リセットダイエット成功レシピ集 覚悟を決めて1週間!リセットダイエット成功レシピ集
幻冬舎 2004-04-23
出版社/著者からの内容紹介

成功率98%、マスコミで話題沸騰中のダイエットが簡単レシピで登場。肉、魚、野菜、魚介類など46品目をオールカラーで一挙紹介。その他、お弁当の作り方、コンビニランチ、Q&A付き!
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なんつーかですね。体重計で見たこともない数値が現れてるのですよ。

ちょうど年の瀬なので、今年一年のグラフを見てみることにしましょう。ほい。

20091229.GIF小さいので見づらいですが、1月から12月までのグラフになっております。うわー、わかりやすいくらいの上昇線ですね。7月ぐらいにがっくりと減ってるのは欧州案件トラブルで毎日終電の勢いだったからですね(夕飯食べれてなかったのよね)。

なのでこうみると、やはり仕事が始まって運動をしなくなってから体重が上がっているようです。あまりダイエットには意味が無いと思われていた「脳内東海道五十三次ジョギング」も体重抑制という意味では役立ってたんだなあ。

そういったわけで、お正月はいい機会だと思いましたので、上記のリセットダイエットでもやってみようかとゆるーくはじめました。ちなみにこのダイエット方法、安野モヨコがオススメしてたやつですね。これは炭水化物を食べずに、肉と野菜生活で一週間過ごそうというもの。もともと私はあまりお米を食べないので、炭水化物が食べられないのはそんなにつらくないのよね。ただ食事制限をあまりしたことがないので、どんなもんかなあ。あ、スロトレはちょこちょこやってる。

仕事が始まったら、がっつり食べないとやってられないので止めますが、日曜日までやってみよう。

『ミステリー食事学 / 日影 丈吉』

ミステリー食事学 (1981年) (現代教養文庫〈1046〉) ミステリー食事学 (1981年) (現代教養文庫〈1046〉)
社会思想社 1981-06
<本扉より>
ミステリーと味覚探求は相通じる。ただ口に入ればよいというものではない。高じれば、案内記を漁ったり、自分で作ったりする。本書は、二つのジャンルに共通の翼にのって古今東西のエピソードをフルコースばりに盛り込んだものである。
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痛恨の図書館行き忘れで読む本がなくなってしまった。

そんなわけで家の本棚より拝借しましたが、この本、ミステリーをネタにしているわりには食べ物のエッセイという感じでした。毒殺や推理小説に出てくる料理を考察しているのはいいんだけど、ちょっと強引だったやもしれません。

しかしこないだの本でも思ったけど、料理だけのエピソードをフルに盛り込むと結構飽きるものなんですね。やはり長い背景があり、それでたどり着く料理というのに味わいがあるのかしら(”空腹は最高の調味料”といったような)。

 

『これ以上やさしく書けない微分・積分 / 小林 吹代』

これ以上やさしく書けない微分・積分 これ以上やさしく書けない微分・積分
PHP研究所 2006-11-18
内容(「MARC」データベースより)

どうして重いものも軽いものも同時に落ちるの? 飛び上がっている間に、地球が動いていってしまう心配は? ニュートン以前の話や、微積分へと通じる考え方やアイディアを豊富に含ませ、わかりやすく微分・積分を解説する。
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私の微分・積分との格闘はいまだ続いているのだった。

なぜ微積が必要か、何を表しているかまではようやく理解してきたような気がする。しかしある地点になってしまうと、途端に脳が考えるのを停止するのであった。やっぱり数学はスポーツなので、読むのではなく手を動かして考えなければならないのだろう。

問題集でもやればひらめくと思うんだけどね。どうもね。すっと落ちてこないのよね。

でもまだ数学の世界を追うよ!

 

『「恋する身体」の人間学 / 小浜 逸郎』

「恋する身体」の人間学―シリーズ・人間学〈2〉 (ちくま新書) 「恋する身体」の人間学―シリーズ・人間学〈2〉 (ちくま新書)
筑摩書房 2003-06
内容(「BOOK」データベースより)

プラトンやデカルトなどの哲学者は、身体や情緒の問題を、うまく解きほぐすことができなかった。そのためその人間観は、私たちの経験や常識とはどこかずれている。そこで本書では、誰もが納得できる話から始めて、少しずつ思考を重ねていき、情緒や身体の本質に迫っていく。その過程で、人間が社会生活を営む上で欠かせぬ言語を取り上げ、言語だけが「意味」をもつのでなく、身体や情緒も「意味」性を帯びており、社会を作り上げる要素でもあることが示される。私たちの性愛感情の源にも迫った本書は、「人間」という存在を深く理解する上で示唆に富む、新しい人間学の試みである。
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近日は身体と精神という関係について考えているので、なんか面白い視点があるかなあとチョイス。

講義を本にまとめた形式で読みにくかった。情緒というものは何かということを考えているのは面白かったけど、前半がだるい。最後にある「性愛感情とは何か」という箇所をもう少し多く語ってくれたらよかった。

人間は実はそこまで高等動物じゃなくて原始本能で動いている、ということが書いてある本ないかなあ?なんか最近どうもそんな気がしている。ドーキンスは昔読んだ。口紅を赤く塗るのは、サルのメスが発情したときにお尻が赤くなるのと同じ意味のセックスアピール、とかそういうんでもいいんだけど(笑) 

*真偽はともかく、その話を聞いてから赤い口紅がおかしくてしょうがない。

『実践!おひとりさま道 / 葉石 かおり』

実践!おひとりさま道 実践!おひとりさま道
ライブドアパブリッシング 2005-09-29
内容(「BOOK」データベースより)
本書は「おひとりさま」の提唱者で、「おひとりさま向上委員会」を設立した故・岩下久美子氏の考えと、筆者の二十余年にわたるひとり体験をもとにした、「おひとりさま」実践マニュアルである。
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題名が「おひとりさま」なので、上野先生のようかと思われるかもしれませんが、そうじゃなくてこれは女性一人で食事や飲みや旅にでる良さを啓蒙(?)した本。

先日の飲み会で来年の目標に加えれば?と言われたのが、「一人で飲み屋に行く」でした。

これねー!一回やってみたいとは思っていたんですが、敷居が高くてねー!!大体、手持ち無沙汰で何していいかわからんのよね。

そんなこんなでたまたま目についていた本がこれだったんで、ぱらっと読んでみました。なんとおひとりさま向上委員会というサイトまであるのですね。へええ。

うーん、がんばってみたい。

『バカのための読書術 / 小谷野 敦』

バカのための読書術 (ちくま新書) バカのための読書術 (ちくま新書)
筑摩書房 2001-01
内容(「BOOK」データベースより)

現在、「知」は混迷状態に陥っている。インテリたちはかつてないほど熱心に西洋の新理論の輸入に血道をあげ、難解な言葉と言い回しに身をやつしている。その一方で、有名大学の学生がフランス革命の存在を知らなかったりする。では、この両極の中間に位置する人は、何をどう読めばよいのか。学校は出たけれどもっと勉強したい人、抽象的な議論がどうも苦手だという人。そういう「バカ」たちのために、本書はひたすら「事実」に就くことを指針とし、インチキ現代思想やオカルト学問、一時の流行に惑わされず、本を読み勉強するための羅針盤となるべき一冊である。本邦初「読んではいけない」リスト付き。
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そういやこの週は2回も夜勤をしてた。なんだか夜勤が2回あると体内時計が狂うよ。

さて本ですが、なかなか挑戦的なタイトルで著者も一癖ありそうな方した。でも中身はバカ向けじゃなかったよ。

ユングなんてオカルト学問と一刀両断されていたのに、若い頃、心理学か哲学どっちをやるか迷っていたのでちょっと笑った。ユングって認められてないの?えー、選ばないでよかった……。

読書リスト見たさに読んだんだけど、メモってないからよくわからない。目が滑った。

『心霊探偵八雲(1) 赤い瞳は知っている / 神永 学』

心霊探偵八雲〈1〉赤い瞳は知っている (角川文庫) 心霊探偵八雲〈1〉赤い瞳は知っている (角川文庫)
角川書店 2008-03-25
内容(「BOOK」データベースより)

学内で幽霊騒動に巻き込まれた友人について相談するため、晴香は、不思議な力を持つ男がいるという「映画同好会」を訪ねた。しかしそこで彼女を出迎えたのは、ひどい寝癖と眠そうな目をした、スカした青年。思い切って相談を持ちかける晴香だったが!?女子大生監禁殺人事件、自殺偽装殺人…次々と起こる怪事件に、死者の魂を見ることができる名探偵・斉藤八雲が挑む、驚異のハイスピード・スピリチュアル・ミステリー登場。
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売れてるようで、本屋で平積みだしメディアミックスされているので読んでみました、が。

やー、ひどいね。ヒロインがムカついてしょうがなかったね。小・中学生向けだね。ストーリーもキャラクターもテンプレなうえ、何が面白いのかよくわからないね。

途中で読むのやめようと思ったんだけど、根性で最後まで読んだ。けどもう続きなんて読まない。そもそもツンデレの女の子って口だけでいやなのよね。君がそういうことするからトラブルが増えるんじゃん!という。

私が(少女趣味な)女子だからそう思うのかもしれませんが、今回は左目が赤い八雲くんにも全然心ときめかなかったよ。

『スロトレ / 石井 直方』

スロトレ スロトレ
高橋書店 2004-06
内容(「MARC」データベースより)
私の脂肪がこんなに燃えやすかったなんて! 今までのダイエットはなんだったんだ? 簡単なスロートレーニングで成長ホルモンを分泌させれば効率的に脂肪を燃やせます。ダイエットの決定版、ついに登場。
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というわけで、買ってみました。先日の「一生太らない体の作り方」の著者ですよ。

実践編なので、図解でスロトレの方法が載ってました。しかし運動の内容は「一生~」と同じだった。この4パターンだけでいいのかなあ?と感じつつも、腿上げ30回ぐらいで身体から危険信号が(笑)!

理論派には「一生~」のほうがきちんと説明してあって良いですね。こちらのほうが写真が多いのでスロトレの内容を掴むには良いけど。

行ってないジムにお金を払いつづけるのももったいないんで辞めたんですけど、増加中の体重と腰痛対策はどうしましょう?今年の初めぐらいはまだ走れる身体(当社比)だったのになあ。思えばあれで体重増加を防いでいたのかもしれんね。

三ヶ月で身体が変わるらしいけど、続くかなあ?

『グルメのための文芸読本 / 篠田 一士』

グルメのための文芸読本 (朝日文庫) グルメのための文芸読本 (朝日文庫)
朝日新聞社 1986-11
内容(「BOOK」データベースより)

博識と食欲を以て鳴る文芸批評家は、かつて『アンナ・カレーニナ』冒頭に登場する生牡蛎に生唾を飲んだ少年だった。文学作品に描かれた珍味佳肴を想像裡に味わいつくすことは読書の楽しみのひとつ、と断言する著者が、古今東西の詩文から口腹の楽しみを集めた、舌で読むアンソロジー。
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グルメ本というか、古今東西の本から食べ物の描写を抜き出した本ですね。

意外だったのは、思ったほどお腹空かなかったこと(笑) 食べ物ばかりの話だと美味しそうでお腹空くかなあと思っていたんだけども、やっぱり一文だけ抜き出すと背景描写がわからないのでそこまで雰囲気を感じないからかな。

それでもやっぱり数ある食べ物の描写の数々を見せ付けられると、やっぱり食べ物っていいよねえと思うことしかり。それではひとつ蜜柑の引用をば。中国の張岱(ちょうたい)という人の「陶庵夢憶」という本らしい。自家の近くの果樹園にできる極上の蜜柑について、そこの園主の凝り性ぶりを書いた描写。

「青いうちはちぎらぬ。酸いうちはちぎらぬ。木の上で紅くなるまではちぎらぬ。霜が下りなければちぎらぬ。蔕(へた)と一緒に剪(き)らなければちぎらぬ。だからそのちぎった蜜柑の皮は極めて剥き易くて、深黄色、中の袋は堅いけれどもぽろっと剥けるし、筋は簡単にほぐれ、味は甘くて新鮮だ」

こたつに蜜柑の季節だねえ。