太陽を曳く馬〈上〉〈下〉 新潮社 2009-07 福澤彰之の息子・秋道は画家になり、赤い色面一つに行き着いて人を殺した。一方、一人の僧侶が謎の死を遂げ、合田雄一郎は21世紀の理由なき生死の淵に立つ。―人はなぜ描き、なぜ殺すのか。9.11の夜、合田雄一郎の彷徨が始まる。
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もう高村さんは合田刑事シリーズを書かないと思ってました。そしたら書いてらっしゃったのでわたくし歓喜。
しかしいろいろと重い本だった。宗教論、芸術論を軸に一つの時代を切り出したような。何度見ても高村さんの本に「吉田戦車」で「火星田マチ子」はその組み合わせが既にシュールだ。
合田刑事(ごうだ、だと最近知った)が歳取ったなあ。もう40歳代になってしまったのか。奥さんが9.11に巻き込まれて亡くなったというのには驚いた。離婚した奥さんだよね?
またイマドキの若い刑事の描写が上手くかけてると思った。そうそう、ケータイに忙しくちゃらんぽらんに見えるんだけど、ひょんなところで鋭いところがあるというのは同意。
難しい本だったのでうまく感想書けないんだけど、また数年後の改稿で読んでみたい。いや、むしろ今またマークスの山かレディージョーカーか照柿を読み返す時期なのかしら。