『舛添要一の6カ国語勉強法 / 舛添 要一』

舛添要一の6カ国語勉強法―体験に裏づけられた上達への近道 舛添要一の6カ国語勉強法―体験に裏づけられた上達への近道
舛添 要一
講談社 1997-02
出版社/著者からの内容紹介
外国語に上達する秘訣を体験から大胆に伝授。現在一般に流布されている外国語学習法の誤りを「語学学習法・七つの落とし穴」として指摘。「成功する九つの秘訣」で上達法を教授。外国での言葉の体験談も面白い。
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別に語学勉強のために読もうと思ったわけではなく、例の年金問題で、ほんと社会保険庁どうなってんだよなーと思っているところ、舛添さんがよくテレビに出てるので(社会保険庁は労働厚生省の下だということを最近知った・笑)、そういや舛添さんってどんな人なんだろうと思ったところから。イメージは「たけしのテレビタックル」で発言してる偉そうな国際政治学者だったんですが、実は英・仏は通訳になれるぐらいのレベルらしい。仏・英・独・西・露・伊ってよく学びましたねえ。学者としてどこまで評価されてるのかは知りませんが。

そんな彼がどのように語学を勉強したかを書いている本。私が頷いたのは、日本人は最初に基礎的な文法・単語を日本で勉強していったほうがいいということ。まぁ外国語の勉強法って人によると思うんですが、私も基本的な理論を学んでから現地行ったほうがいいんじゃないの?と思うほうなので、そーだよなーと思った。

あと意外だったのは、発音に関してなんだが、仏で各国からの留学生があつまる語学教室があったようなんだけど、そこにいると他学生の訛りのある仏語を聞くからダメだと、ほとんど参加せずに仏人の友達と遊んでいたというくだり。私は発音って最終的には無理なんじゃないの?と思うほうなんだが、徹底してるなあと。スペイン語・イタリア語訛りの仏語だって妥協してもいいと思ったんだが。

特に目新しい勉強法があったわけでもないんですが、ふーん舛添さんてこんな人なんだと一面を覗けたのは面白かったかな。でも社会保険庁のずさんっぷりは許しませんが。

『ご冗談でしょう、ファインマンさん / Richard P. Feynman 』

ご冗談でしょう、ファインマンさん〈上〉 (岩波現代文庫) ご冗談でしょう、ファインマンさん〈上〉 (岩波現代文庫)
Richard P. Feynman 大貫 昌子
岩波書店 2000-01
内容(「BOOK」データベースより)
現代を代表する大物理学者が、奇想天外な話題に満ちた自らの体験を痛快に語る。何でもとことん追求する態度といたずら好きの性格は、周囲に混乱と感動をひき起こさずにはいない。研究のかたわらで金庫破りの腕をみがいて仲間を驚かせたり、女の子とうまくつきあうことに腐心する一方で、夢に興味をもてば自分を実験台に研究開始。陽気なアメリカ人の愉快な一面と、科学への真摯な情熱を伝える好読物。
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実際読んだのは、古い一冊版のやつ。ノーベル物理学賞を受賞した物理学者のファインマン氏のエッセイです。

この本には全然物理学が出てこないのです。彼の悪戯しまくりの生い立ちがつづられているんだけど、ほんと子供みたいな人だなと思ったよ。可愛いねえ。ただ、あのいたずら具合は相手にもそれなりの度量がないと、怒ってしまうんじゃないかと心配してしまうチキンな私ですが。

自分の興味のあることを、自分の方法で模索し(”この記号はおかしい”と自分の積分記号などを作ってしまうような人だ)、好奇心旺盛な彼はほんと魅力的でした。日常生活から理論を思いつくのがすごいね。カフェテリアで皿を回してる人がいて、暇だからその皿の運動を計算したのがノーベル賞に結びつくなんてなあ(暇だから計算するというのも不思議だが)。

ファインマン物理学という大学の講義をまとめてシリーズがあるんだけど、それは隣の人に聞いたら大学1年生レベルだそうなので、ちょっと読むのは難しいかもしれない。とりあえずエッセイは2弾があるそうなのでそれは読もう。

『腐蝕の街 / 我孫子 武丸』

腐蝕の街 腐蝕の街
我孫子 武丸
双葉社 1995-11
内容(「BOOK」データベースより)
蘇る死刑囚。新本格の旗手が新境地をひらく近未来クライム・ノベルここに誕生。2024年、東京は死にかけた太陽のように荒廃した光を放っている。バラバラに切断された死体のそばには、処刑されたはずの殺人鬼からの挑戦状が残っていた。
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クライム・ノベルという単語を初めて聞きまして、なんですかそれ?と思って読みました。どうやらそのまま訳して、犯罪小説という意味らしい(ちなみに映画だとピカレスク・ドラマとか言うそうです)。

近未来設定なんで攻殻機動隊みたいな脳ハッキングや、ひねた少年と更生させようとするおっさんとの関係とか、ベタといえばベタなんですがまぁ面白かったです。でもミステリーではないな。

ただこのシンバ(ライオンの意)という少年、なんだかよく位置づけがわからんかったので続きを読まないとよくわかりません。もう一冊、続編があるようなので読んでみるかな。いま気づいたら10年以上も前の作品だったのに驚いた。

『文系のための数学教室 / 小島 寛之 』

文系のための数学教室 (講談社現代新書)

文系のための数学教室 (講談社現代新書)
小島 寛之
講談社 2004-11-19
<本書より>

数学はいまや理系に固有の学問ではなく、文系でも必需の道具として利用されているのです。「文系だから数学はわからない」と決め付けてしまうのは、実にもったいないことです。文系には文系固有の数学の利用方法、理解の仕方があっていいでしょう。(中略)実は数学は「言語」の一種です。しかし、このことを意識している文系の方はあんがい少ないのです。
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*多少酔ってます。

これもvamoくんのおすすめだったかな?読んでみました。

うん、文系からの見方(日常の論理、民主主義、哲学など)とわかりやすい切り口で面白かったです。多少、それはどーかなーと思う点もあったけど、数学の式を使って色々と説明してくれたのが変に表面的じゃなくて良かった。もともと微分積分を理解しようと学んでいる数学道だけど、なんとなーく見えてきた気がする。積分というのは曲線のある面積を求めるのに、部分を細かく分けて面積を求め、それらを足したものという観念でいいのかな。昔、領主が領地に税金をかけるのに正確に面積を求める必要があったけど、川が曲がっているから求めるのが大変だったとどっかで読んだ。

ただ微分がいまいちまだつかめてない。その一点における状態がわかると最大値や最小値、それを加速と考えると未来の位置がわかるという感じなんだが、一点の状態がわかると未来がわかるというのがどうも繋がってないのよねー。dxとかdyが出てくる記号は「とっても細かい」という意味はわかった。実際には differential らしいんだけども。略語は意味を知るのが大事っすなー(IT略語なんて特に)。

あと今回の驚きは民主主義を数学的に考えると、個人の好みが集団に反映されないということが証明されているということだ。なんでも経済学者のケネス・アローによる「アローの一般可能性定理」によると「個人の選好から集団の選好を決定する方式(関数)で、決定された集団の選好がこの5条件を満たすような方法(関数)は存在しない」ということらしい。5条件というのは、推移率、正反応、独立性、市民主権、非独裁ということだが、詳しくは wiki へ。難しいことがあれば「国民投票すりゃいいのに」と単純に思っていたんだけど、そうか。そういうこともあるのか。なんか騙されてる感もあるので、どっかのエライ人がこの論を覆してくれるのを待ちたい。あと文系としては、ドストエフスキーを思い出した。大多数の無知による多数決の結果って正しい結果を生むか?ということだ。でもこれって非常に傲慢な考えなんで、別に正しい・正しくないは要らないのかもしれないとも思う。でも科学が弾圧された歴史を考えると(天動説とか)、やっぱり正しいことは正しいとも思う。難しい。個と集団て別物だよね。

そうそう、本日体調悪いんで、MZ飲みをキャンセルしてしまいましたがご帰国なさった方、お疲れ様でした。

2008上半期ベスト5

東京暑いっすなー。湿度がたまらん。湿度が。

半期で読了50冊ぐらいなので、ちょうどいい区切りだと思って上半期のベスト5を考えてみました。

  1. プラネタリウムを作りました。 / 大平 貴之
  2. 聖の青春 / 大崎 善生
  3. ビッグバン宇宙論(上・下) / サイモン・シン
  4. ハサミ男 / 殊能 将之
  5. スプートニクの恋人 / 村上 春樹

こんな感じかな。1位・2位は似たような感じですが、ひとつのことに一生懸命になっている人がすごいという流れ。3位のサイモン・シンは暗号解読も良かったんで、「サイモン・シン」というくくりでもいいんだけど、宇宙熱が復活してるので宇宙論のほうを。4位はミステリー。久々にミステリーで面白かったから。5位も久々の(恋愛)小説ですが構成が上手かったので。

年間100冊を目標にしてるけど、それでも3~4日に1冊か。読書時間が通学時の往復1時間ぐらいなのでまぁ妥当か?速読すればもうちょっと速く読めるかもですが、ビジネス書は速読してもいいけど、それ以外には速読する意義を見出してないのでこれ以上は速くならないかなあ。

 

『スプートニクの恋人 / 村上 春樹』

スプートニクの恋人 スプートニクの恋人
村上 春樹
講談社 1999-04
メタローグ
「僕」が帰って来た。平仮名の「ぼく」になってはいたけれど、それは紛れもなく鼠の友人であり、直子の恋人であり、ビールとジャズとコットンシャツを愛する「僕」だった。 「ぼく」の女友達すみれが17歳年上の女ミュウに恋をする。しかしミュウは過去の事件が邪魔して求愛に応えられない。すみれは姿を消し、「ぼく」は彼女を探しにギリシャへ向かう。 村上春樹が支持された要因は主人公のクールでミニマムなライフスタイルにあった。ところが「ねじまき鳥」から「オウム」にかけ、彼はどんどん熱くなっていった。置いてけぼりにされた昔ながらのファンは、今回ホッと一息というところか。(石飛徳樹)
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「ずっと昔からnyontaはあったの?」
 僕は肯いた。
「うん、昔からあった。子供の頃から。
 僕はそのことをずっと感じつづけていたよ。そこには何かがあるんだって。
 でもそれがnyontaというきちんとした形になったのは、それほど前のことじゃない。
 nyontaは少しずつ形を定めて、その住んでいる世界の形を定めてきたんだ。
 僕が年をとるにつれてね。何故だろう? 僕にもわからない。
 たぶんそうする必要があったからだろうね」

村上春樹というと思い出すのがこんな言い回し(村上春樹風に語るスレジェネレータから抜粋)。人によっては合う合わないがある作家かもしれませんが、やはり世界のムラカミ。外国の友達が「最近読んだんだけど…」と言ってきたので、うわ、日本の作家なら私も読まないとマズイわ!と慌てて読みました。

村上作品は高校・大学時代がマイブームで、一番好きなのは「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」。ねじまき鳥は本屋で何日もかけて立ち読みしたレベルなので、実はちゃんと読んでない。近年の「海辺のカフカ」にいたっては未だ手付かず。そんな村上レベルの私が語るのもあれだが、ノルウェーの森時代とねじまき鳥あたりを足して2で割ったテイストだと思った。恋愛プラス自己模索みたいな。いや、でも悪くなかった。上手い構成で、ぐいぐいと引き込ませる作りだった。

村上作品はさらりとした文体に浸るのが素敵だと思うので、平日の昼間に天気のいい戸外の喫茶店で軽いアルコール片手に読んでみたいと思うのは、あまりにも作品に毒されすぎ?毎度思うんだが、村上作品の登場人物みたいな人と逢って話してみたいんだよね。リアルと虚構(自分世界)とうまく折り合いつけてるような人。実際の現実は、リアル多めか自分世界満載かのどちらかが多いからなあ。

この本の内容には触れませんが(知らないほうが面白いと思う)、面白かったです。やはりカフカも読まねばいけないな。

『江戸川乱歩傑作選 / 江戸川 乱歩』

江戸川乱歩傑作選 (新潮文庫) 江戸川乱歩傑作選 (新潮文庫)
江戸川 乱歩
新潮社 1960-12
<裏表紙より>
日本における本格探偵小説を確率したばかりではなく、恐怖小説とでも呼ぶべき芸術小説をも創り出した乱歩の初期を代表する傑作9編を収める。特異な暗号コードによる巧妙なトリックを用いた処女作『二銭銅貨』苦痛と快楽と惨劇を描いて著者の怪奇趣味の極限を代表する『芋虫』、他に『二癈人』『D坂の殺人事件』『心理試験』『赤い部屋』『屋根裏の散歩者』『人間椅子』『鏡地獄』。
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*画像はカスタマーさん提供だそうです。

うわー、これって1960年出版なのか。vamoくんが「二銭銅貨」と言ってたので、暗号つながりで読了。南無阿弥陀仏とはなかなか面白い発想ですね。

しかし久しぶりに乱歩を読んだんですが、なんかすごい衝撃でした。こんな雰囲気だったはずという記憶がありつつも、今読むとなんというんでしょう。この退廃グロテスクな雰囲気。特に、「芋虫」と「人間椅子」がキタ感じでした。人間椅子って、どうもイカ天を思い出してしまう世代なんですが、向こうがこっちに影響受けてるんですからさもありなん。

自分なりに、何が乱歩文学のこの雰囲気を作り上げているんだろうと考えたんだけど、(この文庫に限っていえば)焦点があたっている人間が結構卑屈なんだよね。卑しい身分というか(平民だけども)。しかし、その人たちが彼らの美意識で世界を作り上げてしまうところに、畏れおののいちゃうのかなあ。普段目に入れてない(=意識してない)人の裏にある狂気、といったギャップ感が怖さを演出しているのかなあと。今の社会情勢に似てるかもね。普通に見えた人があんな犯罪を……みたいな。

作品と作家の人となりは別とは言いますが、乱歩の趣味嗜好・性格・人生変遷がかなり気になった何十年ぶりかの再読でした。

『モロッコ水晶の謎 / 有栖川 有栖』

モロッコ水晶の謎 モロッコ水晶の謎
有栖川 有栖
講談社 2005-03-08
出版社 / 著者からの内容紹介
推理作家・有栖川有栖の眼前で起きた毒殺事件に、臨床犯罪学者・火村英生が超絶論理で挑む表題作ほか、クリスティの名作「ABC殺人事件」をモチーフに書かれた、連続挑戦予告殺人を追う「ABCキラー」、誘拐殺人の陰に潜む悲劇を描く「助教授の身代金」など、研ぎ澄まされた論理が光る有栖川本格全4編を収録。
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あら、火村先生のシリーズ新しいの出ていたんだ、と思ったら2005年だった。十分古いね。知らなかったわー。

国名シリーズはどこまで読んでたか忘れたんですが、適当に読んでいたと思います。火村先生がどうして他人を殺したいと思ったことがあるのかはこのままずっと謎のままがいいと思うよ。

短中編集なので、ミステリーとしては軽く読める。でも本格推理とか思わないほうがいいなあ。もうこのシリーズはキャラが立ってるので、それだけでいいじゃん?と採点はかなり甘いです(=たいしたトリックでも事件でもない)。しかし意外にショートショートの「推理合戦」(実に5P)など面白かった。そういう切り口もありか。

しかしミステリーは長編に限ると思うので、「このミス」(「このミステリーがすごい」)あたりをチェックして新作家を捜してみようかなあ。

追伸; と思ってwikiを見たら(リンク参照)、全然知らない作家&作品ばかりだった。やばい!!

『闘うプログラマー(上・下) / G.パスカル ザカリー 』

闘うプログラマー〈上〉―ビル・ゲイツの野望を担った男達 闘うプログラマー〈上〉―ビル・ゲイツの野望を担った男達
G.Pascal Zachary 山岡 洋一
日経BP出版センター 1994-12
内容(「BOOK」データベースより)
ビル・ゲイツの野望を実現するために、マイクロソフトに「伝説のプログラマー」が引き抜かれた。デビッド・カトラー。屈強な肉体と軍隊顔負けの厳しい職業理念をもつ、闘争心のかたまりのような男だ。そして、彼を追って移籍した腹心の部下たち。新プロジェクトを担う外人部隊が秘密裏に結成された。自由闊達なマイクロソフトの「キャンパス」内で、異分子たちによる空前のパソコンOS開発作戦「NT」の幕が切って落とされた…。
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MS帝国のビルゲイツくんもいよいよ引退(会長職だっけ?)だそうですね。だからというわけではないんだけど、Windows NT を作った人々のドキュメンタリー調の作品を読んでました。個人的に Windows NTはそんなに使ったことがなくて、私が働き始めたころには安定しているサーバーとして出ていたような気がします。それでもよくクラッシュしてたけど。

いやいやいや、すごいデスマーチですね。これはこの業界の人なら背筋が凍る雰囲気を感じて頂けるんじゃないでしょうか。バグにつぐバグ。迫る納期。かさむ要望。壊れる家庭、恋人、友人関係、自分自身……(笑)

しかし人数の多い、大きいプロジェクトを進行するということはこういうことかと、経験のない自分には面白かった。視点が全然違うのね。プロジェクトメンバーが数人の天才だけだと流儀がぶつかり合い、人数が多いとまとまりがとれなくなる。人々の仲裁役がいて、テスターがいて、それぞれの担当部署(グラフィックとかファイルシステムとか互換性とか)の人がいて。リーダーのデビッド・カトラーのすごい意思(口が悪い、態度が悪い、でも腕は一流、ワーカホリック)を見て、こういう人がOSを作っていたのかと驚き。MSからあまりPGで有名な人を聞いたことがなかったので。

惜しむらくは私が読むのが遅すぎたこと。もっとリアルな時代に読んでたら、より「見えた」のかもしれないのになー。今の時代なら何読めばいいんだろ。Web2.0 とかですかね(笑)

『世にも美しい数学入門 / 藤原正彦 小川洋子』

世にも美しい数学入門 (ちくまプリマー新書)

世にも美しい数学入門 (ちくまプリマー新書)
藤原 正彦
筑摩書房 2005-04-06

内容(「BOOK」データベースより)
「美しい数学ほど、後になって役に立つものだ」数学者は、はっきりと言い切る。想像力に裏打ちされた鋭い質問によって、作家は、美しさの核心に迫っていく。
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昨日、学校でLinuxが終ったため、講師のさよなら飲み会をやったのだけど、やはり風邪の身体にはヒジョーにきつかったようで、えらい勢いで酔った。というわけで、今日は家で休んで一日中寝てました。今週は風邪にやられまくり。明日の飲み会もパスしちゃったし、残念だ。

さてそんな体調なんでパソコン弄る気にもならず、珍しく家で読書した。この本は数学者の藤原正彦さんと「博士の愛した数式」の小川洋子さんの座談会をまとめており、非常に軽い内容でした。でもやっぱり「数学は美しい」と連呼してるのをみて、本当にそのとおりだと思ったよ。永遠の真理の美しさと本にはあったけど、例えば「三角形の内角の和が180度」。これはどんな人がどんな場所でどんな三角形を作ったとしてもそうなるんだから、すごい。永遠だよなあ。

あと素数。素数って、こないだ暗号の方式に素因数分解を使っているというのを読んでから結構気になっているんだけど、なかなかすごいやつらだよね。素因数分解で「任意の正の整数に対して素因数分解はただ 1 通りに決定する」というのがすごい。一通りしかないんだよ!?

あと本書で知ったゴールドバッハの問題というのも興味深い。この問題は「6以上の偶数はすべて二つの和の素数で表せる」というものなんだって。6=3+3, 8=3+5, 10=5+5 or 3+7, 12=5+7, 14=7+7 or 3+11 … でもこの問題ってまだ証明されてないんだって。わかる範囲ではオッケーなのに証明されていない。数学は証明がすべてだから、証明されてなければまだ真実じゃないんだよね。ううむ。

本のテーマとして「美しい定理」とあるけど、この「美しい定理」というのがとても大事で、世界が美しい定理で表されるのを見ると、「うわー!」と思うときがある。人類の英知、数学。この楽しさをどーして学生時代にわからなかったかなあ。私は。