ドラゴン桜 1~21巻(完) / 三田 紀房

ドラゴン桜 (1) (モーニングKC (909))
ドラゴン桜 (1) (モーニングKC (909)) 三田 紀房
講談社 2003-10-23
売り上げランキング :
おすすめ平均 star
star娯楽作品として十分に面白いというだけで特筆に価する
star評価できる点もある、でもどちらかというと害が多いでしょう。
star考え方が面白い

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東大受験マニュアル本。マンガを読んだだけなのに、自分が東京大学に入れる気がする。ふっしぎ~★

私が人生で後悔していることの一つは受験勉強をきちんとしなかったこと。あのころ、最後まで経験しておけば良かったかなあと今となっては思う。おいらの場合、一般推薦というやつで受験しちゃってね。英語(国語もあったかなあ?)・小論文・面接という簡単科目で終了しちゃったのよ。今となってはどこが第一志望だったかも思い出せないのだが、もうちょっと自分を追い込んでも良かったのかもしれん。──なんて、こういうこと言うと、受験経験者には「あんなの経験しなくていいよ……(泣)」と言われるんだけど。

ま、とにかく大学のネームバリューがどうこうというわけではなく、「勉強を一生懸命やる」ということが一生のうちの一回ぐらいあっても良かったんじゃないかなということ。別に今でも出来るのかもしれないけど、暗記力とか集中力とかの面では10代のころには敵わないし、第一、若い頃に経験するプレッシャーや達成感は今と比べると価値が違うさね。

それでマンガの話。絵はねー、ひどいんだけどねー。それが気にならなくなれば、大沢くん(理科III類に行く子)が格好よく見えてくるよ。そしてなにより受験テクニックが面白い。歴史にメモリーツリー(マインドマップですな)を用いたり、数学は基本問題を反復させたり、効率よく暗記するコツや模試の前の過ごし方まで、実際使えるテクニックが多々あると思う。偏差値40から東大を目指すというこのサクセスストーリー。やっぱり努力する人は報われるというベタストーリーは好きです。

このマニュアル通りにやって東大入学は可能なのか?私に金と暇があれば一年間かけて試してみたいと心から思います。

『自分探しが止まらない / 速水 健朗』

自分探しが止まらない (ソフトバンク新書) 自分探しが止まらない (ソフトバンク新書)
速水 健朗
ソフトバンククリエイティブ 2008-02-16
内容(「BOOK」データベースより)
気がつけば、世の中には「自分探し」と密接に関わる現象が満ちあふれている。海外放浪やバックパッカーなどの”外こもり”、自己啓発ムーブメントやフリーター増加、路上詩人やホワイトバンドなどなど…。若者を中心として、「自分探し」が止まらなくなっている日本の姿を赤裸々に暴き出す一冊。夢を追っているうちに「自分探し」の落とし穴へ転落しないための社会の歩き方。
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久々にハズカシー!と布団のなかをごろごろ転げまわりたい気分になった。

私は”自分探し病”じゃないかしらとは薄々感づいてはいたんだけど、まさかここまでピッタリに当てはまるとは思わなかった。インド旅行、サイババ(自分ブームがあった)、ニューエイジ(ヨガとかアロマテラピーとか)、海外ボランティア、ライフハック(一種の自己啓発)など挙げられてる例が、いちいち当たっている。やばいよ、一通り経験しちゃったよ。そしてこれらを経た若者は就職に関して「自分らしさ」「やりたい仕事を見つける」「好きなことを見つける」というキーワードへ向かうわけだ。

(∩ ゚д゚)アーアー聞こえなーい。何、このテンプレ通りの私の思考経路。

興味深かったのが自己啓発について。上記にも書いたが、私がお勧め!と言ってたGTD(getting things done)という手法はなんと元を辿るとニューソートと呼ばれる自己啓発の類に近いらしい。ビジネス手法だと思っていたのだが、ポジティブシンキングや成功哲学も一種の自己啓発なわけだ。あとは「貧しい人たちのために」「夢を実現しよう」といったスローガンを元にした企業ビジネスがあるということ。例としてあがっていたのは、ホワイトバンド(イカリングのあれ)や高橋歩や軌保博光の運動、新風舎の共同出版など。確かにああいった運動の裏には、そのお金がどこに流れるのかという疑問がある。よく聞くロハスなんて言葉も商標登録されてるってどういうことだ。作られたブームのようで胡散臭い。

惜しむらくは著者も後書きで述べているけど結論がないこと。自分探しをしている若者の分析で終わっており、彼ら(私を含め)が進むその先への視点がなかったことが残念だった。分析としては非常にうなづける例が多くて、自分への「気づき」(これも自己啓発のキーワードね・笑)がありました。

私自身、自分探し病から抜け出せないでいるのでこれらへの結論は出てないんだけど、一つ思っているのは「自分で考えなければならない」ということ。そのための手段(ツール)として色々なことを試すのは良いんじゃないのかと考えている。経験でしか見えてこないこともあるのは確かだし。ただ「本当の自分」「天職」「生きるのが楽しい」なんて(私にとっては)”無い”だろうと思っているので、見えないものを追い求めてもしょうがないと最近は割り切っているけど。

なんて、こんなことを言っている次の日にポジティブシンキングに目覚めるかもしれないので、未来は不明なんですけどね。

『僕が批評家になったわけ / 加藤 典洋』

僕が批評家になったわけ (ことばのために) 僕が批評家になったわけ (ことばのために)
加藤 典洋
岩波書店 2005-05-21
出版社 / 著者からの内容紹介
批評に背を向けても、私たちは生きられる。だが、もし批評がこの世になかったら、私たちの思考はいまよりもっと貧しいものになっていたのではないだろうか。批評とは何か。批評のことばはどこに生き、この世界とどのように切り結んでいるのか。批評という営みが私たちの生にもつ意味と可能性を、思考の原風景から明らかにする。
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タイトルに惹かれて読んだ。が、難しかった。

私が知りたかったことは “批評とは何か”ということだったんだけど、どうも自分の求めていた答えは得られなかった。もちろん「批評」について書いてはあったんだけど、それは批評の成り立ちであったり、タイプであったり、効能であった。私が知りたい”批評とは何か”は、単純に批評と感想の違いを知りたかったのだ。

例えば、私はこうやってブログに本の感想を書いたりしてるけど、これは批評ではない。あくまでも感想だ。では批評は感想と何が違うのか?批評家は何をもって素人の感想文とは違うと言えるのか?

自分では知識量と斬新な視点が批評家たる所以なのかなあと思っていたんだが、最初のほうの著者の一文でガツンとやられた。曰く「批評とは、本を一冊も読んでなくても、百冊読んだ相手とサシの勝負ができる、そういうゲームだ」とある。これは著者が柄谷行人の批評をしようとして、その圧倒的知識量に及び腰になったときに思ったことだそうだ。え、批評って別に知識無くても良いの?……これで、ますますわからなくなった。

批評に知識量が関係すると思った理由は、批評は作品を分析することが必要かなあと思ったのだ。その分析には個人の思い入れじゃなくて、作品の位置づけをするために他との比較が必要なのではないかしらと考えたのだ。ググったら「個人の感情の問題だから感想に反論はないけど、批評には常に反論が可能」と書いてる人がいたんだけど、これにはなるほどと思った。感想は主観で批評が客観ってとこか。

評論という分野を知らないせいか、著者の言葉や引用箇所が入ってこなかった。小林秀雄ってよく国語のテストに出てきたなあ。一冊も本読んだことないけど。評論文ってなんだかとっても難しい。

結論: よくわからなかった

神の雫 1~18巻 / 亜樹 直(著)・オキモト シュウ

神の雫 (1) (モーニングKC (1422))
神の雫 (1) (モーニングKC (1422)) 亜樹 直
講談社 2005-03-23
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おすすめ平均 star
starワインの「味」を「絵」で表現するという画期的な表現方法
star面白い
star何故クイーンの演奏がLPレコードなんだ?

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一人連続更新企画も一ヶ月ぐらいでネタ切れでした。ニートの生活じゃ書くこともあまりないよ(笑)!!というわけで、今後は不定期掲載の予定(といっても隔日ぐらいだろうけど)。

さて、ネタもないのでマンガをメモしておく。面白かった。

今更の情報かもしれないが、このマンガのおかげで第○次ワインブームが来ているらしい。今だとドラマにもなっているのかな?

ワイン版美味しんぼという噂は伊達じゃない。どのあたりが面白さのポイントだったかというと、ワインの味の表現の仕方。ミスター味っ子風というかものすごい表現手法を使っているのだ。「それは一体どんな味なんだ!飲んでみたい」と思わせる。あとは、すごい高いワインだけじゃなくて1000円から3000円ぐらいの手ごろなワインも扱っているところ。これなら我々レベルにも買えるしねえ。

ワインは好きなんだけど、飲みすぎては気持ち悪くなるという失態を繰り返しているわたくし。そして何度もワインの知識を学ぼうと試みては、あの長い土地の名前や品種や作り手の名前の難しさに敗れている。しかしいつか攻略してみたいのよ、ワイン世界。

もちろん食べ物なんだから自分にとって「美味しいかどうか」という好みだけでいいと思うんだけど、情報があればそれプラスで楽しめるのではなかろうか。ワイン選びのときに値段以外の選ぶポイントを持ちたいもんです。

『ぼくは猟師になった / 千松 信也』

ぼくは猟師になった ぼくは猟師になった
千松 信也
リトル・モア 2008-09-02
内容(「BOOK」データベースより)
獲って、さばいて、食べる。狩猟8年目、33歳の猟師の暮らし。京都に住む若者は、いったい何を思い猟師になったのか?自然と共にある生活から、現代の食卓を見つめなおす。獲物の解体や、調理方法、ワナのメカニズムを写真と図で詳細に解説。猟師の1年間の生活に密着できるエッセイ。
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これは猟師のHowTo本。面白かったー。この本を読みながら猟師入門できるんじゃないかしら。

この本を選んだきっかけは著者の経歴でした。京都大学卒業して猟師になったのはどうしてなのかしら?と思って。

私のなかの猟師っていわゆる「マタギ」で雪をかきわけて鉄砲担いで…だったんだけど、そういうわけではなく彼は運送会社で定職を持ちつつ猟師をしている兼業でした。そういうこと(兼業猟師?)が可能なんだと驚いた。また猟も鉄砲ではなくワナ猟のほう。そういった違いも知らなかったので、山の狩猟の世界ひとつひとつにワクワクした。

また猟をするということ=食べることを考えるわけで、動物を殺すということに抵抗感を覚えるかもしれないけど、スーパーで並んでいるお肉はすべからく人間に殺されたわけで。やはり他の生命を食べて生きているんだなあということを再確認する機会を得た。

著者の肩の力の抜けたスタンス(エコとかスローライフを強く訴えるわけでもないし、ただの狩猟HowTo本でもない)が良い。罠を仕掛け獲物を処理し食べるまでの猟の世界を魅力的に描いておられる。

関係ないけど、読んでる最中に友人のkj(山生活を始める人)を思い出し、この本を送ろうかと思ったけど、きっと違うだろうから止めておくことにする。

『アイデアのヒント / Jack Foster』

アイデアのヒント アイデアのヒント
Jack Foster 青島 淑子
阪急コミュニケーションズ 2003-01
内容(「BOOK」データベースより)
ロングセラー『アイデアのつくり方』によると、「アイデアとは、既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない」。では、具体的にはいったいどうしたらいい?仕事の現場に即した、「ひらめくためのハウツー」が満載。
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これはライフハック界隈でお勧めされてた本だったかな。見所がありました。

アイデアの技術なんて広告業界などの提案系職種にしか用がないのかなと思ったんだけど、そういうことではなくて、すべてにおいてアイデアは必要なんだよね。アイデアというのは問題を解決したり、改善したり、便利にしたり、活気付けたりとか、まぁ色々なことが「アイデア」から生まれる。そのアイデアを生むにはどうしたらよいかというのが本書の内容。

この本のすごいところは、具体的な例で「この問題にはこう考えるのかもしれないけど、実はこういう考えもできるんだよ」と挙げてくれているところ。これは本当に「そうか!」と目からうろこがいくつかあった。問題があるときのアプローチの方法もいくつかあるので、もし何か問題があればいくつか試せば解が見つかるんではないかという気分になる。企画・開発などをやる人はぜひ読むと面白い一冊ではなかろうか。

HowTo本ではあるものの、それだけではない”数行”のある本でした。全文に含蓄があるというわけではないけど、数行だけでも「おお」と思う箇所があれば、ビジネス本は読む価値があると私は思ってます。すぐ読めるしね。

『辺境・近境 / 村上 春樹』

辺境・近境 (新潮文庫) 辺境・近境 (新潮文庫)
村上 春樹
新潮社 2000-05
内容(「BOOK」データベースより)
久しぶりにリュックを肩にかけた。「うん、これだよ、この感じなんだ」めざすはモンゴル草原、北米横断、砂埃舞うメキシコの町…。NY郊外の超豪華コッテージに圧倒され、無人の島・からす島では虫の大群の大襲撃!旅の最後は震災に見舞われた故郷・神戸。ご存じ、写真のエイゾー君と、讃岐のディープなうどん紀行には、安西水丸画伯も飛び入り、ムラカミの旅は続きます
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これもクロちゃんのおすすめの一冊だったかな。良かったです。

やはり「村上春樹」という作家が、彼の視点で物事を捉えて表現するというのが心地よい。クールな視点は彼の書く小説の雰囲気そのもの。

あとはミスマッチ(?)の面白さがありました。村上春樹とメキシコ旅行。確かに「なんで?」と言いたくなる。そしてハイファッション誌上で村上春樹が讃岐うどん訪問……これはシュールだ。ノモンハンへの旅行は、私の中のねじまき鳥のイメージとリンクして、終始灰色のイメージだった。なぜかはわからん。

旅行記というのは、彼が言うように数ヶ月寝かせると新たな視点が見えてきて面白いのかもしれない。トラブルと人との出会いが旅ですが、自分も旅行記が書けるほどの長い旅に出かけたくなるときがまた来るのかなあと、つらつらと考えました。

人との出会いが旅だから 借金してでも行きたいなセンチメンタルジャーニーってなんでやー!! by スチャ

『河童が覗いた仕事師12人 / 妹尾 河童』

河童が覗いた仕事師12人 河童が覗いた仕事師12人
妹尾 河童
平凡社 1987-07
内容(「BOOK」データベースより)
仕事の秘密、ヒストリー、誰にも語らなかったエピソードetc…。背景まで描きだされた”人物像”。時代の今をリードする12人の男たちの素顔!異色の立体対談集!
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今から20年ほども前の本なんだけど、なかなか楽しめた。

今で言う大御所の方との対談ですが、彼らの若い頃の無鉄砲ぷりというか苦労話なんかを織り交ぜて、プロという人はこういう道を経てプロになるんだなあという感じ。対談してる妹尾さんの人柄や、彼らとの仲の良さがうかがえる点もまたよろしい。

シェフの三國さんの経歴なんて面白かった。北海道から出てきて鍋洗いから始めてるの。帝国ホテル後、駐スイス日本大使館のシェフに抜擢されるも、和食も中華料理も知らないから料理の本と共に現地へ。たぶん最初のレセプションは仏料理だろうと考え、着いたら町の最高の仏料理のレストランへ行ってくれと、そこで一週間研修して料理を出す。そういった綱渡り状態でやっていたそうだ。今日習ったものを二十時間後に出さなきゃいけないから練習のため寝る時間がなかった、なんてすごい。

立花隆さんの「二十歳のころ」のような雰囲気の本だったかな。

『100年の難問はなぜ解けたのか / 春日 真人』

NHKスペシャル 100年の難問はなぜ解けたのか―天才数学者の光と影 (NHKスペシャル) NHKスペシャル 100年の難問はなぜ解けたのか―天才数学者の光と影 (NHKスペシャル)
春日 真人
日本放送出版協会 2008-06
内容(「BOOK」データベースより)
ついに「ポアンカレ予想」が解決した!ところが…。世紀の難問に挑み、敗れ去った幾多の数学者と見事に解決したにもかかわらず姿を消した天才グリゴリ・ペレリマン。数学という魔物がもたらす数奇な運命とは―。
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去年の3月に動画を観たのが私のブーム到来でしたが、そのディレクターの人の書籍版。これは面白かった!

数学を知らない視聴者用に作ってるので数学的には物足りないのかもしれないけど、世紀の難問に挑んだ数学者たちやその歴史をわかりやすく伝えてくれている。入門書としては一番お勧め。厚くないし。

ポアンカレ予想に巻き込まれて人生変わってしまった数学者も多数いるようですが(証明したペレリマンもそうだけど)、今回知ったパパキリアコプーロス(通称パパ)というギリシャの数学者もまたストイックに問題に取り組んだ人だったようだ。修行僧のように毎日規則正しい生活を送って、数学に集中したいからと人前に出ることが少なかったらしい。生涯独身だったそうだけど、「これが解けたら、祖国に帰って自分に合う女性を探せるかもしれない。そのためにもポアンカレ予想を早く証明しなければ」と言ってたそうで、ポアンカレ予想は彼の責務のような仕事だったんだなあ。

ポアンカレ予想は100年かかって解かれたわけだけど、数学世界の七つの未解決問題(通称ミレニアム懸賞問題)はまだ6つも残っている。私が生きている間に問題を解いたというニュースは聞けるのかな。最後に本書より印象深かった一文を引用する。

数学者の好奇心は、南極や北極やアマゾンを発見した探検家たちとも変わりません。いまやこの地球上では、まったく未開拓だと思われる場所はだいぶ少なくなってきました。でも頭の中の知的世界には、何の制限もありません。未知なるものは無限にあるのです。

 

『コンセント / 田口 ランディ』

コンセント (幻冬舎文庫) コンセント (幻冬舎文庫)
田口 ランディ
幻冬舎 2001-12
出版社/著者からの内容紹介
ある日、アパートの一室で腐乱死体となって発見された兄の死臭を嗅いで以来、朝倉ユキは死臭を嗅ぎ分けられるようになった。兄はなぜ引きこもり、生きることをやめたのか。彗星のごとく出現し、各界に衝撃を与えた小説デビュー作。2000年6月に単行本で刊行、ついに文庫化。
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田口ランディの小説のほうも読んだ。

結論からいうと小説のほうが楽しめた。この作品は村上龍が褒めてたらしいが、さもありなん。人間の持つ生臭さあたりが両者に共通してる感じがした。

うーん、作家への雑音(盗作騒ぎとか私の作家に対する感想とか)が無ければ、自分にもハマる小説だったのかもしれない。あとセックス描写はそんなに必要だったのだろうか。肉体と精神の乖離の表現なのかしら?ちょっと陳腐に思えた。

コンセントで世界とのオン/オフを現すところとか、心理学とカウンセリングのあたりはなかなかでした。ユタとかシャーマンとか。

彼女の興味のあるものは私とかぶりそうなんだけども、さてはて今後読む機会があるかどうか。