『ビッグバン宇宙論(上) / サイモン・シン』

ビッグバン宇宙論 (上) ビッグバン宇宙論 (上)
サイモン・シン 青木 薫
新潮社 2006-06-22
内容(「BOOK」データベースより)
決闘で鼻を失った天文学者。聖書を精密に分析し、宇宙の年齢をはじき出した大司教。カヤックで海を渡って亡命しようとした物理学者に、世界トップクラスの天体画像分析チームを率いたメイド、重度の難聴ながら歴史に残る発見を成し遂げた女性ボランティア…。創世神話からプトレマイオス、コペルニクスにケプラー、ガリレオらを経て、ついにはアインシュタインの先へ―。宇宙はどうやって生まれたのか?人類最大の謎に迫る有名無名の天才たちの苦闘を描く傑作科学ノンフィクション。
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まだ上巻しか読み終わってないのでメモるかどうか迷ったけど、コメントをつけるために上巻・下巻とアップする。

この人の書いた「フェルマーの最終定理」は、いまのところ私の一番おすすめの本なんだが、今度は宇宙論を書いたらしいので喜び勇んで読んでみた。

いやー、これは面白いよ!相変わらず一般人向けにわかりやすくそれでいて簡潔すぎずに、人類がどのように宇宙の事柄を知っていったのかを描いている。構成はフェルマーと一緒で古代から現代へ。上巻はちょうどハッブルが出てきて、他の銀河が宇宙には存在しており(昔は我々のいる天の川銀河が1つだと思われていた)、それぞれの銀河がすごい勢いで地球から遠ざかっている→宇宙は膨張している?というところで終った。ハッブル望遠鏡のハッブルはこの人だったんだね…。

本の構成が古代の単純な仕掛け(考え方?)から始まるので順を追っていけばどうにかついていけるし、今では当たり前とされている「宇宙が膨張している」事実を得るのにどういったことが行われていったか、機械(計測器・例えば望遠鏡)がどれだけ科学を躍進させたかということを感じられたよ。ほんとにサイモン・シンは初心者向けのいいガイドを書くなあ。

あと How I need a drink, alcoholic of course,after the heavy lectures involving quantum mechanics.(何か飲み物が欲しいな、もちろんアルコール入りのやつだ、量子力学の難しい講義が終ったところだから)という文が パイπ の3.14159265358979 になる(文字数に注目)という文章が印象に残った。英語圏でもそういう覚え方があるのか、って。

さて下巻も読もう。

追伸:ここまでサイモン・シン好きだといっておきながら、そういえば彼の「暗号解読」を読もうと思って忘れていたニセファンの私だった。

ヨガとタイラーメン

20080510.jpg今日は大学時代の友人宅へヨガを習いに行ってきました。

帰国してから早半年…ようやっと行けたよ。冬の間は家にこもっていたから、外へ出なかったのだ。春が来たね。11時から飲食禁止で1時から2時間ほどやりましたよ。

友人の身体はさすがヨガ10年選手。おなかとかひきしまっていてかっこいい身体でした。すごいわあ。私があそこまでになることはないですが(断言・根性ないから)、憧れるわあ。

写真のタイヌードルはヨガ教室にいらしゃってた友人の知人さんが持ってきてくれたのを食べたら、美味しかったので同じのを買ってきました。カルディで売ってたよ。トムヤム味で適度に辛くレモングラスの匂いもしてカロリーも226kcalだから良いと思う!

『数学を使わない数学の講義 / 小室 直樹』

数学を使わない数学の講義 数学を使わない数学の講義
小室 直樹
ワック出版 2005-04
内容(「MARC」データベースより)
技巧を駆使しなくても、数学の本質(論理)を理解することによって、数学的発想を持つ事が出来る。仕事に役立つ論理的発想のバイブル。祥伝社昭和56年刊「超常識の方法」の改題改訂。
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久々にむかついて半分で読むのをやめた本。

内容的には想像していた数学論ではなく、もっと根本的な数学の考え方を使っていたんだけど、問題はそういうとこじゃなくて著者のセクハラっぽい例の出し方。

なんだ、このちやほやされたおっさんが若い女の子相手にセクハラまがいで飲み屋で話してるような例の羅列は。私は無知なんで著者がどんだけエライ人か知らんのだが、こういう例を出すような人の話を聞くきにはなれんね。ぷんぷん。

追伸:アマゾンのレビューに「内容的には、筆が走り過ぎて、主観的な意見が、結構、多く、言葉遣いにも、品がなく、セクハラっぽいのが、人によっては、鼻につくかもしれません。」とあった(笑) 世の中には同じ意見の人もいた!

『五分後の世界 / 村上 龍』

五分後の世界 (幻冬舎文庫)

五分後の世界 (幻冬舎文庫)
村上 龍
幻冬舎 1997-04
<裏表紙より>
オレはジョギングをしていたんだ、と小田桐は意識を失う前のことを思った。だが、今は硝煙の漂うぬかるんだ道を行進していた……。五分のずれで現れたもう一つの日本は、人口二十六万に激減し地下に建国されていた。駐留する連合国相手にゲリラ戦を続ける日本国軍兵士たち──。戦闘国家の壮絶な聖戦を描き、著者自ら最高傑作と語る衝撃の長編小説。

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いつからか村上龍を読まなくなったのだが、一番好きなのは「愛と幻想のファシズム」だった。学生のときだったけど、あの小説内に充満した「力」に圧倒されたような記憶がある。ま、そんな風に好きだったといってもいまや記憶もあやふやなんだが、どうやらこの作品がその系統の話だというので読んでみた。

おー、なるほど。けっこう面白い。福井晴敏作品にも通じるんだけど、軍人のストイックなところに(自分は出来ないので)憧れる。そして未だに中二病なんだけど、アンダーグラウンドとか地下組織とか大好きなんです、すいません。

愛と幻想のファシズムのなかで、目を瞑ってまぶたを押したときに残像が見えるじゃないですか。あれを映像化してうんぬんという記述があって、その表現が非常に印象的だったのね。今回もワカマツという芸術家の音楽に関する描写が結構印象的だったなあ。しかし終わりがあっけなくて悔しい。続きもあるということなので、読んでみよう。

『谷川俊太郎質問箱 / 谷川俊太郎』

谷川俊太郎質問箱

谷川俊太郎質問箱
谷川俊太郎 江田ななえ
東京糸井重里事務所 2007-08-08
<ほぼ日の説明より>
谷川俊太郎さんがほぼ日刊イトイ新聞で読者のみなさんから届いた質問に答えた連載「谷川俊太郎質問箱」がもとになり、新たに書き下ろしと糸井重里との対談を加え(ほぼ半分の内容が本のための書き下ろしです)、一冊の本になりました。
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前も書いたと思うんですが、ほぼ日で詩人の谷川俊太郎さんに質問を送って答えてもらうという企画がありました。さすが詩人。もうイカした回答で好きだったのですが、それが本になってました。

すぐに読めちゃう内容なんだけど、本棚に置いてふとしたときに読むと暖かい気持ちになれるんじゃないかなあ。谷川さんの言葉選びは時々さすがプロフェッショナル。また彼の回答を聞いて、それは違うんじゃないかな?と考えるのも面白いんじゃないかと思いました。あと挿絵がけっこう可愛いです。ちょっとしたプレゼントにも良いかも。

笑ったのはスチャダラのボーズくんが4回も質問しているところ。いやいや、質問しすぎですから!!

さて、最後にまた書いちゃうけど宇宙人の質問が一番好きです。

質問63 宇宙人って本当にいるんですか?(波蘭14歳)

谷川さんの答え いますよ。あなたもそのひとりです。

貝柱と海老のトマトクリームソース@Rosmarino

20080504.jpg小田急線向ヶ丘遊園駅近くで入った Pasta e fresca Rosmarino というイタリアンのお店。

生田緑地へ向かうために手にとった冊子に載っていたのだが、どれもこれもメニューがすごく美味しそうだったのよ!どれもこれも食べてみたかったー。こんなお店がうちの近くにあればいいのに!

ちなみに私は生パスタはあまり好きじゃないんだけど、こちらは生パスタを抜きにしても美味しかったです(日本語おかしいですが、「生パスタ分をマイナスしても」という意味)。

みんちゃん(友達)はパルメザンチーズと日高バターのなんたらを食べていたんだが、かなり日高バターの正体について興味津々だったのが印象的。

川崎市岡本太郎美術館

20080504_1.jpgGWの連休中、またみんちゃん(友達)と出かけてきました。今回の目的は岡本太郎美術館。青山のほうの岡本太郎記念館は行ったことがあるんだけど、こちらはまだ行ったことがなかったので。

場所が生田緑地という場所にあり、まわりを緑に囲まれたいい場所でした。南武線の登戸から歩いても30分くらいかなあ?メタセコイアの木がね、まっすぐに空に伸びていていい新緑の風景でしたよ。森を見ると日本だなあという気がします(少なくともアフリカではこういう木じゃないしね)。

さて美術館のほうですが、私は立体のほうが好きなのでたまたま企画展が「岡本太郎 立体に挑む ―造形のなぞにせまる―」だったのが嬉しかったよ。しかし岡本太郎が結構同じモチーフを使っていることを初めて知った。ジブリのもののけ姫に出てきそうな「午後の日」のモチーフなんて題名変えて色々と似たようなのがあったよ。「動物」の顔とかも可愛かったな。河童とか。

あと個人的にパートナーの岡本敏子さん(秘書で養女だった方)とどうして「養女」という形態を取ったのかずっと謎に思っているのだった。変わったスタイルだなあと。

さて美術館を見たあとは緑地をてくてくと散策。だが、長い階段(といっても200段弱)を登ったら、すべてがもうどうでもよくなった(疲れて)。青少年科学館は天候不良のため太陽観測が中止で残念。子供ちゃん掻き分けて黒点観測とかしたかったのに!中の展示物は正直残念なレベル。唯一野鳥の声を当てるクイズだけが自分のためになった(かも)。

日本民家園も外から家を見ただけで満足。これ移築するの大変だったろうになあ。

4時すぎぐらいに出て、帰りにデザートデザートとるんるん探していたはずなんだけど、なぜかギネスを飲んでいた。そんでもって二人して夕方から酔っ払って帰っていった。ちなみに酔っ払い影響として、彼女はミスタードーナツを、私はぺヤングソース焼きそばを買って帰ったことが後日談として報告されている。

『バカの壁 / 養老 孟司』

バカの壁 (新潮新書) バカの壁 (新潮新書)
養老 孟司
新潮社 2003-04-10
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2003年を代表する大ベストセラーであり、タイトルがこの年の流行語にもなった本書は、著者の独白を文章にまとめるという実験的な試みであった。(略)本書の魅力は、容赦なく社会を批判する痛快きわまりない養老節にある。「現代人がいかに考えないままに、己の周囲に壁を作っているか」、つまりあの人たちとは話が合わないという「一元論」が「バカの壁」の元凶であり、アメリカ対イスラムの構造や日本の経済の停滞などもすべてこの理論で説明されるという。一方で、イチローや松井秀喜、中田英寿の際立つ能力を、脳の構造で解明してみせたり、「学問とは生きているもの、万物流転するものをいかに情報に換えるかという作業である」という骨太の教育論をも展開している。解剖学者の真骨頂を堪能できる価値ある1冊である。(田島 薫)
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ご存知ベストセラーの一冊。養老先生といえば脳解剖学者だと思っていたんだが、こういった本も書かれてるのですね。

さて内容だけど、とにかくタイトルのインパクト勝ちなんじゃないかなあ。読み終えてもタイトルと内容が深く結びついてるとは思えなかった。あとぽつぽつと書かれている例の一つ一つは面白いんだけど、全体的にまとまっているとは思えなかった。強引につなげている感がある。ついで語調が少しきついと感じたよ。

面白いと思った話が y=axの例。xが入力でyが出力、aが係数になるんだが、この係数が人によってはマイナスだったりプラスだったりするので、その人によって反応が変わるよという話。確かに。

あと現代人の身体の不在というのは、そうかもなと思った。身体に対する意識は薄くなってる。まあよく言われてることだけど。近日、自分がヨガを少しやるようになって、ようやくその密接性に気づいた次第です。

こんぷ飲み@新宿

どうもブログを書くのが面倒な波が来ていたので放っておきましたが、また復活。

この日は協力隊つながりな方が東京にいらっしゃっていたので、久々のコンピュータ飲みを数人で。働いてる方はやはりお忙しいようで、仕事終ってからの合流とかって十時半とかになっちゃうのね。みんなお疲れ様です。

面子が、ジャマイカ、ブルガリア、エチオピア、バングラデッシュな方々だったのですが、ジャマイカとエチオピアにラスタつながりがあるとしってかなり驚き。ええ!?ジャマイカのラスタファリズム(英語ではRastafarianismらしい)はアフリカ回帰主義でその頃植民地化されなかったエチオピアをリスペクトしてたのかー。そうなのかー。

相変わらず現地で暮らした方からはいろんな刺激を頂いております。久々に飲んだので次の日は一日寝てた。

GW?あまりに休んだ生活してたので、いまさら4連休ぐらいではなんとも思いません。

『生きることも死ぬこともイヤな人のための本 / 中島 義道』

生きることも死ぬこともイヤな人のための本 生きることも死ぬこともイヤな人のための本
中島 義道
日本経済新聞社 2005-09
出版社 / 著者からの内容紹介
「人は必ず死ぬのに生きる意味はあるのか」という悩みに取りつかれて哲学者になった著者がたどり着いた結論は? 自らの哲学探究を通して、働くことや人間関係などに悩む人に励ましと救いのメッセージを贈る話題作。
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今の世の流れで「自殺願望」なんて書くと、ひどく病んでて今にも練炭買い込みそうだけど、個人的にはこの考えと未だに切っても切れない仲だったりする。

学生時に哲学を学ぼうと思った理由もそこにあるし(厳密にはそれだけじゃないけど)、「自殺しない」→「生きる」→「楽しいことってなんだ?」をいまだに探してる。でもそんな楽しいことがないってことも知ってる。しかし、もちろんこんなことを日がな一日考えているわけもなく、普段は「死」なんて全く遠いところで生きてる。

でも、ふとしたときに「……あー、面倒くさい」が口をつく。「働くの面倒くさい」「生きるの面倒くさい」。でも「死ぬのも面倒くさい」。──そんな私が「お。」と思ったタイトルだったので読みました。この作者、他の本に「働くことがイヤな人のための本」というのもあるそうです。これ、なんてアタシ?

さて、著者は東大出身の哲学者で、4人の若者との座談会方式(フィクション)で彼らの悩みを、哲学を引用しつつ考えていくという内容。しかしこういう問題(生きるとか死ぬとか)って、あくまでも「自分の経験/感性」と照らし合わせてピンとくるかこないかだと思う。いくらこういった関連本を読んだところで直接的に救われることはないというのが持論。しかし何故読むのかといえば、ピンとくる一文やヒントになることがたまにあったりするから。あと似たような考えがあることで安堵するという部分もあるなあ。しかし著者はかなりの偏屈哲学者だった。こういった方に比べたら自分なんか全然深淵と向き合ってないわなあ。あと久々に哲学が面白かったので、簡単なやつからまた読みたい。

とりあえず「死」というのは残された側が受け止める事象なので、他人に迷惑がかからない方法があったら(実現したら)わからないけど、今現在は死ぬ予定はありませんのでお気遣いなく。