生きることも死ぬこともイヤな人のための本 中島 義道 日本経済新聞社 2005-09 出版社 / 著者からの内容紹介 「人は必ず死ぬのに生きる意味はあるのか」という悩みに取りつかれて哲学者になった著者がたどり着いた結論は? 自らの哲学探究を通して、働くことや人間関係などに悩む人に励ましと救いのメッセージを贈る話題作。 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
今の世の流れで「自殺願望」なんて書くと、ひどく病んでて今にも練炭買い込みそうだけど、個人的にはこの考えと未だに切っても切れない仲だったりする。
学生時に哲学を学ぼうと思った理由もそこにあるし(厳密にはそれだけじゃないけど)、「自殺しない」→「生きる」→「楽しいことってなんだ?」をいまだに探してる。でもそんな楽しいことがないってことも知ってる。しかし、もちろんこんなことを日がな一日考えているわけもなく、普段は「死」なんて全く遠いところで生きてる。
でも、ふとしたときに「……あー、面倒くさい」が口をつく。「働くの面倒くさい」「生きるの面倒くさい」。でも「死ぬのも面倒くさい」。──そんな私が「お。」と思ったタイトルだったので読みました。この作者、他の本に「働くことがイヤな人のための本」というのもあるそうです。これ、なんてアタシ?
さて、著者は東大出身の哲学者で、4人の若者との座談会方式(フィクション)で彼らの悩みを、哲学を引用しつつ考えていくという内容。しかしこういう問題(生きるとか死ぬとか)って、あくまでも「自分の経験/感性」と照らし合わせてピンとくるかこないかだと思う。いくらこういった関連本を読んだところで直接的に救われることはないというのが持論。しかし何故読むのかといえば、ピンとくる一文やヒントになることがたまにあったりするから。あと似たような考えがあることで安堵するという部分もあるなあ。しかし著者はかなりの偏屈哲学者だった。こういった方に比べたら自分なんか全然深淵と向き合ってないわなあ。あと久々に哲学が面白かったので、簡単なやつからまた読みたい。
とりあえず「死」というのは残された側が受け止める事象なので、他人に迷惑がかからない方法があったら(実現したら)わからないけど、今現在は死ぬ予定はありませんのでお気遣いなく。