『ダンゴの丸かじり / 東海林 さだお』

ダンゴの丸かじり (文春文庫) ダンゴの丸かじり (文春文庫)
東海林 さだお
文藝春秋 2001-09
内容(「BOOK」データベースより)
イチゴショートケーキの攻めかた、シイタケは天下りの役人、茹で卵の愛しさ、つまらなそうに食べるとおいしいシュウマイ、プロのカツサンド鑑定士とは?コロッケには醤油かソースか、チクワブは何者か?ショージ君を前にとけてゆく身近な食べ物のなぞ。
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手持ちの本が何もなかったので、家の書棚から拝借。

食べ物ウンチクのすべては「美味しんぼ」から学んだ私ですが、B級グルメはショージくんから学びました!と言ったら、さすがに過言か。

でもショージくんの食べ物エッセイは庶民レベルで非常に面白い。彼の何がすごいって、その着眼点と擬音とリズムある文体。でも今、wikiみたら、もう御年71歳だそうでびっくりだ!それにしては、文体に年齢を感じさせないなあ(最近の読んでないけど)。

移動の途中で読み終わる軽い本としておすすめ。そして読み終わったらおなかが空くことでしょう。

2008年下半期ベスト3

上半期もやったけど下半期もやるよ!後半は電車に乗らなかったせいか32冊ぐらいでした。トータル100冊は無理だったなあ……。

そして数が減ったせいなのか質もそんなに良いと思わなかったので、ベスト5ではなくてベスト3にします。

  1. ご冗談でしょう、ファインマンさん
  2. おひとりさまの老後
  3. <子ども>のための哲学 

こうなりました。ファインマンさんはエッセイとして面白い。2位のおひとりさま~は、そんなに本が面白いというわけではなかったんだけど、上野先生に強烈な印象を受けたから。そして3位はどれにしようか迷ったんですが、個人的に「あー」と共感することが多かったので、永井先生に。

もともとこのブログ、こういった記録のためにつけてるんだけど、実際に俯瞰してみるとかなり面白い。すでに前半で読んだ本とか忘れてるんだけど、自分の感想見ていろいろと思い出すわ。これ、数年後に同じ本を読んだら、また違う感想になったりするのかしらね。

そろそろ2008年もまとめだなあ。今年一年早かった!来年は何でもいいからお金稼がないとやばい。

『海辺のカフカ (上)(下) / 村上 春樹』

海辺のカフカ (上) (新潮文庫) 海辺のカフカ (下) (新潮文庫)

海辺のカフカ (上)  / 海辺のカフカ (下) (新潮文庫)
村上 春樹
新潮社 2005-02-28
内容(「BOOK」データベースより)
「君はこれから世界でいちばんタフな15歳の少年になる」―15歳の誕生日がやってきたとき、僕は家を出て遠くの知らない街に行き、小さな図書館の片隅で暮らすようになった。家を出るときに父の書斎から持ちだしたのは、現金だけじゃない。古いライター、折り畳み式のナイフ、ポケット・ライト、濃いスカイブルーのレヴォのサングラス。小さいころの姉と僕が二人並んでうつった写真…。
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今年最後の本になるかな?と思いながら、おもしろく読めた。

小説の構造は二つのストーリーが同時展開される形式で、「世界の終わりと~」と似てる印象だなと思ったらその続編的な立ち位置だと聞いて納得。古典が話のベースになってるし、単語や出来事がシンボリックなので深読みすればするだけのストーリーができるのだと思うのだが、今回はさらっと読んだ。

しかし読みながらずっと他のことを考えていたなあ。頭の隅に二重螺旋の図が浮かんでいたのだが、最後に一本の線にならなかったのが私的には拍子抜け。でもそのパラレルさが意味ありげよね……とも思ったのだが、いやいや村上作品はバーナム効果ってやつで読み手が自己を小説に投影して勝手にいろいろと印象を付加してるんじゃないか?とか自問自答。

「(略) それで、ことばで説明しても正しく伝わらないものは、まったく説明しないのがいちばんいい」(略)「自分に対しても、たぶんなにも説明しないほうがいい」

更にこのあたりを読んで、哲学者のウィトゲンシュタインを思い出したんだけど違うかなあ。論理哲学論考の「語りえぬものについては、沈黙せねばならない」と同じものを感じたんだけど。でもウィトゲンシュタインの思想をよく知らないんで、来年の課題として、もう一回入門書でも読もうかと思った。

とまあ本筋とは関係ないところで、色々と思った本書ですが読み終わった人たちで色々と感想を話し合うのが、楽しそうな気がします。深く考えずにインスピレーションで。

『ウェブ進化論 / 梅田 望夫』

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書) ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)
梅田 望夫
筑摩書房 2006-02-07
出版社/著者からの内容紹介
インターネットが登場して10年。いま、IT関連コストの劇的な低下=「チープ革命」と検索技術の革新により、ネット社会が地殻変動を起こし、リアル世界との関係にも大きな変化が生じている。ネット参加者の急増とグーグルが牽引する検索技術の進化は、旧来の権威をつきくずし、「知」の秩序を再編成しつつある。そして、ネット上にたまった富の再分配による全く新しい経済圏も生まれてきている。このウェブ時代をどう生きるか。ブログ、ロングテール、Web2.0などの新現象を読み解きながら、大変化の本質をとらえ、変化に創造的・積極的に対処する知恵を説く、待望の書。
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2ちゃんねるはなぜ潰れないのか?」を読んで、そういえば梅田さんの本読んでない、ということで読んだ。

こういうインターネット関係の本は2年も経つと古くなってしまうから、やはり早めに読まないと駄目ね。ご存知のとおり、日本は梅田さんの思うような方向には行かなかったわけで、今読むとどこか違和感がある。

梅田さんはGoogleのすごさを非常に強調しているが、私も出た当初のGoogleはYahooのエンジンと比べてすごいと思ったし、Google Map とか Calender とかGMail とかは愛用させてもらってはいるけど、あくまでもGoogleはネットサービスであってそれがものすごいという気があまりしないんだよな。当たり前に無料ツールで使わせてくれてるからかな。ただGoogleの人々が言う「世界政府っていうものが仮にあるとして、そこで開発しなければならないはずのシステムは全部グーグルで作ろう。それがグーグル開発陣に与えられているミッションなんだよね」という台詞は格好いい。

結局なぜこの本が売れたかというと、”インターネットでお金が稼げそう!”とお金の臭いに反応した人たちが殺到したんじゃないかね。そして結果はというと……たぶん思ったよりも稼げてないよね。ネット上では。個人的にはネットで意図的なお金搾取の臭いがすると(過剰な広告とか)どうも嫌悪の対象になるし。実際、GoogleAdsenseで稼いでいる人ってお小遣い程度じゃないのかしら。まあそれでもいいんだろうけど。

私としては今後欲しいネットの仕組みとして、1円とか10円とか小さいレベルで無料送金できるシステムがもっと浸透して欲しいです。今でもPaypal送金だとかbillio.comとかあるけど、まだまだ敷居が高いのよね。送金手数料もかかるし。自分がニコニコ見てたり、面白いサイトを見たりすると100円払ってもいいわ!と思ったりすることがある。それが2000人集まったら20万円でしょ?1月暮らしていけるよね。そうやって、ネットで面白いものを維持してもらうと、ネット住人としては嬉しいのですけども。

あとインターネットに関して言えば、ネット住人と一般的に使っている人との差異が広がってきているんだろうと思う。ちょっと前に一般常識・礼儀とブログマナーというエントリー炎上(リンクははてなブックマーク)を見てて感じたんだけどね。自分がネット黎明期に常識とされていたことが多数の参加によって変わってきてるのかもしれんね。

などとネットに関してはいろいろ考えることがありました。本の感想はうーん……今現在の状況を梅田さんに分析していただきたいです。

『新宗教ビジネス / 島田 裕巳』

新宗教ビジネス (講談社BIZ) 新宗教ビジネス (講談社BIZ)
島田 裕巳
講談社 2008-10-02
内容(「BOOK」データベースより)
新宗教はどんなテクニックで金を集めるのか?人の心を操って100億円のカネを集める謎の組織。テレビ・ショッピング、セールス・トーク、ネットワーク・ビジネスとの意外な相関性。創価学会、真如苑、阿含宗、大本、天理教など、巨大教団のヴェールに包まれた「ビジネス・モデル」の正体。
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ぱらぱらと読んだら、知ってる宗教のことにも言及されていたので興味が湧いて読了。

10年以上前かなあ、その宗教は友人に誘われまして、内容があまりにオカルトチックだったから「どういうことだ?」と、数回行ったことがある程度なんですが。あれをどうして信じられるのか私にはよくわからんかったが、占いみたいなもんだったのかなあ。ただ、お金を強制することはないのでどうやって運営してるんだろうと思ったのですが、こういう仕組みが裏であるのか。

この本はどのように各宗教がお金を集めているかを書いているんだけど、いろいろと団体側も工夫しているのですね。しかし、こうみると話題のネットワークビジネス・マルチ商法も一緒の仕組みだなあ。一時期、元民主党の議員がネットワークビジネスを擁護していたが、どうして擁護できるのかが謎だ。

特別新しいことがあったわけではなく、ふーんという感じの読了後です。

『きのう何食べた?2 / よしなが ふみ』

きのう何食べた? 2 (2) (モーニングKC) きのう何食べた? 2 (2) (モーニングKC)
よしなが ふみ
講談社 2008-11-21
<wikiからあらすじ>
年齢の割には若々しい外見の弁護士筧史朗と、その同居人で人当たりの良い美容師矢吹賢二。2LDK、食費月2万5千円で暮らす二人の毎日を食生活メインに展開する物語
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基本的にマンガは日記に記録してないんだが、今日たまたまこれに載ってたカレーうどんを作って食べたので。

庶民レベルで毎日の献立を考えている人には面白いマンガだと思う。ゲイカップルの話だが、そんなにゲイゲイしくないし。今後、ここに載ってるレシピをいくつか試すことになるであろう。

「むーしゃむーしゃ シアワセ~♪」

『神秘学マニア / 荒俣 宏』

神秘学マニア (集英社文庫―荒俣宏コレクション) 神秘学マニア (集英社文庫―荒俣宏コレクション)
荒俣 宏
集英社 1994-07

内容(「BOOK」データベースより)
古代から世界の暗部を支配してきた神秘学。それは哲学や思想として人間の風俗、文化までをも巻き込んで闇の中に連綿と伝えられてきた。オカルト学の巨人・荒俣が、20年に及ぶ神秘学の研究をここに集大成。時代や地域を超え、人智をも超えた怪奇な現象に今、光があてられる。散逸していた原稿を集め新たに編んだオリジナル文庫の決定版。

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この日記のコメントで江戸の風水ネタを思い出し、そういえばこの元ネタって荒俣先生から学んだのよね、という流れで読んだ。荒俣先生がいろんなところで書いた文章をまとめて一冊にしたようで、いわば神秘学のトリビア的な本でした。へぇーへぇーへぇーってな具合。

いろいろ語られていたこの本ですが、なかでも面白かったのが「魔法使いのための宇宙方程式入門」というピュタゴラス派の数秘術を解説していた章。ピュタゴラスといえば三平方の定理でも有名ですが、彼らは宇宙は数に支配されると考えていたため、√2 の存在を許せなくて門外不出の秘密にしていたそうです。あと音楽も大事にしていた彼らですが、トニックウォーターなどのtonic、もともと強壮剤を意味するこの単語も トーンtone から生まれていて、彼らが音楽で治療をしていたからなんだって。へぇへぇへぇ。

ピュタゴラスだけではなく、興味深いのが数字の持つ力の解説。日本でも4は死に繋がるからよくない、とか8は八で末広がりで良いとかあるけど、それの西洋版みたいなもの。簡単に1と2と3を説明すると、1は奇数でいつも中心に1が存在するから、神の属性。転じて「善」「単」「右」を獲得し、さらに奇数と偶数を混ぜあわえても奇数になるところから、「優位者」または「男性」の属性。2は中心に神をもたなかったおかげで、悪と女性的な弱々しさをあらわす数字になり、「受身」「女性」「左」といった陰の属性。3は神と悪魔の合体(1+2)であり、一段高位のハーモニーをつくりだす最初の数。ピュタゴラスは、始まりと中心と終わりがすべて含まれているから3を完全数と読んだ。そして2だと線だけど3になると広がりをもつので、世界に想像と拡大をもたらす、らしい。

西洋の昔の絵や建築を見ると、シンボル的なものが多く使われているので、こういう意味もあるのかなあと思いつつ鑑賞するとより楽しい(こともある)。何はともあれ、分厚かったけど楽しい本でした。

『図書館戦争 / 有川 浩』

図書館戦争 図書館戦争
有川 浩
メディアワークス 2006-02
内容(「BOOK」データベースより)
正義の味方、図書館を駆ける!―公序良俗を乱し人権を侵害する表現を取り締まる法律として『メディア良化法』が成立・施行された現代。超法規的検閲に対抗するため、立てよ図書館!狩られる本を、明日を守れ。
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「涼宮ハルヒ」以来のライトノベル。昨今、人権擁護法案や児童ポルノ規制法案などの話題と共に図書館が舞台だというのが面白そうだったので、読了。

が。やはりラノベだなあ。作者も月9ドラマ風と言ってたし、思いっきり少女漫画でした。普通口調の若い女の子が話す小説が久々だったせいもあるか、どうも慣れなかった。設定は面白かったんだけどね。かなり図書館にはお世話になっているし、「図書館は何をする場所なのか」とか考えるのは面白いけど。あと中途半端にミリタリーなのもマイナス。

中高生の頃に読んでいればきっと面白かったのかもしれませんが、今の私にはイマイチでした。続きは読まないと思う。ただ司書の資格を思い出して、学生時代に取っておけば…!と意味無く思った。面白そうよね、司書。

『子どものための哲学 / 永井 均』

子どものための哲学 講談社現代新書―ジュネス <子ども>のための哲学 講談社現代新書―ジュネス
永井 均
講談社 1996-05-20
出版社/著者からの内容紹介
悪いことをしてなぜいけないか。ぼくはなぜ存在するのか。この超難問を考える。青年の哲学・大人の哲学・老人の哲学――子どもの哲学の根本問題は、存在である。森羅万象が現にこうある、というそのことが不思議で、納得がいかないのだ。ここでは問いは、どうしたらよいのか、ではなく、どうなっているか、というかたちをとる。人生や自己が問題になる場合でも、それは変わらない。存在論はもちろん、認識論や意味論、そして科学哲学や言語哲学のすべての根底には、子どもの哲学がある。哲学発祥の地古代ギリシャでも哲学の徒は〈子ども〉だった。ローマ人やヨーロッパ人の多くは、意味もわからず、そのまねをしてみただけだろう。青年の哲学の根本課題は、人生である。つまり、生き方の問題だ。いかに生きるべきか――このひとことに青年の問いは要約される。――本書より
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前に読んだ本が面白かったので、読んでみた。うん、読んでよかった。

題名に惑わされますが、決して<子ども>用の本ではありません。私も一生懸命読んだつもりなんだけど、解釈できない部分は目がすべったので、ちゃんとすべては読みこなせなかった。しかし今更なんだが、この本のおかげでうっすら思っていたことが言葉としてクリアになったのよ。

曰く、「他人の哲学なんて、たいていの場合、つまらないのがあたりまえなのだ。おもしろいと思うひとは、有名な哲学者の中に、たまたま自分によく似たひとがいただけのことだ、と思ったほうがいい。」ってこと。

考えれば当たり前なんだけど、学生時代はそれをわかってなかったんだな。授業で、他人の哲学書を読むときに全然わからないのって、それが「他人の」哲学だからなんだね。でも本来、哲学は「自分の」哲学であるべきなんだよね。それが誰にも理解されなくてもそれを問題として考え続けるのが「哲学する」ってことと著者は語ってる。どうも “哲学をする=哲学者の思想を学ぶ≒哲学史を学ぶ”ような流れが学校にはあったからなあ。ああいうのは、「誰がどういう考えを持っていて、これは自分の問題と似てそうだから考えを拝借しよう」ぐらいのスタンスで良かったんだな。

あと、著者は子どものころから「ぼくはなぜ存在するのか」ということを考えて、そこから他者と自分の差異や世界の構造なんかを考えていた。この「自分と他者の違い」は、かなり私にぐっときた。私もずっと似たような問題を考えていて、詳しくは語らないけど結論は「他人とはわかりあえない」なんだな。永井さんはそこまで言ってないけど、子どもの頃から考えてきた筋道がきちんとしていて、なるほどなあと思った。哲学する人はこうやって考え続けていくんだな。もう1つの問いの「なぜ悪いことをしてはいけないのか」は “道徳”について語っているんだけどよく読みこなせなかったのでパス。

わたしの問題が一番たいへん。だってわたしの問題だもの。

こんなコピーがあったような気がするんですが、他の人には理解されないかもしれない自分の問題を考え続けてもいいのです、むしろ考えろ と後押しされたような本でした。面白かったのでまた他の本も見てみよう。

『2ちゃんねるはなぜ潰れないのか? / 西村 博之』

2ちゃんねるはなぜ潰れないのか? (扶桑社新書 14) 2ちゃんねるはなぜ潰れないのか? (扶桑社新書 14)
西村 博之
扶桑社 2007-06-29
内容紹介
1999年に開設した『2ちゃんねる』。閉鎖やドメイン差し押さえに関する、噂や報道が幾度となくありました。2006年頃からは書き込みに関する裁判問題で、報道されることが増えています。しかし、インターネットの構造を考えると、“潰すほうが大変”であると管理人のひろゆき氏は説明します。本書では、2ちゃんねるの管理運営を通じ、ひろゆき氏が考えるインターネット論を展開。数多のインターネット賞賛本とは異なる、技術者であり、“ネ申”であるひろゆき氏が考えるインターネット“進化論”となっております。また、IT系ジャーナリズムの第一人者・佐々木俊尚氏、カリスマプログラマー・小飼弾氏との対談も圧巻です。
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2ちゃんねる好きなんですけどね。でも、どうしても暗い部分だけがアピールされてしまって、人前では2ちゃんユーザーと言ってはいけないような雰囲気がありますな。最近は暇ゆえに2ちゃんをよく見てるので、みんな大好き管理人「ひろゆき」が本を出しているのかと軽い気持ちで手に取りました。

読んで驚いたのは、ひろゆきって頭良かったんだなあということ。彼の時代の空気の読み方はすごいんじゃないのか?基本的にネガティブなのがいい。梅田望夫(そういやweb進化論読んでないや)やweb2.0をこきおろすのには笑った。あとはインターネットの世界をいくつか語っていたけど、googleやヤフーの検索サーバーが日本にないということが「著作権にひっかかる怖れがあるから」というのには言われてみて、あぁそうなんだと。winny問題もそうだけど、法律と技術革新はどちらが人のためになるのかね。

あと、ひろゆきの有名な言葉で「うそはうそであると見抜けない人には(掲示板を使うのは)難しい」というのがありますが、実際 2ちゃんでの真実率はどれくらいなんだろうね。私も洗脳されやすいんで気をつけてはいるんだけども、結構流されてます。「衆愚」の話題も出てたけど、集合知が正しいとは限らないわけだしなあ。しかし、目からうろこだったのはスラッシュドットもはてブも多数決(ユーザーが採点する)だということ。そりゃそうだよな。となると、民衆の民度が低い場合は「集団愚」に陥って暴走したりすんのかな。でもそれが悪いって誰がわかるのかな。やっぱり頭のいい一部のエリートが民衆をコントロールすんのかな。とかつらつら考えた。こんなとこにもドストエフスキーか。