『35歳からの美肌カウンセリング / 佐伯 チズ』

35歳からの美肌カウンセリング (だいわ文庫) 35歳からの美肌カウンセリング (だいわ文庫)
佐伯チズ
大和書房 2006-02-09
内容(「BOOK」データベースより)
40年間、美容アドバイザーとして女性の肌を見つめつづけてきた著者は、出会った女性の数だけその「生き方」も見つめてきたカウンセラーでもある。結婚、出産、キャリア…。いくつかの人生の選択をしてきた30代。これから先、言いわけしたり他人をうらやんだりすることなく、「輝く肌」を手に入れるにはどうすればいいのか。ベテラン・カウンセラーが導く「きれいな肌と生き方」の手引き。
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たまには市場調査。この方を最近よく見かけたので。別に美容に目覚めたわけでもありません。残念ながら。

住む世界が違うなあと(価値観的に)思うので、感銘を受けるところもなく20分程度で読了。そうそう、彼女のお肌理論は、とにかく水分(保湿)だそうです。ローションパックを3分間ですって(水にひたしたコットンに化粧液をつけ、顔をコットンパックして3分)。

特に新たな道具は必要ではない手法には好感が持てましたよ。

『幼年期の終り / アーサー・C・クラーク』

幼年期の終り (ハヤカワ文庫 SF (341))

幼年期の終り (ハヤカワ文庫 SF (341))
アーサー・C・クラーク
早川書房 1979-04

Book Description
Without warning, giant silver ships from deep space appear in the skies above every major city on Earth. Manned by the Overlords, in fifty years, they eliminate ignorance, disease, and poverty. Then this golden age ends–and then the age of Mankind begins….
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先日、アーサー・C・クラークが亡くなったとの報道がありました。

クラークといえば「2001年宇宙の旅」のイメージが強く、HALコンピュータの名前がIBMの一歩先を行く(アルファベットの一文字前)という話を聞いては「おお!」と驚いたものです。しかし、私は有名なこの小説を読んでないなと思って、取り寄せてみました。題名だけは知っていて、TM Networkがアルバムタイトルにしてたんだよね。Childhood’s end というアルバムで。

さて感想。なんでも1953年発表とのことだが、すごい。テーマが壮大すぎる。これがSFの金字塔として今でも受け継がれている意味がよくわかった。大抵の古いSF作品はステレオタイプ的な匂いがするものだが(元ネタだからしょうがないか)、この作品は私の考えていたSFの切り口と全然違った。何箇所か意味がわからない部分や、このキャラクターはどうなったんだろうといったもやもやした部分も残ったのだが、後半の人類が進化(?)していくくだりはぞくぞくした。あの流れは確実に今のSF作品への影響を与えている。

しかしクラークの視点というのは独自だなあ。名作と呼ばれる作品にはその所以が必ずあるのだなと再認識しました。

『「おたく」の精神史 一九八〇年代論 / 大塚 英志 』

「おたく」の精神史 一九八〇年代論

「おたく」の精神史 一九八〇年代論
大塚 英志
講談社 2004-02-21

内容(「BOOK」データベースより)
ロリコンまんがの誕生、岡田有希子の自死、キャラクター産業の隆盛、都市伝説ブーム、フェミニズムの隘路。現代日本社会の起源を探る試み。
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大塚英志といえば、私にはマダラ・多重人格探偵サイコの原作者としてのイメージが強い。評論もしてるのは知っていたが、読むのは初めて。しかもあの”80年代”についてだなんて。この帯のあおりだけでもその時代を知ってる人には「ああ」という感じじゃないでしょうか。

ニューアカ、ロリコンまんが、フェミニズム、黒木香、糸井重里、新人類、宮崎勤、岡田有希子、都市伝説、UWF

しかし実際は80年代の記憶が途切れ途切れなので、単語がでてきてもイマイチ実感がともなわない。宮崎事件の詳細ってどんなんだっけな?岡田有希子が自殺したのは覚えてるんだけど理由はなんだっけな、という具合。

本の書き方が、すでに知っていること前提で書かれているから、記号のように単語を出されて詳細説明なし。非常に不親切な作りだなと思った。あと精神史というから、80年代のおたくムーブメントを分析してくれるのかと思いきや、自分語りが多かったのでなんだかなという感じ。彼用の時代へのオマージュなんでしょうかね。あと宮崎事件に関わった際の彼の混乱がいまさらながらに書かれてるんだけど、言い訳っぽいので書かなくても良かったのではと思う。しかしいくつかの分析にはふーんと思った点もあった。やはりひとつの時代を経験した人なんだろうな。

『ポアンカレの贈り物 / 南 みや子 永瀬 輝男』

ポアンカレの贈り物―数学最後の難問は解けるのか (ブルーバックス)

ポアンカレの贈り物―数学最後の難問は解けるのか (ブルーバックス)
南 みや子 永瀬 輝男
講談社 2001-03

内容(「BOOK」データベースより)
「四色問題」「フェルマーの大定理」とともに、数学の3大難問とされる「ポアンカレ予想」。ただ一ついまだ解けない、この世紀の難問の、難しさと、おもしろさがわかるファンタジー小説。難問に挑む数学者たちの”戦略”も解説します。
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先日の感動(動画は削除されたようです)から、なんとかこの問題の中身を知りたくて入門書を探してきました。

この入門書は物語形式でわかりやすく書かれている(んだと思う)。欲を言えば証明が解かれる前に書かれた本なので、それらについて触れられていないのが残念だが。

さて、ポアンカレ予想というものは「三次元の閉多様体で、パイワンが消えているものは、三次元のスフェアに同相である」いうことらしい。わたくし、すでにこの時点でいくつか見失っている。よくわからんけど、先日のテレビの例でいくと宇宙の端に這わせた紐が回収できたらパイワンが消えているということで、そうすれば三次元のスフェアに同相ということらしい。しかし三次元のスフェアがよくわからん。三次元の形の表層らしいんだけど。

そして、残念ながら私には四次元の図形が見えずに終わった。こういう問題を扱うときには、3Dの立体映像のように”見えた”という瞬間が必要なのだろうなあ。一段階、次元をあがらないと想像にも限界があるよ。

入門書で挫折しましたが、面白かったのでまだまだ追っていきたいと思います。

『ポケットの中の野生 / 中沢 新一』

ポケットの中の野生―ポケモンと子ども (新潮文庫)

ポケットの中の野生―ポケモンと子ども (新潮文庫)
中沢 新一
新潮社 2004-01
内容(「BOOK」データベースより)
子どもたちはなぜポケモンに夢中になるのか?元昆虫少年が自然体験をもとにデザインした携帯ゲーム機のソフト『ポケットモンスター』は1995年に発売されて以来、爆発的な人気を得ている。ポケモンに無意識の野生を呼び覚まされた子どもたちは、ゲームの中で異界のモンスターを追いかけ、その力を感じとっているのだ―ポケモンを論じて21世紀の野生に迫る、画期的なゲーム論。
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ちょっと前の話ですが、ニコニコ動画に「初めてポケットモンスター(赤)をやってみた」という動画があがっていました。動画作者の子供心を思い出させる可愛いリアクションや抜群のネーミングセンスやコメントなどで人気を得ておりました。私も毎日、その動画があがるのを楽しみにしてたんだけど、2ch VIPPERの告げ口により権利者削除されちゃったのでした。

まぁとにかくその影響でポケモンがやりたくなった私は、押入れからゲームボーイアドバンスを探し出してきて、一生懸命ポケモンをやってたのですよ。そしたら中沢先生がこんな本書いてるのを図書館で見つけたので読んでみたら。

──中沢先生、ちょっとこじつけすぎじゃね?

なんつーかナルシストというか深読みしすぎというか、全然納得できない論調だった。唯一の収穫は対象aという心理学用語があるということを知ったことだけだ。それが何かはよく知らんのだが。

さて、ニコニコ動画でドラクエモンスターズの実況を見つけてしまった私は、早速目移りして今は一生懸命ドラクエモンスターズ1をやっているということは秘密だ。

『巷説百物語 / 京極 夏彦』

巷説百物語 (怪BOOKS)

巷説百物語 (怪BOOKS)
京極 夏彦
角川書店 1999-09
メタローグ
江戸時代の諸国を舞台にした7つの怪異譚。例えば「小豆洗い」。ある僧が嵐を避けて山小屋に泊まる。同宿する人々が暇つぶしと称して順に怪談を披露するが、僧は過剰な反応を示した揚げ句に外に逃げ出して死んでしまう……。 京極ワールドの特徴は多々ある。妖怪の不気味さ、謎解きの意外さ、物語を逸脱して語られる蘊蓄。そしてもう1つ、癖のある“レギュラー出演者”たちが織りなすアンサンブルも忘れるわけにいかない。ここにも、小股潜りの又市、山猫廻しのおぎん、事触れの治平、考物の百介といった胡散臭いレギュラー陣が登場し、毎回毎回、見事などんでん返しを演出する。(石飛徳樹)

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先日の友人お薦めのなかの一冊。京極作品は京極堂シリーズをメインに読んでて、他はあまり読んでないのだ。

余談だが私が他の京極作品を読みたくなくなったのは、このどすこい(仮)どすこい(仮)の表紙を見てからだと思う。……ちょっとトラウマ。

さてこの本だが、おすすめされるだけあって面白かった!一話が短いからちょうどいいテンポだし(京極堂シリーズのようにダラダラしないし)、勧善懲悪でスカッとするし、妖怪でるし。

また出てくるキャラクターが個性的なんだな。友人は映像化されたおぎん(小池栄子)がイメージに似ていると言ってたが、私も(映像の演技は見ていないのだが)アリかなと思った。でも又市とかかっこいい気がする。え、映像だと渡部篤郎がやってるの?えー、うーん?よくわからん。

続編も出てるらしいので追っかけるつもりだよ。おもしろかった。

『ハサミ男 / 殊能 将之』

ハサミ男 (講談社ノベルス)

ハサミ男 (講談社ノベルス)
殊能 将之
講談社 1999-08
内容(「BOOK」データベースより)
美少女を殺害し、研ぎあげたハサミを首に突き立てる猟奇殺人犯「ハサミ男」。三番目の犠牲者を決め、綿密に調べ上げるが、自分の手口を真似て殺された彼女の死体を発見する羽目に陥る。自分以外の人間に、何故彼女を殺す必要があるのか。「ハサミ男」は調査をはじめる。精緻にして大胆な長編ミステリの傑作。
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久々に「そうきたか!」と話の展開に驚かされたミステリー小説。

ネットでミステリーのお薦めにあったのだが、確かにこれはオススメの価値あり。ミステリーの場合、ネタバレの箇所が難しいのでなんともコメントしづらいんだが、怒濤の終盤が見事。もう一度読み返して、あーなるほど、こんな伏線あったわなあ、と。

あと所々で意味深な台詞とかあったんだが、それが何を意味してるかは私は汲み取れなかった。たぶん意味あるんだろうけども。

お時間あればぜひどうぞ。

『話を聞かない男、地図が読めない女 / アラン ピーズ バーバラ ピーズ』

話を聞かない男、地図が読めない女―男脳・女脳が「謎」を解く 話を聞かない男、地図が読めない女―男脳・女脳が「謎」を解く
アラン ピーズ バーバラ ピーズ Allan Pease
主婦の友社 2002-09-01
Amazon.co.jp
女は歯を磨きながらでも歩き回ったり、いろいろなことを話したりできるのに、男にはこれができない。なんでだろう?なぜ特許出願の99パーセントが男によるものなのか。なぜ女はストレスが溜まるとおしゃべりをするのか。なぜ買い物嫌いの夫がこんなに多いのか。(略)男と女は脳が大きく違っていて、生まれつき違う行動をする傾向がある。 (略)ピーズ夫妻は本書執筆のためのリサーチに3年をかけて世界中を旅し、専門家の話を聞き、民族学、心理学、生物学、神経科学の最新の研究成果を調べた。しかし、決して「難解な科学書」ではない。本書の第1の目的は「男と女の平均像、つまり、ほとんどの男女が、ほとんどの場合にすること、あるいはしてきたこと」について語ることなのである。
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タイトルだけは知ってて、自分の方向音痴っぷりを「女の人って地図読めないっていうし」と言い訳にしたことがあるのだが、そういえば本の内容知らないやと思って読んでみた。

男女分析としては面白いし、男性脳や女性脳という考え方があるのだろうけども、リサーチのデータのよりどころが謎なので科学的根拠は弱い気がした。彼らがデータを調べて公表してるんだったら、データが作為的になっちゃわない?しかし、いくつかの分析や例は面白く、たとえば

女は周辺視野が広く、男はトンネル視が得意。

こんなエピソード(女性は冷蔵庫のバターが探せるけど男性は探せないってやつ)は、家で父親と母親が似たようなことを年中やってるので笑った。(*トンネル視は遠くから物を見る能力=狩のときに獲物を探すのに必要→よって空間能力が発達。女性は家を敵から守るために周囲をチェックする能力が発達→関係能力の発達。──という論でした)

しかしこの本、後半はほとんどセックスの話をしているんだが、このあたりはアジアと欧米で感覚が違うのではなかろうか。アジアはそこまで身体的な触れ合いに重きを置いてないような気がするなあ。あと、男女脳のテストがついてるので試したら、オーバーラップ内の180点で、女脳寄りだったよ。女性内では男脳寄りだけど、やっぱり女脳だったか。

『チーム・バチスタの栄光 / 海堂 尊』

チーム・バチスタの栄光

チーム・バチスタの栄光
海堂 尊
宝島社 2006-01
出版社 / 著者からの内容紹介
東城大学医学部付属病院では、心臓移植の代替手術であるバチスタ手術の専門チーム「チーム・バチスタ」を作り、次々に成功を収めていた。ところが今、三例続けて術中死が発生している。しかも次は、海外からのゲリラ少年兵士が患者ということもあり、マスコミの注目を集めている。そこで内部調査の役目を押し付けられたのが、神経内科教室の万年講師で、不定愁訴外来責任者・田口と、厚生労働省の変人役人・白鳥だった……。
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随分と前のことなんでしょうが、売れてた本なので読んでみた。

バチスタ手術に関しては、漫画の医龍を読んで多少の知識があったから割合と読みやすかった。設定もなんか似てたし。ただミステリーとして読むには、初期からだいたいの犯人の目星がついてたのでイマイチでした。トリック(というほどでもないが)も、とってつけた感じ。

しかし田口くんや白鳥のキャラ付けは良かった。パッシヴフェーズやアクティブフェーズの論調は面白かったよ。こういったトークの技術だけで解決していくミステリーみたいなものはないものだろうかね。どっかにありそうだけど。

「過去を看取るパッシヴ・フェーズ。未来を創るアクティヴ・フェーズ」

『無理なく続けられる年収10倍アップ時間投資法 / 勝間 和代』

無理なく続けられる年収10倍アップ時間投資法 無理なく続けられる年収10倍アップ時間投資法
勝間 和代
ディスカヴァー・トゥエンティワン 2007-10-12
出版社からのコメント(編集者より)
時間管理の本をたくさん読んだけれど、毎日忙しく時間に追われているのは変わらなかった…。そんな経験のある人は少なくないのではないでしょうか。私もそうでした。
そんな人でも本書を読めば「忙しいから目先のことしかできない、成果も実力もなかなかあがらない」そんな悪循環を「余裕があるから、成果も実力もつく。そうするとさらに時間ができて、成果も実力もさらにアップする」という好循環にかえる方法がわかります。実は私も、すでに本書のメソッドを取り入れて、さっそく自分自身の変化と充実感を実感しています。(略)自信をもってお勧めする時間管理の決定版です。
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こないだ読んだ 無理なく続けられる 年収10倍アップ勉強法と一緒に図書館に注文してたため読んだのであって、特に彼女の考えに感銘して2冊目を後追いしたわけではありません。念のため。

さて今回は時間の使い方。このポイントに対しての著者の無駄の省きっぷりは尊敬に値する。何がって、そのいっそすがすがしいまでの「効率化」。例えばプロのサービスに頼む(掃除や子供の送迎など)は想像できるとして、飲み会のメンバーが自分の将来に役立つか計算してそういうくだらない飲み会は断るとか、雑用を押し付けられて時間を潰されるぐらいなら出世を目指すとか。外資系では通じそうな考えだなあと思います。日本の小さな企業ではそこまで割り切ってはできないんじゃないかと感じますが。

さて著者の言う黄金の時間を増やすための5ステップ。

  1. 時間をつくるために投資する
  2. 成果を時間で測る習慣をつける
  3. 必要以上に「いい人」でいることをやめる
  4. やりたくて得意なことを優先する
  5. 腹八分目のスケジュールにする

そして 消費:浪費:投資:空費の時間配分を 50%:10%:30%:10%にするように持って行こうということでした。

いま特に忙しくない私にはそんなに必要じゃないけど、「なるほど」と感じたのは何かをしようとするときは目標をたてるのではなく、「どれを減らすか」ということが問題なのであって、目標に対する「行動を習慣化させる」ことが大切だということ。これは確かにそのとおりだ。何かを「増やす」んじゃなくて「減らして入れ替える」んだよね。

えーっと、まずはインターネット時間を減らさなきゃ(笑)