『生協の白石さん / 白石 昌則』

生協の白石さん 生協の白石さん
白石 昌則 東京農工大学の学生の皆さん
講談社 2005-11-03
内容(「MARC」データベースより)
東京農工大生協の「ひとことカード」に寄せられる要望やユニークなメッセージに、誠実で機知に富んだ回答をしてくれる生協の白石さん。おかしくて癒される、学生と白石さんとのコミュニケーション「ひとことカード」の傑作選。
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MZ時代にネットで噂を知ってネット上でも見たんだけど、本でも読みたいなと思っていた白石さんをようやく入手(図書館で)。

白石さんの何が良いのかというと、この「何にでもきちんと回答する誠実さ」と「誰も傷つけないウィットに富んだ答え」というところだと思う。もちろん白石さんが話題になり非店用コメントが増えたらしいので全部回答できないこともあるらしいし、忙しいときのネタ質問にムカッときたこともあるらしい。

でも白石さんの腰の低さとサービス精神は「プロ」の店員さんなのだなあと感じる。「私の近くに白石さんいないかなあ」という意見に強くうなずくのだった。面白くて癒される。ステキだ。

まだネットで白石さんの新作ご紹介されてます。ご興味のある方はどうぞ。

がんばれ、生協の白石さん! 学生さんのやっているブログ

東京農工大学消費生活協同組合 「一言カード」のコンテンツに過去の白石さんのコメントがあります(2006年まで)

『ROMES 06 / 五條 瑛』

ROMES06

ROMES06
五條 瑛
徳間書店 2006-10
内容(「BOOK」データベースより)
世界最先端の施設警備システムROMESに守られた海の要塞、西日本国際空港。だが、ROMESの全貌を知る者は、西空警備チームでもただひとりだけ。成嶋優弥。ROMESの最高運用責任者。鋭い知性と飄々とした言動で他人をケムに巻く、常識はずれの天才が信じるのは、愛犬ハルと、自らが運用するシステムのみ。ある日、西空に複数のテロの予告状が届く。そしてROMESの警告装置が作動した!?成嶋とテロリストたちの、知と情を賭けた白熱の攻防が始まる。

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テロリストとの攻防の話は好きなんだけど、これはどうも物足りないと思った一品。

警備システムROMESの設定や、システムと犬のハルだけを信じる天才成嶋などの設定はよろしかったのだけどね。天才っぷりやテロリストの犯行動機が弱かったか。あとシステム描写がちょっと脆弱だった気もする。それは私がサイバーパンク好きだからか。うーん、星ふたぁっつ(全部で五つ)。

『季節性うつ病 / Norman E. Rosenthal 』

季節性うつ病

季節性うつ病
ノーマン・E. ローゼンタール Norman E. Rosenthal 太田 龍朗
講談社 1992-05

内容(「BOOK」データベースより)
季節によって感情や行動はゆれ動く。人間の“季節感”を精神医学の視点から解明し、抑うつ症状の臨床例から光治療の有効性を検証する。
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先日、友達から遊ぼうと電話がありましたが「寒いし外に出たくないから嫌」と言って断りました。こうして友達を失っていくんじゃないかと思うにょんたです。

さて、私が冬になると引きこもるのは寒いのが嫌いなためだと思っていたんですが、ひょっとしてこういうのも関係あるのか?という本。季節性感情障害(Seasonal Affective Disorder :SAD) とは主に冬期にのみ抑うつ気分や食欲低下、不眠などうつ病似た症状が出るというもの。治すには光治療が効果的だとかで、それ用の電気スタンドで光を照射するんだそうです。でもその電気スタンド、えらい高いようですが。

以下、特徴を書いておきます(http://www.sakura.cc.tsukuba.ac.jp/~hokekan/pdf/457.pdfより転載)

  1. 発症年齢は20歳台前半が多い。
  2. 女性に多い(男:女=1:4)。
  3. 発症時期は10月~11月頃で,症状の極期は1~2月頃で,春分以降には自然に症状は消失する。
  4. 症状が消失した後に,軽い躁状態を示すことも少なくない。
  5. 抑うつ症状の他に,過眠,過食,体重増加,炭水化物飢餓(甘いものや御飯類を良く食べるようになる)が高率(70-80%)に認められる。

いまのところ睡眠と体重は意図的にコントロールしてるので大丈夫ですが、症例としては当てはまりますな。ちなみに、書籍内では環境を変えようと暖かいところに引越しした人もいたそうです。私も暖かい暑い場所にいたときは、まだ活動的だったんで、暖かいところに行くというのは最終選択肢として残しておきたいと思います。

『どうして私、片付けられないの? / 櫻井 公子』

どうして私、片づけられないの?―毎日が気持ちいい!「ADHDハッピーマニュアル」 どうして私、片づけられないの?―毎日が気持ちいい!「ADHDハッピーマニュアル」
櫻井 公子
大和出版 2004-03
内容(「MARC」データベースより)
部屋もココロも片付かないのは、ADHDという「脳のクセ」だから。ADHDタイプやそれとたまたま似たような状態に陥ってしまう人が「脳のクセ」を知り、日常生活を気持ちよく過ごすための実用的な「生活のコツ」を紹介。
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ADHDという単語をネットで初めて知ったのです。ADHDとは(Attention Deficit Hyperactivity Disorder)というそうで、集中力、注意力、衝動性、多様性などを自分でコントロールしにくい「注意欠陥多動性障害」のことらしい。図書館に行って借りてきたよ。

自分がそこまで病んでるとは思わないんだけど、ADHD脳に非常に似た傾向があるなあと思うわけです。たとえば以下のような特徴。

  • どうしても部屋が散らかってしまう
  • なぜか時間が読めなくて、悪気ないのに遅刻する
  • いったん一つのことに集中すると、ほかが見えなくなる
  • 全部集めないと気がすまない
  • アップダウンの激しい人生(←感情的とか衝動的に動いちゃうという意味)
  • 身体と対話できない(←身体が固いとか休息をとれないとか)

もちろん、こういう本を読んで「私ってADHDだから」と言い訳にしちゃいかん。しかし自己分析にはおもしろい。そういう傾向が自分にあると意識するのとしないのでは違うので。

しかし、その解決策は当たり前のことが書いてあったのでイマイチだった。それが出来たら苦労しないよ的な。しかし「いったん一つのことに集中するとほかが見えなくなる」ということがすべてに繋がっていたとは思わなかったなあ(←言われてみれば全てそうだ)。「今日○○をしよう」と思っていても目の前で興味あることがあるとそれに引きずられちゃって他すべて忘れる。それで優先順位がどんどんと狂っていくのね。人との待ち合わせも片付けも人生設計すら!それでグダグダになるとそれがストレスで嫌になって感情的に「もう全部いらん!」となり全削除して終わりという具合(これ書いてる今も本当はハローワーク行かなきゃいけないんだけど書くのに夢中になってるし)。

こういう発見が出来ただけでも面白い本だったかな。繰り返すけど解決はしてないんだが。

『エデン / 五條 瑛』

エデン エデン
五條 瑛
文藝春秋 2006-08
内容(「BOOK」データベースより)
新宿のスラムで育ったストリートギャング、亞宮柾人。彼が、政治・思想犯専用特別矯正施設「K七号施設」に入れられた時、「闘い」は始まっていた!見せてくれないか、信念とやらが造り上げた楽園の姿を。

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五條さんの本をいったいどこまで読んだのか忘れてしまった。図書館で借りてきたので、当分は五條さん特集。彼女の本はエンターテイメントなので、ぼーっと楽しむのが良し。

この本は刑務所のような矯正施設内の話。もっとこの施設に謎があるのかと思いきや、謎はなかった。あと主人公の亞宮に魅力がいまひとつ。中途半端な立ち位置だった。

“思想のために生きるということは”みたいなのがテーマとしてあったんだけど、印象的なせりふを引用。

「思想はね、刺青と一緒だと思うんだ。一度彫り込んでしまうと、あとで後悔して消そうとしても消せないんだよ。消したければ、肌を焼くしかない。よく考えて入れないとダメなんだよね」

なるほど。

『東京奇譚集 / 村上 春樹』

東京奇譚集 (新潮文庫 む 5-26) 東京奇譚集 (新潮文庫 む 5-26)
村上 春樹
新潮社 2007-11
内容(「BOOK」データベースより)
五つの最新小説。不思議な、あやしい、ありそうにない話。しかしどこか、あなたの近くで起こっているかもしれない物語。

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みんちゃんから借りて久々に読んだ村上春樹。ありそうで絶対ないストーリーだけど、現実にあったら世界はもっと楽しいんだろうなあ。あるのかな?ないのかな?

「偶然の旅人」という最初の短編は、先日読んだパウロ・コエーリョの「アルケミスト」と通じるところがあった。偶然の出来事に世界のサインを見つけるかどーかだな。