空白の10年飲み@新宿

金曜日の酔ったあとにブログを書くというのが恒例だから、一応日記。あとで自分で読み返すと別人が筆記しているようで結構面白い(=恥ずかしい)んですけど、それもせーしゅん(違うだろうけど)。

しかし、今日の面子は大学時代の先輩だったんですが、実に逢うのは10年ぶりぐらい。そしてその間に難病を患ってしまって、本当に生きるか死ぬかの瀬戸際をさまよった人であり、大きな手術もされました(曰くサイボーグ化)。

いや、一線越えた人の強さを感じました。先輩、すごいです。私はちょっとあそこまで笑えないっす。色々と悩んだ時代とかもあったようですけど、ああやってニコニコしているのがすごいなあ。

でもね、「生きるってなんだろう」ということをまた感じましたよ。やはり考えていきたいテーマです。

追伸:案の定、起きて読むと自動書記の気分を味わいました。自分が書いた内容がよくわからん。置いておきますが、二件投稿してみたりとハッスルハッスルぅしてた模様です。

世界遺産検定

ちょっとこれ何?!電車の中吊りにあったんですが!

<世界遺産検定>

世界遺産検定(正式名称:世界遺産学検定)は、人類共通の財産・宝物である世界遺産についての知識を広げ、理解を深めて、先人や地球が残してくれた遺産から多くのことを学ぶとともに、学んだことを社会に活かし、世界遺産の啓発と保全活動の輪を広げることを目的に実施する検定です。検定試験を通じ、世界遺産の理解度や習熟度を基礎から専門分野に至るまで幅広く総合的に測ることができます。

……ですって。 

うわー、これはあれか?資格検定好き(という程でもないが)で世界遺産大好きな私のためにあるような検定か?こんなどこがやってるんだかわからないような、誰もしらない試験のために8000円だして(2級・3級併願)受けろってか?

──ちょっと問題集買ってくるわ。

『開かれた小さな扉 / バージニア M. アクスライン』

開かれた小さな扉 新装版―ある自閉児をめぐる愛の記録

開かれた小さな扉 新装版―ある自閉児をめぐる愛の記録
バージニア M.アクスライン
日本エディタースクール出版部 2008-01
<出版社HPより>
かつて極度の情緒障害のあった子供が、強く健康な人格にまで立直る物語である。物語は主人公ディブスがほぼ2年間ある学校に通ったところからはじまる。最初、彼はまったく口をきかなかった。ときには午前中いっぱい黙って動きもせずにすわっていたり、ほかの児童や教師のことは忘れて勝手に教室内をうろつきまわったりした。そんな主人公ディブスが複雑な人生の過程を体験していく中でしだいに彼の世界を保障するものは彼の外部にはなく、熱心に捜し求めてきた安定の主軸はじつは自己の奥底にあることを発見する。
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新装版が出ているようですが、実は1972年発行とずいぶんと古いので、今の児童心理学の現場では違うのかもしれない。しかし、とても面白い本であった。

これは児童心理学者の著者が行った遊戯療法による、ディブスという自閉症の(症状に近い)子供の治療のノンフィクションの記録である。遊戯療法とは遊びをコミュニケーション、および表現手段として行う心理療法だそうだ。最初、箱庭療法を思い出したんだけど、それはこの遊戯療法から派生したそうで、なるほどどこか似てるはずだ。

「遊びを通して」ということは、子供と一緒に遊んで褒めたり何かを解析したりするのかしら?と思ったら、これが全然違う。アクスラインさんは子供に何も指示しないし、強制しないし、彼の行動を解析することはない。遊戯室で子供が家に帰りたくなくて泣き出すシーンがあるんだけど、そのときにも「ディブス、あなたはここに1時間しかいられないの」と “1時間だけ”という制約をきっちりと守らせ、いっそ冷徹ですらある。そして彼女が遊戯室でしていることは、子供のやっている(言っている)ことを反復しているだけだ。

「把手つける」彼は言った。そして私の鉛筆に手をのばして、ごく慎重に人形の家のドアに把手を描いた。
「ドアには把手がなくちゃと思ったのね?」私がたずねた。
「そう」彼はつぶやいた。彼はドアに錠前も描いた。
「錠前もついた!」
「そうねわかるわ。ドアに把手と錠前をつけたのね」
「鍵でしっかり閉める」彼は言った。「高い高い壁がある。ドアもある。鍵かけたドアも」
「そうね」私が言った。

このディブスの行動にも「鍵」「ドアを閉める」「高い壁」など、心理学的にわかりやすそうなモチーフが出てくるけど、彼女がそれを解析して意味を与えることはない。しかし、本を読み進めるうちに、ディブスは自己を確立し、感情をコントロールし、憎悪や復讐心に対して寛容の気持ちを持ち、まわりとコミュニケートできるようになっていく。この経過が、ディブスの遊びの内容や言葉の端々に現れていく様は非常に興味深い。たぶん、この遊戯療法の意味は以下、ディブスが数年後にアクスラインさんに会ったときの言葉に表れていると思う。

「あなたはぼくのすることを、なんでもしてくれたね」彼はつぶやいた。「ぼくの言ったことを、みんな言って」
「そうよ、そうだったわね!」
「うん。『ここはあなたのお部屋よ、ディブス』って言ったよね。『あなたのものよ。楽しくなさい、ディブス。楽しくなさい。だれもあなたをいじめないから、楽しくなさい』って」ディブスはため息をついた。
「そしてぼくは楽しかった。生まれて初めてだったな、あんなに楽しいことは。ぼく、遊戯室の中にぼくの世界を作ったっけね。覚えてる?」

ディブスにとってアクスラインは、初めて自分のことを理解・見守ってくれる存在であり、閉じこもっていた世界から外の世界への扉だったのかなあ。そして遊戯室という世界で彼は自己を見つめなおしたのかもしれない。ちなみにディブスは当時6歳。「子供だからわからないだろう」と大人が思う以上の深い理解を子供は色々としているんだということを知りました。

かなり面白かったので一気に読んでしまった本。おすすめ。

『一流の勉強術 / 中谷彰宏 鷲田小彌太』

一流の勉強術―勉強が面白くなる53の具体例 一流の勉強術―勉強が面白くなる53の具体例
中谷 彰宏, 鷲田小彌太
ダイヤモンド社 2001-08
内容(「MARC」データベースより)
ムダなことが、1番の勉強だ。勉強のために、借金する覚悟を持とう。他人の言葉を、自分の言葉に翻訳しよう。好きな作家の、精神的ストーカーになろう。勉強が面白くなる53の具体例を挙げる。
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鷲田さんの本を昔読んだ記憶があり、最近はどうなのかと思って手近にあったから読んでみたんだが……がっかり。途中で読むのやめようと思ったんだが、どこがダメなのかをはっきりさせようとツッコミどころを探してるうちに読み終わってしまった。

何が一番ダメだったかって、この中谷って人。私はよく知らないんだが、えらい勢いで本を出しているようですね。この本の形式が対談でもないし、インタビューでもないし、中途半端な形なのが一番苛ついた。鷲田さんの台詞を引用してるんだかコメントしてるんだかわからんし、「中谷さんはそこがすごい」とか持ち上げてるし、中谷さんは自分語りすごいし。ビジネス本系はホント碌なのがないな。

しかしポリアンナ式良かった探しをすると、目次を読むだけで本の内容がわかるというところだ。キーワードとしては結構良いことが書いてあったように思う(インプットはアウトプットのためにある、借金する覚悟がないと勉強なんてできない、難しいことを簡単にするのが哲学であり勉強法だ、とかね)。

読書は99%が抜けていっても1%ひっかかるものがあればいいって言うからなー。まあそこまでカリカリすることでもないか。

アフリカの風

20080615.jpg私が任地に居たときにお世話になった日本人の人がいたのですが、その方がたまたま日本に戻ってるということで(3ヵ月後ぐらいにはまた戻ってしまうようですが)、ご飯を一緒にしてきました。 

いやー、久々に元任地の色々な話題を聞きました(ゴシップ含め・笑)。相変わらずアフリカはアフリカのようでヘビーです。「いつでも遊びに来てください」と言われましたが、私にはちょっとエネルギーが必要か…な……。南アのワールドカップあたりに行けたら面白いかなあ等思ってたんですが、南アフリカの状況は悪くなっているようですね。外国人への襲撃などある状況でワールドカップ開催できるのかしら?

ところで、重いのにわざわざお土産を頂いたのですよ!ばばーん!後ろにうっすら写っているタンザニア産のバッグに入れてきてくださって。

Nederburg pinotage(南アワイン)、大好きなAmarura、Tancafe(タンザニアコーヒー)、そして手前のはMurrebue産(任地近くの海)の貝殻です(笑)

うわー!すっごい嬉しい!!とひたすら感激した一日でした。そして友人の話を聞いて(その方は村に住んでいるのでより現地人と付き合いが濃い)、「あーあーそういえばそんな感じだった。アフリカ」と一筋の風を感じましたことよ。

梅の季節

20080613_2.jpg 近くの農家に梅が出回るようになったので、今年の梅を漬けてみた。左は梅酒、右は梅酢(梅サワー?)。あと残1kgは梅干にチャレンジするので、ただいま水に浸かっている。

梅酢のほうだが、ちょっとクエン酸満載で健康に良いみたいなのがいいなと思ったのだが、よく考えてみれば酸っぱいのが嫌いなので梅と1:1で作るのは酸っぱすぎるだろーと思い、1:0.5にした。あと氷砂糖と蜂蜜の固まったのが残っていたので放り込んでみた。母のアドバイスにより、梅は冷凍庫で1日凍らしたのだ。何でも早く浸かるらしい。浸透率が変わるのかね?

そしてふと気づいたんだが、この配合じゃ普通の梅ジュースと変わらなくなっている。──ま、いいんだけどさ。

今日のコーヒー

20080613.jpg今回のコーヒーはカフェアンデスというもの。いや、単に「…アンデス。マルコ。母を訪ねて……か」と名前で意味なく選んだんですけど。

印象が特にないのよね。苦味2と書いてあるけど、私にはいつもと同じくらい(若干マイルド)に思えた。今、苦味2と見てびっくり。えー、そうなのー。

ブルーマウンテンを思わせる、とあるけどブルーマウンテンの味がわからんから比べられん。あとシティというのは、炒り具合の加減のようでした。シティだとやや深炒りなんだって。まぁ特に可も不可もなかったかな。

CAFE ANDES
カフェ アンデス
エクアドル
ベース
シティ コク3 苦味2 「昔ながらのコーヒー栽培」を行っているアンデス山脈に隣接する良質コーヒー産国だけのブレンド。ソフトな香りと上品な苦味を持ち、ブルーマウンテンを思わせるやさしい口当たりです。

『暗号解読 / サイモン・シン』

暗号解読―ロゼッタストーンから量子暗号まで 暗号解読―ロゼッタストーンから量子暗号まで
Simon Singh 青木 薫
新潮社 2001-07-31
<日経BP企画>
暗号技術は解読技術とのせめぎ合いを通じて高度に発展してきた。その歴史的経緯と未来の動向をひも解く読み物。カエサル暗号,ヴィジュネル暗号,暗号機械エニグマ,公開カギ暗号,量子暗号などを追う。
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『あんたごうかいたどくた』(ヒント:狸)

小さい頃、秘密の暗号を兄弟や友達と使いませんでしたか?「3回叩いたら××の合図ね!」みたいな。暗号ってどこかロマンがあるよなあ。人類は古来から暗号を使っており、近年のコンピュータ発展により暗号(セキュリティ)はなくてはならないものとなったその背景や技術を、さすがのサイモン・シンがわかりやすく描いてます。

先日「ビッグバン」を読んで、やっぱサイモン・シンいいなあと再確認したけど、暗号解読を読んでなかったから慌てて読んだのだった。やはり期待を裏切らないわ。実際は上巻・下巻の文庫本で読んだんだけど、上巻の途中の計算説明のあたりで挫けそうになった。が、わからなかったら飛ばしていいのだ科学本、という自己コンセプトでそのあたりは飛ばす。

スコットランド女王メアリー(カトリック)とエリザベス女王(プロテスタント)の確執で、暗号が解けるか解けないかでメアリーの処刑が決まるとはなあ。しかし、あのあたりのヨーロッパ王朝の人間関係は複雑でよくわからん。暗号解読は時に歴史で重要な役割を果たすのですね(戦争時とか)。

更に、LINUXでSSH(セキュアシェル)というリモートコンピュータにアクセスする手段があるけど、これに使われているRSAの公開鍵暗号方式。これの成り立ちを勉強できたのは良かった。どうして鍵が二個あるのか(公開鍵・秘密鍵)いまいちしっくりこなかったのですよ。鍵の配送が歴史的な難問だったのね。素因数分解を使っているからA→Bは簡単だけど、B→Aは難しいのか~。そして暗号の説明でアリス、ボブ、イブが伝統的に使われているのを知った。道理でネットワーク系雑誌の鍵説明時によくこんなキャラクター名が出てくるわけだ。

また暗号とはちょっと違うのかもしれないけど、ロゼッタストーンを用いたヒエログリフの解読や、ミケーネ文明で使われていた線文字Bの解読のくだりも興奮した。古代文明の解読!しかし暗号を解読する技術の一つに頻度分布が使われているというのは自分には新しかった。例えばそれは英語だったら eが一番多く文字に現れ、単語だったらtheとか、一文字だったら a や I などになるとか。なるほどね。日本語でもたぶんよく現れる文字ってあるんだろうな。

古代文明に思いを馳せつつ、近年のコンピュータ暗号を学べた良書でした。ちなみにサイモン・シンのサイトを見たところ、次は「Trick or Treatment? Alternative Medicine on Trial 」ということらしい。なんだろ、薬の話なのかな?民間療法みたいなのを含めるのかしら。なんにせよ楽しみです。

『若き数学者のアメリカ / 藤原 正彦』

若き数学者のアメリカ (新潮文庫) 若き数学者のアメリカ (新潮文庫)
藤原 正彦
新潮社 1981-06
<背表紙より>
1972年の夏、ミシガン大学に研究員として招かれる。セミナーの発表は成功を収めるが、冬をむかえた厚い雲の下で孤独感に苛まれる。翌年春、フロリダの浜辺で金髪の娘と親しくなりアメリカにとけこむ頃、難関を乗り越えてコロラド大学助教授に推薦される。知識は乏しいが大らかな学生たちに週6時間の講義をする。自分のすべてをアメリカにぶつけた青年数学者の躍動する体験記。
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昭和52年に書かれたらしいのですが、そんな古さを感じさせない本。題名から数学者の話を連想してたんだけど、数学は全然関係なく、著者がアメリカという世界に触れて何を思ったかということを率直につづってました。何よりこの著者、文章が上手い。理系の人はどうしても文が固くなると思っていた私が間違いだった(あとで調べたら、「国家の品格」の著者だった)。

さて、初めて日本人が海外で仕事をするときの壁のようなものを著者は上手く描いていたと思う。少なくとも私は著者と似たような思いを抱いたことがあったので(海外での孤独感のみならず、授業の前にシナリオ作って練習したりとか生徒がテスト結果に文句言ってきたとかそういう小さなとこも・笑)、頷ける部分が多かった。

海外に出ると日本を意識する、というのはよく言われることだが、本当にそのとおりだなあと思う。日本人は日本人でしかありえないし、他になる必要もない。でも若いときは功名心や虚栄心や不安や落ち込みなどグルグルするものですよね。それらを率直に表現している著者の若さと素直な文に心を打たれました。

つれづれ

基本的に事件もないので特に日々の生活内容を書いてませんでしたが、近日の状況など。

ネットワークの学校のほうは相変わらず10時-17時で通ってます。みんなに「いまさら何やんの?!」とよく聞かれるんですが、「裏側はそうやって動いてたんだ!」とわかることも多く結構楽しいです。今はLinuxのFedoraを使ってるよ。ここんとこはDNSサーバーやPostfix、iptablesなどをやったかなあ。そのうちシスコのルーター、Windows 2003 Serverなどやるんじゃないかしら。──ごめん、私、今まで逆引きとか全然知りませんでした。DNSのゾーンファイルってああいう仕組みなんだ……。

ちなみに私の隣の席の方が、カリフォルニア大学の物理専攻・今まで一回も就職したことがない(アルバイト生活)・Over40・だけどバツイチ・数学に興味が出てきたので大学に聴講生に行こうかな~と話してる面白い人です。近日の私の物理学流行りの欲を満たしてくれてます(光って粒なんスか?!波なんスか?!質量ゼロって本当ですか?!でもそうしたらどうして重力で曲がるんですか!?とか)。あと毎日ラジオ講座(イタリア・フランス・スペイン・ロシア・ドイツだっけな?)を聞いて勉強しているんだって。いやいやその知識への欲求、見習いたいっす。

もうひとつの語学のほうはボチボチ。通ってはいるんですが、やっぱり家で勉強していないので、やっては忘れやっては忘れという具合。もうポル語の単語も出てこない。英語なんて更にやってない。これじゃイカンとはわかっているんだけども、どうも外に出ると家で勉強する気がなくなるんだよね。働いてるわけじゃないのにこれだからなあ。働きながら勉強してる人はほんと尊敬します。とりあえず勉学の基本はインプットとアウトプットということなので、そのうちブログにでもアウトプットする予定。

通学時間を語学に充てるという方法もあるんだろうけど、通学時間は本読んでるんだよね(家ではPC好きなので本は読まない)。うおー!どこを削ればいいんだ!!