『自己流園芸ベランダ派 / いとうせいこう』

自己流園芸ベランダ派 自己流園芸ベランダ派
いとう せいこう
毎日新聞社 2006-09
出版社/著者からの内容紹介

(略) 面積や日照時間が限られる都会の狭いベランダでは園芸書の知識は通用しない。著者は10年以上のベランダー経験をもとに自己流で植物の世話をし、試しては枯らし、枯らしては試すを繰り返す。しかし、その自由さこそがベランダーの醍醐味なのである。たとえ枯らしてしまってもいいのだと著者は言う。それも植物の生命のひとつのサイクルであり、そもそも植物の生命をコントロールしようとすること自体が無理なのだから……。(略)
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話題を少し変えて近日読んでた本など。

いとうせいこうさんの「ボタニカルライフ」は読んだ記憶があるんだけど、それの続編みたいな感じ。都会のマンションで植物を育てるのは、戸建の人とは違ってまさしくベランダー(ベランダで植物を育てる人)なのだよね。そしてベランダーは枯らすことを恐れてはならない、という彼の意見に、肩肘張らずに園芸界へ飛び込める気がした。

彼が植物を育てる記録に写真を撮るのではなくて、「書き残す」という姿勢をとっているのも興味深い。彼はそれが一番記憶に残るんだって。なぜその花の姿に感じ入ったか、根の張り方に驚愕したか、芽ひとつに狂喜したか。実際、彼の文章からは、植物への愛憎と格闘とユーモアが感じられて、読みながらくすりとする。

春だから何か鉢物を欲しいなあと私も思いました。えぇ、私も緑の指の持ち主ではないので、途中で飽きたり、枯らしたりするんですけどね。何か生命の勢いというのを感じたい気分なのです。

*そういや、いつもの友人と ボタニカ学習帳という記録をしてたこともありました。興味は前からあるんだよね。興味は。

return to REAL

20110323.jpg震災で不安定な状態を友達に訴える。

「私はまたパスタ大盛りとかそういう日常がしたいよ」と言ったところ、「もうそれは待ってても変わらないから、隙をぬってするしかないね」というわけで、当日緊急開催決定。

我々が大好きなパスタ屋がやっていたので(でもいつもの寄り道ルートの本屋は閉まってた)、私は迷わず大盛りを注文。食べられるときに食べておく!

帰宅時に新宿に寄ってくれた友人曰く、「こんなに寄り道するのが怖いと思わなかった」。

だよね。また地震が起きたり、電車止まったりとかしたら怖いよね。

帰りに一杯飲んでく?といくつか駅近くの飲み屋を回ったけど、どこも満員で「なんだ。新宿は電気が暗いけどまだまだ大丈夫」と安心した。(ここのところ、私たちの合言葉は「経済復興支援」)。21時前に解散。本当にご飯食べただけだったけど、また友達と好きなご飯が食べれて良かった。

ちなみに友達に近日の気分の話をしたところ 「異常な状況下で結ばれた男女は長続きしない、ってスピード(映画)で言ってたよ」でした。なるほど……。

震災後、初の日常は小さなことだけど幸せなことでした。

震災その後

数時間しか寝てないはずなのにどうも目がさえて起きる。ニュースをつけて被害の大きさを知る。

無事帰れた?とメールした人の返信が無くて心配してたのだけど、他の人からその人の安否を聞く。無事ならそれで良いんですが、なんでこういうときに返信してくれないんだろと少し頭にきた。でもこういうのって気持ちの押しつけになるから怒るところじゃないんだろうな。非常時には正直なところが出るというし、その人には私がそれだけの順位だったということだ。

週末は、ずっと寝たり起きたり。ネットやニュースで情報を拾って、「どうしよう。何かやらなきゃ」と焦っていた気がする。

月曜日。とりあえず会社に行く用意をしたが、電車が混むだろうと1時間早く家を出る。にも関わらず駅を1km以上取り囲む人の列。駅構内に入れないで待っているらしい。電車も30分に一本ということだし、もう無理だろうと早々にギブアップの電話をいれた。一応、JRではなく私鉄もトライしたけど、「今は動いているけど帰宅時間時はわかりません」という片道切符。そんなの無理無理。

火曜は仕事に行ったのだけど、水曜日以降は放射線の影響を鑑み、女性は自宅待機となる。でも携帯は常に持ってろと、日に3回の定時連絡あり。軟禁生活の開始。携帯で仕事メールを見るも、ちまちまと携帯を打つのでは仕事にならないし、かといって外に気晴らししにいくわけもいかず、twitterのTLを眺めていると暗いニュースばかりだしで、ものすごく気持ちが落ち込んだ数日を過ごした。

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2011.03.11 東北関東大震災

20110311.jpgこのとき私は普通に仕事をしてて、会社のKさんに何か仕事の頼みごとをしていた。

なんかゆらゆらときた。お、地震だと思ったけど、すぐ治まるかなと思っていた。続けて話そうと思ったけど、新宿ビルの13Fの揺れが半端ない。ぺたんと床に足をついた。やばい、立ってられない。

「なんか揺れがすごくない?怖いよー」と言って机に潜っていたけど(しかし頭が外に出ているという中途半端ぶりだった)、揺れがおさまらない。立て続けにいくつか波がきてる。なんかすごく大きいと思ったけど、津波のことはまったく考えもしなかった。海から遠いところで生活してるからだろうか。

話してたKさんは関西出身で、「怖いよー」と言ってた私に「阪神淡路のときはそんなこといってる余裕もなく縦揺れがきたからね」と頭にコートかぶる程度の余裕だった。関西の人は色々経験してるのかと思ってちょっとだけ尊敬した。

一度治まってから自分の机に戻ったけど、少し手が震えてた。ビルの上だから余計に揺れたんだと思う。会社の男性陣はいっせいに家庭に電話をかけていた。でもつながらないみたいで、何度もリトライの嵐。私も実家に電話してみたけど、つながらないのでとりあえずメールだけした。

電車の混雑が予想され、自宅近くの人が早めに帰るというので情報だけちょうだいとお願いする。その日はちょっと終わらせないといけない仕事があったので、もともと残業する予定だった。定時だと電車が混雑してダメだろうなあと思っていたら、案の定、先発隊からは歩きとの連絡。隣の席の人も、「じゃあお疲れ」と颯爽と3時間コースの歩きに行ってしまった。しかし私はヒールで4時間も歩く気にならなかったので、しょうがないと会社に泊まる気になる。

会社はエレベーターが止まり、非常食が配られる状況。20時ぐらいまで仕事してたんだけど、もう集中力も落ちたし、飽きたと思って、そのあたりを探検しようとサンダルのまま階段を下りる。正直13Fからの階段は遠かった。そして近くのコンビニは軒並み全滅。5件ぐらいは回ったけど、ほとんど空。甲州街道沿いに人々が歩いて移動しているのが印象的だった。ちょうど品だしをしているドラッグストアがあったので、そこで少々の食料を買って帰還。13Fまで階段登るのがつらかった。こういうとき高層ビルは不便だ。

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Twitterと人の距離

タイトルに意味はないです。

3月前半は、友達からの誘いを「週末の一日出かけると一日は引きこもりたい」とか、そんな理由で断ったりしてました。今考えると俺様思考ですね。その節はすみません。

帰宅時に Twitterでつぶやいてると「暇?」と誘われるのが連続であったのが面白かった。みんな外に出たい時期なんだ!春なんだ!と思ったりして。

*実際はそんな理由ではなく「同じ気分の人がいた!」(そのときは怒ってた)とか「お腹すいた」だったんだけどね。

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野田地図 南へ@池袋

20110305.jpg NODA・MAP 第16回公演

南へ@東京芸術劇場

  • 南のり平/ノリヘイ – 妻夫木聡
  • あまね/アマネ – 蒼井優
  • 里長/サトオサ – 渡辺いっけい
  • ミハル/ハルミ – 高田聖子
  • (略)
  • VIP/役行者 – 野田秀樹

15回に続いて16回も誘ってもらったので行ってきた。

前評判(?)どおり、蒼井優と妻夫木くんが似すぎてて笑った。蒼井優がショートカットにしたからですね。

構成がなんか前回と同じような感じ。二つの世界を行ったりきたりで、ちょっと説教くさいところもあり。そういうのが野田さんのなかでの流行なのかしら。

今回気づいたのは、暗転がないのに場面転換がうまいということ。他のものに気をとられていたら、いきなり人が現れて驚いた。こういうのが演出が上手いってことなのかな。

蒼井優は悪くはないけど、気が強そうだなあと感じた。もうちょっとかわいい役だったら違った感じなのかもしれない。妻夫木くんは草食系男子の役は似合うけど、他はどうなんだろうと思った。しかし最後の日本兵は私には違和感。

ちなみに彼が「つまぶき」くんだというのを、この日に知った。あぁ!音はきいたことあるんだけど、この人がつまぶきくんなんだ。へー。と、友達に言ったら、「どれだけ世間を知らないんだ…」とドン引きされた。

えー……みんなこの苗字読めるの?

チーズとワイン@村瀬

20110304.jpg実にこのお店訪問は6年ぶりぐらい。

私がMZに行く前に、友人と来たのでした。その友人が久々に行かない?と誘ってくれました。

私はワインなら赤が好きなんだけど、最近は弱くなってしまって、ボトル半分も飲むとかなり酔ってしまうのです。べろんべろんになります。これはTwitterに自動書記(記憶がないツイートをする)してしまうかと危惧したので、友人にも「もう大人だから、私はグラス3杯にします。これ以上飲むようだったら止めて」と宣言しておいた!(意味なかったんだけど)

このお店はチーズとワインのお店なのですが、私も友人もそれらの料理が大好きなので、二人で「美味しいねー」「幸せだねー」と顔を見合わせて始終ニコニコしてた。もうね、会話はそれだけしかしてないんだけど、幸せって探せば近くにあるんだなあってくらいの幸せぶりでした。

気づけば隣の席の人が、友人の会社の人だったりして(顔見知りではないけど)驚きの一幕もありましたが、合言葉は「腹八分目」で、もう一杯飲みたい!けどこのあたりでやめておこう、とほろ酔いレベルで終わらせられたのは、私たちも大人になったということでしょうか。(でも結局、グラスで5杯ぐらいだったと思う)

またお金を稼いだら、訪れたいと思います。同じものを好きな友人に感謝!

『ずっとやりたかったことを、やりなさい。/ ジュリア・キャメロン』

ずっとやりたかったことを、やりなさい。 ずっとやりたかったことを、やりなさい。
ジュリア キャメロン Julia Cameron
サンマーク出版 2001-04

内容(「MARC」データベースより)

毎日の繰り返しに、埋もれた自分。そろそろ起こしてみませんか? 実験と観察からなる単純な科学的アプローチによって、創造的に生きる方法を明らかにし、自分のいろいろな側面との出会いを導いていく。
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なんで読んだのか忘れましたが、「創造性を取り戻す12週間のプログラム」というのに惹かれたんだっけな。ちょっとスピリチュアルな本です。

創造力って(not imagine)、人間独特のものだと思うのです。何かを作ることって楽しいですよね。文章を書いたり、料理したり、プログラムしたり、そういう創造力のことなんだけど。訳本なので、アーティストと訳していたけど、誰でもアーティストなわけで、そのアーティスト性を引き出すワークショップの内容でした。

その内容とは、モーニングページとアーティストデート。モーニングページというのは、毎朝真っ白なノートに3ページ、思いを書き綴るというもの。何でもいいんだって。途中で「なんでこんなことしてるんだろう」と思うらしいけど、それでも続けていくと自分との対話が深まって感性が鋭くなってくるとか。アーティストデートというのは、自分のなかのアーティストな部分とデートをしようというもの。一週間に2時間ぐらいそういう時間をとって、展覧会や水族館とか音楽などを体験する。

モーニングページによるアウトプットと、アーティストデートでのインプットで、感受性を高めていくということなのかね。

ちょっと面白そうだから、ノートを買おうと思ったんだけど(←そこから?!)朝早く起きてノートに向かう時間を作るのが無理かなあと思ってやめた。でもアーティストデートというのはなんかいいなと思いました。

忌野清志郎 有賀幹夫写真展@吉祥寺

20110226.jpg別にこれを観に行ったわけではなく、たまたまやっていたので観た。

80年代のRCサクセションの時代から、ライブの写真、数多くの仲井戸麗一とショットなどがあった。清志郎というと、髪をたててるあのイメージが強かったんだど、おろしているショットを見ると、非常に柔和な感じで、彼はロックミュージシャンとしては珍しく(?)優しい人だったんじゃないかしら。

そして今聴くと、とってもタイムリーなRCサクセションのSUMMER TIME BLUES。原発反対の歌として当時は話題になっていたけど、こういう状況になると色々考えることがある。

20分ぐらいのライブ映像を流していたんだけど、ストーンズの Ruby Tuesdayを歌っていた彼はとっても格好よくって、あぁ本当に亡くなったなんだなあと思って寂しくなった。早すぎた。

トランジスタラジオを聴くと、今でも高校時代の鬱々とした感じを思い出す。

『9割がバイトでも最高のスタッフに育つディズニーの教え方 / 福島 文二郎』

9割がバイトでも最高のスタッフに育つ ディズニーの教え方 9割がバイトでも最高のスタッフに育つ ディズニーの教え方
福島 文二郎
中経出版 2010-11-25
出版社からのコメント

昨年、過去最高益を出したディズニーランドでは、9割のスタッフが正社員ではなく、アルバイトでアトラクションを運営しています。
しかし、アルバイトでも最高のサービスを提供し、ディズニーランドは他の遊園地とは異なる、そして不況にも負けないブランド価値をつくりあげていますが、その背景には徹底したディズニーの社員教育システムがあります。(略) 「社員教育」をテーマにディズニーの人材教育方法を紹介しながら、一般の会社でも活用できる社員教育のコツとポイントを解説します。
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誰か私と一緒にディズニーランドに行きません?!

この本を読んだ理由は別に私がマネージメントをやるというわけではなく(私は自分の性格が直らない限り、マネージメントは無理だと思ってるし、誰かの補佐というのが自分にはあっていると思ってます)、単純にディズニーのスタッフってアルバイトであれだけのクォリティを保っているの?と題名に驚いたから。

私自身、今の職場って派遣なんですけど、自社じゃないのってやっぱりモチベーションが下がるわけです。いくらがんばったところで自分の会社じゃないし、なにか先につながるわけでもないし。それがアルバイトならなおさらだと思うんですが、ディズニーランドのスタッフって「やるきの無さ」を感じないし、みんなキビキビ動いてるし、楽しそうだし、すごいなあと思うわけです。その仕組みが書いてありました。

それは先輩がどのように後輩を指導するかということにあったんだけど、アルバイトの人から現場を変える提案が出てきてそれが実行されている職場というのはすごいと思う。後輩を見て、認めて、褒めたりダメだししたり、指針を示してあげるというのは基本的なことなんだろうけど、人が育つというのはそういうところからなんだろうなあ。

あと「人は先輩からされたことをそのまま後輩にする」というようなことが書いてあって、そのとおり…と思ってしまいました。たとえば、手順のわからない部署に配属されて自分が自力で仕事を覚えたとします。次に入ってきた人に、自分が教えるとすると「これはマニュアルないんだけど、まぁ数こなせば覚えられるからー」とか言ってしまうわけです。負のスパイラルですね。反省だな。

企業としてのディズニーという側面を捉えられたのが面白かったです。これは本当にx年ぶりにディズニーランド行きたいなあと思いました。企業努力としてどのようなことをしているかという視点でみてみたい。

でもさすがにここは一人じゃつらいのが難しいところなのよね。夢の国だからなあ……。