『探偵ガリレオ / 東野 圭吾 』

探偵ガリレオ (文春文庫) 探偵ガリレオ (文春文庫)
東野 圭吾
文藝春秋 2002-02-10
内容(「BOOK」データベースより)
突然、燃え上がった若者の頭、心臓だけ腐った男の死体、池に浮んだデスマスク、幽体離脱した少年…警視庁捜査一課の草薙俊平が、説明のつかない難事件にぶつかったとき、必ず訪ねる友人がいる。帝都大学理工学部物理学科助教授・湯川学。常識を超えた謎に天才科学者が挑む、連作ミステリーのシリーズ第一作。
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──「物理」で「天才科学者」ときたら読まねばならない気がした。

しかし福山くんでドラマ化されたんでしょ?みんちゃんが「ドラマの福山くんは格好いいよ」と言ってたけど、解説を先に読んでしまい、すっかりイメージが佐野史郎で動いてしまった(文庫本の解説を佐野さんがやってて、彼曰く作者は自分をモデルに湯川助教授を作成したとのこと)。

どっちかというと湯川助教授は佐野さんのほうがあってそうな気がする。そして助手役はドラマでは女性がやってるのね(柴崎コウだっけ?)。原作は男性だっただけに、これをどう処理したんだろうか。ドラマはやはりドラマか…。

内容についてですが、トリックもキャラの個性も弱いけど科学を使ったトリックという意味では新しい感じがしたよ。どうせなら湯川助教授はもっと性格の悪いひねた感じにしてくれたほうが面白かったのだが。

しかし超伝導とか出てきて、こないだの未来科学館を思い出した。科学はいいねえ。科学は。

『そして誰もいなくなった / アガサ・クリスティ』

そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
Agatha Christie 清水 俊二
早川書房 2003-10
内容(「BOOK」データベースより)
さまざまな職業、年齢、経歴の十人がU・N・オーエンと名乗る富豪からインディアン島に招待された。しかし、肝心の招待主は姿を見せず、客たちが立派な食卓についたとき、どこからともなく客たちの過去の犯罪を告発してゆく声が響いてきた。そして童謡のとおりに、一人また一人と…ミステリの女王の最高傑作。
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この古いミステリーを読み直した動機がかなりヲタクっぽいのは先に謝っておく。

巷を騒がしている(いない?)東方Projectという総称の弾幕シューティングがあるんだけど、そのゲーム曲に「U.N.オーエンは彼女なのか?」という題名の曲があるのね。(→ちなみにこれ

その U.N.オーエンは、この本に出てくる登場人物だという話を聞いて、ドイルやクリスティは幼い頃に読んだはずなのだが覚えていないので読み直した。しかしまったく記憶になかったので、幼い頃の私は読んでなかったことが判明。うわー、ミステリー好きを語っておいて、この古典を読んでいなかったとは恥ずかしい!発行が1939年とあるんだけど、こんな昔から密室・連続・見立て殺人という本格推理の根幹をなすような仕組みがあったとは。クリスティ女史、すごい。

U.N.オーエンさんは Ulick Norman または Una Nancy Owen さんで、頭文字をとって U.N.Owen 転じて UNKNOWN(どこのものともわからぬもの)だそうです。アンノウン!そうだったのか!内容のほうは、翻訳だからか文章が固くってちょっと読みにくかったんですが、あの時代の作品でこのどんでん返し。うーん、先駆者は何でも偉いよ。

そして邦題はこんなタイトルだが、原題が TEN LITTLE NIGGERSだということに驚いた。全然違うがな。でも「十人のインディアン」だったら売れなかったかもね。

『ヒュウガ・ウィルス―五分後の世界〈2〉 / 村上 龍』

ヒュウガ・ウイルス―五分後の世界〈2〉 ヒュウガ・ウイルス―五分後の世界〈2〉
村上 龍
幻冬舎 1996-04
内容(「MARC」データベースより)
点状出血、内臓溶解、骨格筋の爆発的なケイレン。信じ難い致死率の出現ウイルスは何を象徴しているのか。ずれた時空の日本を襲う生存への最大の試練。世界人類が迎えた「最期の審判」を刻む衝撃。「5分後の世界」続編。
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前回が面白かったので、続編も読みました。

しかし前回の登場人物ではなく、世界が同じだけの違う話。こちらのほうが肉体的にぐしゃぐしゃになる描写が多くて、少しグロかったかな。相変わらず、UG兵士のストイックぶりに目がハートでした。あの沈着冷静ぶり、格好よすぎる。

そして内容についてですが、私はオチにもう数ページ費やしてくれても良かったんじゃないかと感じた。言いたいことはわかるけど、正直ポカーンだったよ。あとウィルス描写は流して読んでいたので、その方面に詳しい人だったら登場人物の行動などにリンクする部分があったのかもしれませんね。

まぁこのシリーズは前作だけで良かったんじゃないかとも感じましたよ。

『ビッグバン宇宙論(下) / サイモン・シン』

ビッグバン宇宙論 (下) ビッグバン宇宙論 (下)
サイモン・シン 青木 薫
新潮社 2006-06-22
内容(「MARC」データベースより)
悠久の過去に生まれた宇宙誕生の証拠を探せ-。古代から20世紀に至る天才たちの知的格闘の歴史、壮大なるドラマを描く科学ノンフィクション。下巻では、ビッグバン宇宙vs定常宇宙の論争、パラダイム・シフトについて収録。
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やっと読了。いやぁ宇宙の壮大さを感じられた良本でした。

上巻は宇宙は膨張しているという事実発見で終ったんだけど、今度はその観測結果を元に、ビッグバンと定常宇宙の論争について。結果はビッグバンが(今のところ)正しいとされているけれども、それを証明するために銀河の年齢を計算したり、重い元素がどう出来たか考えたり、ビッグバンの最初の頃に起こった”こだま”を捕まえたり、密度のゆらぎを観測したりと、どのようにビッグバン説を後押ししたかという内容。

すごいなあと思うのは、理論を考えてもデータがなければ科学にはならず、観測だけで理論がなくても駄目でその両方があってようやく事実として認識されるということ。ビッグバンが否定されていたころに宇宙創造時の光のこだま(宇宙マイクロ波背景放射)があると予言してて(でも、そのころは測定能力が低く検出されなかった)、それで実際それがあったこと。このCMB放射は最初雑音だと思われてたのだが、それを機器の不具合や周りからの音だと切り捨てずに、発生源を丹念に調べ続けた学者根性が偉い。

ジョディ・フォスター主演の「Contact」という映画を先日テレビで観たんだけど、科学者の彼女はでっかいアンテナの横でヘッドフォンをして宇宙からの音を聴いてたのね。どうしてその雑音みたいな音を拾うんだろうと疑問に思っていたんだけど、宇宙が音をだしているとは!!(彼女は宇宙人を探したくて科学者になってたんだが) 銀河からのメッセージ、なんかロマンだ。

宇宙について考えると地球上のこと、ましてや自分の身の回りのことなんてずいぶん小さなことだと思える、そんな宇宙のでかさが大好きです。

科学で耳にするもっとも胸躍る言葉、新発見の先触れとなるその言葉は、「ヘウレーカ!(私は発見した!)」ではなく「へんだぞ……」だ。

   アイザック・アシモフ

国宝薬師寺展

20080524.jpg平城遷都1300年記念国宝薬師寺展に、いつもどおりのみんちゃん(友人)と行ってきました。

なんと薬師寺の日光・月光菩薩が上野に来て、普段は背負ってる光背を外して360度鑑賞できるというスペシャル企画なのだ。これは仏像好きにはたまらんと思う。

混んでるのが嫌いなので、空いてるといわれた15時半ぐらいに会場に行ったんだけど入場まで40分待ちだった。ここはディズニーランドか。ファストパスを発行するべきだ。

さて展覧のほうだが、目玉の仏像二体は良いお顔をされておられましたわー。日光のほうが好きな感じだった。顔と腰と足でS字のような形を取るのが三曲法というんだって。これで優美さをだすんですね。日光と月光、微妙に小物の模様とか違っていてステキであった。ちらほらと両手をあわせて拝んでらっしゃる方もあって、やはり彫刻だけではない、仏としての力強さも感じたよ。

他の展覧物も時間と空いてたら結構内容がある良いものだと思うのだけど、いかんせん混んでたので私はかなりスルーした。八幡三神坐像という国宝の像があったんだけど、興味も惹かれないので、ふーんと過ごしたら後で国宝と知って愕然。あんなちんちくりんの像が!!

常設展なども流してちらちらと観たけど、時間が無くてちゃんと観られなかった。広すぎたよ!!上野!!しかしさすがは国立博物館。国立に収まっているものって、小物の道具でも普通のとは違う気がした。なんといっても高そうだ。

またゆっくりと上野リベンジしたいなあと思った雨の帰り道でした。

『INDEPENDIENTE / Dragon Ash』

INDEPENDIENTE(初回限定盤) INDEPENDIENTE(初回限定盤)
Dragon Ash 大蔵 SHINJI TAKEDA

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ドラゴンアッシュって幅の広い音楽をやるグループだなあとつくづく思った。ロックから始まってヒップホップときて、たまにポップなのもやりつつ、このアルバムはラテンですかと。

ふと思ったんだが、曲をラテンに感じるのって実際はどの部分なのかなあ。リズム?ギター?楽器?よく考えるとわかんない。自分でラテンのリズムをとってみろと言われると打てないし。

アルバムに対する個人的感想は可もなく不可もなくでした。よくラテンでここまで作ったなと感心はするけどツボというほどではないんだな。しかし一曲選ぶなら Libertad de fiesta でした。

『alfred and cavity / the band apart』

alfred and cavity alfred and cavity
the band apart

ASIAN GOTHIC 2006-10-04
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バンアパはやっぱり上手いなあ。一番最初にこのバンドを教えてくれたのは大学の後輩だったけど、いやあ本当にいいバンドを教えてもらった。一回夏フェスで生演奏を見たけど、普通に上手かった。すごい。一回ライブ見てみたいなあ。

さてアルバムですが、ほんとにリズム隊が格好いいですね。ジャッと弾いたあとの無音の間(なんて言うんでしょ?)が効いてるんだわ。あと変則的なリズム(4ビートとか8ビートでない)のがステキ。しかし特に、曲同士が似てるというわけじゃないのにアルバム内のお気に入りな曲が出てこなかった。一曲一曲は聴きこむほどに良い曲なんだけども。

今調べたら、新しいアルバムがもう出てるみたいだ。欲しい。

『ワルツを踊れ / くるり』

ワルツを踊れ Tanz Walzer ワルツを踊れ Tanz Walzer
くるり 岸田繁

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さすがくるり。安定したアルバム作りですね。私としてはそんなに名盤だと思わなかったのですが、普通に聴けるアルバムだったと思います。自分のなかでスマッシュヒットがアルバム内になかったからかしら。

オーケストラとの競演ということですが、くるりにはストリングスが合う気がしたよ。

「ハム食べたい」という曲は矢野顕子の「ラーメン食べたい」に通じると思ったんだけどどうだろ。「♪ハム~食べ~たい 桃色のハム食べたい~」という気持ちは外国に居たときに心底思った。あの安っぽいピンク色のハムにマヨネーズつけて食べるのが美味いのだ。一番好きな曲はブレーメンだったかな。

『ON / BOOM BOOM SATELLITES 』

ON ON
ブンブンサテライツ BOOM BOOM SATELLITES

ソニーレコード 2006-05-17
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前作(なのかな?)のアップルシードの主題歌になった Dive for youとか好きだったんですが、それはポップだったからだと思う(私が好むくらいだから)。しかし、このアルバムも結構ポップになってて驚いた。昔のブンブンのイメージって低音ドンドンなテクノサウンドだったんですけど。

や、悪くなかったです。でもポップになった(ロックになった?)分、ボーカルの歌い方の↑↓が気になってきた。ちょっとつんく系の裏声出すんだよね。そしてライブを見たときの印象で、いつまでたっても彼らをACCESS(キーボードの彼を大ちゃんと呼んでしまう)と連想してしまう癖はどうにかしなければファンの人に怒られそうだ。

『Musical / クラムボン』

Musical Musical
クラムボン

Columbia Music Entertainment,inc.( C)(M) 2007-05-23
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そろそろ音楽についても書いていかねば忘れるので記録してくよ。これは帰国後みんちゃんに借りたなかの一枚。後述するCDもかなり借りたものです。2年間の穴埋めだね。

クラムボンは相変わらずクラムボンでしたね。意外にミトくんがボーカル多く取ってて驚いた。上手いわけじゃないけど、味があるような気がする。「Bass,Bass,Bass」 とか耳に残ったよ。Dance! So funny のあたりとか。

もうクラムボンは彼らなりの立位置をつかんだ気がしますよ。