『そして誰もいなくなった / アガサ・クリスティ』

そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
Agatha Christie 清水 俊二
早川書房 2003-10
内容(「BOOK」データベースより)
さまざまな職業、年齢、経歴の十人がU・N・オーエンと名乗る富豪からインディアン島に招待された。しかし、肝心の招待主は姿を見せず、客たちが立派な食卓についたとき、どこからともなく客たちの過去の犯罪を告発してゆく声が響いてきた。そして童謡のとおりに、一人また一人と…ミステリの女王の最高傑作。
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この古いミステリーを読み直した動機がかなりヲタクっぽいのは先に謝っておく。

巷を騒がしている(いない?)東方Projectという総称の弾幕シューティングがあるんだけど、そのゲーム曲に「U.N.オーエンは彼女なのか?」という題名の曲があるのね。(→ちなみにこれ

その U.N.オーエンは、この本に出てくる登場人物だという話を聞いて、ドイルやクリスティは幼い頃に読んだはずなのだが覚えていないので読み直した。しかしまったく記憶になかったので、幼い頃の私は読んでなかったことが判明。うわー、ミステリー好きを語っておいて、この古典を読んでいなかったとは恥ずかしい!発行が1939年とあるんだけど、こんな昔から密室・連続・見立て殺人という本格推理の根幹をなすような仕組みがあったとは。クリスティ女史、すごい。

U.N.オーエンさんは Ulick Norman または Una Nancy Owen さんで、頭文字をとって U.N.Owen 転じて UNKNOWN(どこのものともわからぬもの)だそうです。アンノウン!そうだったのか!内容のほうは、翻訳だからか文章が固くってちょっと読みにくかったんですが、あの時代の作品でこのどんでん返し。うーん、先駆者は何でも偉いよ。

そして邦題はこんなタイトルだが、原題が TEN LITTLE NIGGERSだということに驚いた。全然違うがな。でも「十人のインディアン」だったら売れなかったかもね。