森美術館LOVE展―アートにみる愛のかたち―

20130712.jpeg友人が割引があるというので、観覧。

いろんなアーティストの、Loveにまつわる作品を展示するという趣旨でした。まあ、前衛芸術も混ざっていたので、「……うーん?」と首を捻ったりもしたのだが。

来場者がマイクに好きなものを言って、その音声を加工して歌にするという作品があったのだけど、友人が「ビール大好き♪」と吹き込んだら、”ビール大好き”の歌が館内に流れたのが一番笑った。さすがです。

写真は、さすがの草間さん。これはLove…なのだろうか。タイトルは《愛が呼んでいる》でした。

時間があったので屋上の夜景も堪能。ちょうど雷雲がきていたので雲がピカピカ光って、東京タワーがあってなんだか不思議な光景だった。

ドイツビール飲んで帰宅。金曜の夜に美術館というのもいいもんだなあ。

『攻殻機動隊ARISE -GHOST IN THE SHELL-』

20130701.JPG会社帰りに攻殻機動隊の新作を観にいった。

新宿バルト9は指定席なのが楽でよろし。

内容について。コーネリアスの音楽は攻殻にはちょっとゆるい感じがした。もっとぐわぁーっとがーっとしたほうが、盛り上がるのであうと思うんだけど。

素子の声が意外に違和感なかったので良かった。あと時間も1時間にしては、内容もまとまっていたし。4部作だそうなので、続きがでたらまた観にいこうっと。

フランシス・ベーコン展

20130524.JPGベーコン展、26日までだったので、駆け込みセーフ。先日会った友人のRenateも「日本に来るのは珍しいからぜひ観ておいたほうがいい!」と力説してました。

とにかくパワーを感じた作品たちだった。それが快か不快か表現できないんだけど、圧倒される。

ベーコンは独学で絵画を学んだらしい。あとゲイ。写真の絵は彼の恋人だった人だけど、奇妙に歪められて黒い穴が空いている。

また彼のアトリエの写真があったんだけど、これまたすごい。ごちゃごちゃ。写真などを元に絵を描いたらしいけど、その写真もわざと折り目をつけたり、ぐちゃぐちゃにする。その線や汚れが絵に表れされたりしてるらしい。

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『sakanaction / サカナクション』

sakanaction (通常盤) sakanaction (通常盤)
サカナクション
ビクターエンタテインメント 2013-03-13
メディア掲載レビューほか

男女5人組バンド、サカナクションの1年半ぶり(2013年時)となるアルバム。ドラマ『37歳で医者になった僕~研修医純情物語』主題歌「僕と花」、2012年度モード学園(東京・大阪・名古屋)TVCMソング「夜の踊り子」他を収録。 (C)RS

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そういえば音楽を全然記録していないなと思ったので、メモ。

サカナクションは近年好きなバンドなんだけど、ボーカルの山口くんが言うところの 「マジョリティのなかのマイノリティ」を追求する姿勢がブレないですね。「一般に売れる」ということで、多くの人に自分たちの音楽を聴いてもらい、音楽の可能性を伝えたいという姿勢。

メジャーに売れてるのに、山口くんの音楽に向き合う真摯な姿勢にはうーむと唸っています。

『走りながら考える / 為末 大』

走りながら考える

走りながら考える
為末 大
ダイヤモンド社 2012-11-23

内容(「BOOK」データベースより)

Twitterフォロワー12万人!考えるアスリート”為末大”強い自分の作り方。勝利、挫折、限界…もがき苦しむなかで気づいた本当に大切なこと。

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「夢を持ちなさい。たぶん叶わないけど」

為末さんは元陸上競技選手、ハードルで世界三位になった人です。彼のTwitterでの発言を見ていて、この人は私と近い考え方をするなあと思ったので、読んでみたら本当に似ていた。そして私がもやもやと思っていたことを言語化してくれており、「ああ、そういうことかもな」と腑に落ちた。

人によってはネガティブと捉えるのかもしれない。しかし、現実というものを直視して、そのなかで自分がいかに闘うか(生きるか)ということを、一種悟りに似た観点から淡々と語る内容は彼のアスリート人生を通して得られたものだ。

いろいろと面白いことが書いてあったけど、今の自分にはこれだ、と思ったのは 「残念ながらほとんどの人生は負けで終わる」ということ。何を勝ち負けとするかもあるけども、競技の世界では一位以外は敗者ともいえる。そしてその一位は瞬間的である。とすると、ほとんどの人間は一位にはなれない。私は特に勝ち負けがあった人生ではなかったけど、この歳になると見えてくる着地点というのがあって、決して自分はスーパーマンではなく、何でも出来るというわけではない現実が見えてくる。彼はそれを「緩やかな挫折」と評していたけど、「人生は、その緩やかな挫折を受け入れることであり、人生、最後は負けで終わる」というのに、ああそうかもなと思った。自分はこの挫折感と現実を摺りあわせる時期にいるんだろうな。

ただ、負けと幸福感は別のところにあるという話が続くので、負けの人生だから不幸せというわけではないのです。そうなんだよなー、うんうん。

『レーン最後の事件 / エラリー・クイーン』

レーン最後の事件 (角川文庫) レーン最後の事件 (角川文庫)
エラリー・クイーン 越前 敏弥
角川書店(角川グループパブリッシング) 2011-09-23
内容(「BOOK」データベースより)

私立探偵サム元警視を訪れた奇妙な七色の髭の男。何百万ドルもの価値がある秘密に繋がる手がかりの入った封筒を預かってほしいというその依頼が、一同をかつてない悲劇へと導いていく。消えた警備員の謎、シェイクスピアの貴重な稀覯本すりかえ事件、不審な愛書家、そしてサムの美貌の娘ペイシェンスに危機が迫る時、元俳優のレーンの推理は…?!いよいよクライマックスを迎えるドルリー・レーン四部作、新訳完結編。

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読み続けた悲劇四部作。ついに最終巻。こうきたかー!というラスト。

なるほど、これはX、Y、Zと読まないと面白みがない。そしてシリーズ通じて一種の雰囲気があるのがいい。シェークスピア劇の老優ドルリー・レーンの舞台だ。相変わらず、ペイシェンスにイラっときてしまったけど(絶対、襲撃されるだろう!とか)、でも世代交代ってこういうことなのかも。

しかし、どこかで読んだミステリーのネタが入っていて、そうか、私がかつて読んでた日本の本格推理といっても、元ネタはこのあたりなのかなと思った。オリジナルは1930年代に書かれてるらしいが、今でも十分楽しめる内容であった。

『シュガーマン 奇跡に愛された男』

20130405.JPG「これは現代のおとぎ話だ」とどこかの批評にあったような気がするけど、まさしくそんな感じ。

彼、ロドリゲスは1970年代にデビューするもアメリカでは全然売れずにシーンから姿を消す。しかし、南アフリカではアパルトヘイトのなか一大ムーブメントを巻き起こしていた。彼についての情報は全く無く、噂ではステージで銃自殺をしたとのことだった……。

結末は言わないほうがいいと思うんですけども、このドキュメンタリーはかなり良かった。こういうことってあるのか。何かのきっかけで人生ってずいぶんと変わるんだろうけど、ブレない自分を持っている人というのはとても素敵に見える。

彼の音楽も良かった。確かにボブディランに被る部分はあるんだけど、もうちょっと庶民(というか下層部?)寄りな気もした。そして出てくるモータウンのおっさんがマフィアさながらに悪そうな人で、70年代モータウンのイメージが変わった。

なんでアメリカで売れなかったのに、南アフリカであんなに売れたのか。音楽は普遍なのかそうじゃないのか。彼は南アで売れてアメリカで売れないことはどう思ったんだろう、などとつらつらと考えた。

『Zの悲劇 / エラリー・クイーン』

Zの悲劇 (角川文庫) Zの悲劇 (角川文庫)
エラリー・クイーン 越前 敏弥
角川書店(角川グループパブリッシング) 2011-03-25

内容紹介

黒い噂のある上院議員が刺殺され、刑務所を出所したばかりの男に死刑判決が下されるが、彼は無実を訴える。サム元警視の娘で鋭い推理の冴えを見せるペイシェンスとレーンは、真犯人をあげ彼を救うことができるのか
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ドルリー・レーンの悲劇4部作の三部目。

あー、これはあれだ。森博嗣先生でいうところの萌ちゃんパターンだ。ということで、サム元警視の娘さんが推理してたんだけど、やっぱりミステリーの女探偵はちょっと苦手。

レーンがずいぶんと歳とってきたイメージだった。内容としては前作にくらべ割と地味なのよね。推理の手がかりが消去法らしいんだけど、結果がわかってもふーんというところだった。

次で最後のシリーズ。さて、どうなるのかな?

物を創りだす人

20130322.JPGここのところ縁があるスパイスコーディネーターが、彼女の友人たちとギャラリーで手作りのものを販売するというので、会社帰りに寄ってきました。

ギャラリーを借りて、いろんなものを販売してたんだけど(彼女はスパイス石鹸。食べられるものだけで作る、というのがテーマにあるらしい)、物を創り出せる人ってすごいなーと感服しました。自分だったら買うようなものを作れるなんて!

でもなんにせよ、創る(生み出す)ことって楽しいよね。それが文章であれ、料理であれ、お裁縫や日曜大工でもさ。創造性って人間の本性と繋がってるのかしらと思った。何で創るのって楽しいんだろ?

せっかくなので何か買って帰ろうと思い、写真中央のぬいぐるみのワンちゃんと友人作成のクローブ石鹸を頂いてきました。このぬいぐるみ、フェルトも縫製もしっかりしてなかなか可愛いのよ。Normalな柄を選んだので、ノルちゃんと密かに名前をつけて可愛がっております。

『negative:noting / 全てはその一歩から』

20130316.JPGスイスの旅行会社の日本担当として働いていたトーマスさん、震災以降キャンセルが相次ぎ、仕事が激減した。「欧州で、日本全体が放射能に覆われたといった誤解が広がった。汚染地域は限られていて、日本のほとんどの場所は安全で健全だと示したかった」と思い、北海道から鹿児島まで歩いて縦断し、旅のブログを世界に発信した。そんな彼のドキュメンタリー映画。

強いメッセージ性も無ければ、出てくる人も日本の田舎の人。写真とそのエピソードと、いくつかのインタビュー。でもその何でもない感じが、「普通の人の善意が集まって出来た」と思わせるような映画だった。

彼が福島に行く途中のタクシーのなかで運転手と話した内容に 「いまどき、他の国のためにそこまでやってくれる人、日本人でもいないよ!すごいねえ~」「そうですか?でも私にとっては自然なことです」というのが真髄だったか。外国の人が日本のためにここまでやってくれることが純粋に嬉しい。また外国の人だからこそ、彼に見えてる日本の良さというものがあったのかもしれない。

題名の意味は、彼がブログに書いていた文章から。良いことと悪いこと。雨が降っても、膝が痛くても、「今日も悪いことは無かった」という彼のポジティブな考え方も素敵だった。

positive: 人の善意ってあるんだなあと、”ほっこり” とした気持ち

negative: nothing