「これは現代のおとぎ話だ」とどこかの批評にあったような気がするけど、まさしくそんな感じ。
彼、ロドリゲスは1970年代にデビューするもアメリカでは全然売れずにシーンから姿を消す。しかし、南アフリカではアパルトヘイトのなか一大ムーブメントを巻き起こしていた。彼についての情報は全く無く、噂ではステージで銃自殺をしたとのことだった……。
結末は言わないほうがいいと思うんですけども、このドキュメンタリーはかなり良かった。こういうことってあるのか。何かのきっかけで人生ってずいぶんと変わるんだろうけど、ブレない自分を持っている人というのはとても素敵に見える。
彼の音楽も良かった。確かにボブディランに被る部分はあるんだけど、もうちょっと庶民(というか下層部?)寄りな気もした。そして出てくるモータウンのおっさんがマフィアさながらに悪そうな人で、70年代モータウンのイメージが変わった。
なんでアメリカで売れなかったのに、南アフリカであんなに売れたのか。音楽は普遍なのかそうじゃないのか。彼は南アで売れてアメリカで売れないことはどう思ったんだろう、などとつらつらと考えた。