スイスの旅行会社の日本担当として働いていたトーマスさん、震災以降キャンセルが相次ぎ、仕事が激減した。「欧州で、日本全体が放射能に覆われたといった誤解が広がった。汚染地域は限られていて、日本のほとんどの場所は安全で健全だと示したかった」と思い、北海道から鹿児島まで歩いて縦断し、旅のブログを世界に発信した。そんな彼のドキュメンタリー映画。
強いメッセージ性も無ければ、出てくる人も日本の田舎の人。写真とそのエピソードと、いくつかのインタビュー。でもその何でもない感じが、「普通の人の善意が集まって出来た」と思わせるような映画だった。
彼が福島に行く途中のタクシーのなかで運転手と話した内容に 「いまどき、他の国のためにそこまでやってくれる人、日本人でもいないよ!すごいねえ~」「そうですか?でも私にとっては自然なことです」というのが真髄だったか。外国の人が日本のためにここまでやってくれることが純粋に嬉しい。また外国の人だからこそ、彼に見えてる日本の良さというものがあったのかもしれない。
題名の意味は、彼がブログに書いていた文章から。良いことと悪いこと。雨が降っても、膝が痛くても、「今日も悪いことは無かった」という彼のポジティブな考え方も素敵だった。
positive: 人の善意ってあるんだなあと、”ほっこり” とした気持ち
negative: nothing