ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書) 梅田 望夫 筑摩書房 2006-02-07 出版社/著者からの内容紹介 インターネットが登場して10年。いま、IT関連コストの劇的な低下=「チープ革命」と検索技術の革新により、ネット社会が地殻変動を起こし、リアル世界との関係にも大きな変化が生じている。ネット参加者の急増とグーグルが牽引する検索技術の進化は、旧来の権威をつきくずし、「知」の秩序を再編成しつつある。そして、ネット上にたまった富の再分配による全く新しい経済圏も生まれてきている。このウェブ時代をどう生きるか。ブログ、ロングテール、Web2.0などの新現象を読み解きながら、大変化の本質をとらえ、変化に創造的・積極的に対処する知恵を説く、待望の書。 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
「2ちゃんねるはなぜ潰れないのか?」を読んで、そういえば梅田さんの本読んでない、ということで読んだ。
こういうインターネット関係の本は2年も経つと古くなってしまうから、やはり早めに読まないと駄目ね。ご存知のとおり、日本は梅田さんの思うような方向には行かなかったわけで、今読むとどこか違和感がある。
梅田さんはGoogleのすごさを非常に強調しているが、私も出た当初のGoogleはYahooのエンジンと比べてすごいと思ったし、Google Map とか Calender とかGMail とかは愛用させてもらってはいるけど、あくまでもGoogleはネットサービスであってそれがものすごいという気があまりしないんだよな。当たり前に無料ツールで使わせてくれてるからかな。ただGoogleの人々が言う「世界政府っていうものが仮にあるとして、そこで開発しなければならないはずのシステムは全部グーグルで作ろう。それがグーグル開発陣に与えられているミッションなんだよね」という台詞は格好いい。
結局なぜこの本が売れたかというと、”インターネットでお金が稼げそう!”とお金の臭いに反応した人たちが殺到したんじゃないかね。そして結果はというと……たぶん思ったよりも稼げてないよね。ネット上では。個人的にはネットで意図的なお金搾取の臭いがすると(過剰な広告とか)どうも嫌悪の対象になるし。実際、GoogleAdsenseで稼いでいる人ってお小遣い程度じゃないのかしら。まあそれでもいいんだろうけど。
私としては今後欲しいネットの仕組みとして、1円とか10円とか小さいレベルで無料送金できるシステムがもっと浸透して欲しいです。今でもPaypal送金だとかbillio.comとかあるけど、まだまだ敷居が高いのよね。送金手数料もかかるし。自分がニコニコ見てたり、面白いサイトを見たりすると100円払ってもいいわ!と思ったりすることがある。それが2000人集まったら20万円でしょ?1月暮らしていけるよね。そうやって、ネットで面白いものを維持してもらうと、ネット住人としては嬉しいのですけども。
あとインターネットに関して言えば、ネット住人と一般的に使っている人との差異が広がってきているんだろうと思う。ちょっと前に一般常識・礼儀とブログマナーというエントリー炎上(リンクははてなブックマーク)を見てて感じたんだけどね。自分がネット黎明期に常識とされていたことが多数の参加によって変わってきてるのかもしれんね。
などとネットに関してはいろいろ考えることがありました。本の感想はうーん……今現在の状況を梅田さんに分析していただきたいです。