『赤毛のアン / ルーシー・モード・モンゴメリ』

赤毛のアン (集英社文庫) 赤毛のアン (集英社文庫)
ルーシー・モード・モンゴメリ 松本 侑子
内容(「BOOK」データベースより)

ちょっとした手違いから、グリン・ゲイブルスの老兄妹に引き取られたやせっぽちの孤児アン。初めは戸惑っていた2人も、明るいアンを愛するようになり、夢のように美しいプリンス・エドワード島の自然の中で、アンは少女から乙女へと成長してゆく―。愛に飢えた、元気な人参あたまのアンが巻き起す愉快な事件の数々に、人生の厳しさと温かい人情が織りこまれた永遠の名作。
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割と子供時代に本は読んでたはずなのに、どこをどう思い出しても赤毛のアンを読んだ記憶がない。

なぜだか私は赤毛のアンが嫌いだったようで。今思えば、 「いいこ」ではないアン(彼女はおっちょこちょいだし癇癪もちでもある)や、”女の子っぽいこと”(女の子の友情とか)がダメだったのかなと思ったり。私は男の子になりたかったのです。

しかし友達に「赤毛のアンいいよ。なんかね、”女の子~!”っていうのがキラキラしてる」と言われ、「えー、児童文学だよねえ?」と反発しましたが、実際読んだら、す ご い よ か っ た。

たぶんこの歳になったから見えるものが大きいと思う。アンの自分の村の自然に対する空想癖や(森や湖に名前をつけたり)、ダイアナとの友情とか、そのころの自分にはすごい大問題なこととか(アンの場合は赤毛ね)、そういうのに一喜一憂しつつ、でも前向きに楽しく人生を暮らしていくアンは、人間としてとても魅力的に描かれている。なんかね、「良かった探し」じゃないけど、それに通じるような、森や湖や家や人がそこにあって幸せみたいな。

私も会社への通勤路に名前つけたりしようかなあ。「輝く橙の道」(中央線)とか「地底人のシェルター」(地下通路)とか。……うーん、センスないな。

失ったものを思い出させてくれるキラキラした作品でした。