『知的複眼思考法 / 苅谷 剛彦』

知的複眼思考法 知的複眼思考法
苅谷 剛彦
講談社 1996-09
内容(「MARC」データベースより)
常識にとらわれた単眼思考を行っていては、いつまでたっても「自分の頭で考える」ことはできない。自分自身の視点から物事を多角的にとらえ、考え抜くための具体的手法をわかりやすく説く。
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100冊のなかの本。東大の先生が書いているのだが、大学生になって論文を書くのであれば読んでおくと良いのかもしれん。(どうでもいいことだが、図書館で借りた本だったので本に線が引いてあってカチンときた。気になって自分の視点で読めないじゃないか!公共のものに線を引くとは何事だ!! ぷんぷん。)

物事をいろんな視点で見るというのは必要だなあとわかっているのだが、その方法ってよくわからんよねというあたりに、具体的な方法を提示している点が良かった。一人ディベートは、むかついてること(例えば仕事とか)を冷静に考えるのにいいなあと思った。やっぱり自分の立場とは反対の立場(会社とか)の物の見方を考えるのは良いかも。あと代案がないと批判にならんよ、ということもやっぱりそうよね。文句じゃなくて批判に変えるのは結構難しい。

あとは、マジックワードを使わないで考えるということにはなるほど。マジックワードというのは、使われる文脈を離れて一人歩きする単語、例えば「自然破壊」とか「人権」とか「インターネット化」とかそういう抽象的な概念のことを指している言葉。うまい例を思いつかないのだが、例えば私が「自然破壊が人間をダメにした」なんて言ったとする。なんとなくわかったような気になるけど、自然破壊ってなによ?っていう話。オゾン層?森林伐採?温暖化?そもそも何をして自然破壊というのか?それと人間がダメになるとは何の関係が?という風に、つきつめるとおかしいんだけど、マジックワードを使うと考えが止まってしまうという例。しかし、著者はこんな説明をしていなかったので、この捉え方は私が間違って受け止めているかも。