『磁力と重力の発見〈1〉 / 山本 義隆』

磁力と重力の発見〈1〉古代・中世 磁力と重力の発見〈1〉古代・中世
山本 義隆
みすず書房 2003-05
内容(「MARC」データベースより)
「遠隔力」の概念が、近代物理学の扉を開いた。古代ギリシャからニュートンとクーロンにいたる科学史空白の一千年余を解き明かす。西洋近代科学技術誕生の謎に真っ向からとりくんだ渾身の書き下ろし。
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これもvamoくんからのご紹介でした。このへんの記事参照。時間はかかりますが、お勧めされた本はメモってるので読む気はあるのよ!ちなみに100冊のなかにも入ってた。

さて、この本は磁力などを科学的に説明している本かと思っていたのだけど、それらが解明される歴史を辿っている本でした。それが半端ない追い方です。古代から始まると、思想家とは切っても切り離せないのですね。どこかで見かけた思想家がチラホラと登場して、昔は哲学も科学も垣根が無かったんだなあとあらためて実感した。現代って細分化されすぎだよね。それぐらい深くなっているのかもしれないけど、いろんな分野を渡り歩く偉人がいてもいいのにね。

昔は磁石の力が魔術的に思われていたのが面白かった。なんでも妻の不貞などが分かるらしいよ(笑) なるほどなあ、目に見えない「引く力」というのは、いろいろな解釈がされたんだなあ。後半でようやくコンパスらしきものが出てきたけど、まだまだ解明には時間がかかりそうだった。

山本先生渾身の全3巻。なるほど、これは読み応えがあります。時間をかけて現代までたどり着いて、私が常々謎に思っていた磁場・重力がどのように出来ているかを理解できればいいんだけど!