『第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい / マルコム・グラッドウェル』

第1感  「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい (翻訳) 第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい (翻訳)
M.グラッドウェル(著) 沢田 博 阿部 尚美(訳)
光文社 2006-02-23
出版社/著者からの内容紹介
 理由はわからないけど「これだ!」と思ったり、説明できないけど「なんか変」と感じたことはないだろうか?しかも一瞬で。人間には、理屈を超えてわかったり、感じたりする瞬間・能力がある。心理学で注目を集める「適応性無意識」である。本書ではそれを「第1感」(原題はblink=ひらめき)と命名した(略) データを集め、熟考を重ねた判断がまちがいで、最初の瞬間的判断が正しいことはあるのだ。登場するエピソード、心理学実験を読むだけでも面白い不思議な本である。
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なんで読もうと思ったんだっけなー。ネットの書評だったかなー。それとも人の第一印象の理由を知りたかったからだっけなー。忘れた。

第一印象が大事とはよく言われることだけど、先日の入社研修で6秒の挨拶でその人の印象をはかるということをやらされたのね。確かにわずか6秒の間でも、その人への最初の好感度は決まってしまう。あの感覚はいったいなんなんだろう。やはり目に見えない波長でも出ているのだろうか。

本書はそういった直感の例を色々と提示している。第六感ではなくあえての第一感。色々な例を引き合いに出していて面白かった。ex. 古美術が科学的には「古いものだ」と判断しているのに、美術評論家たちは直感で「これは変だ」と思ったとか。結果は贋作だった。

そして話は発展して、無意識に刷り込まれているものについて言及していく。例えば人種差別的なもの。

ヨーロッパ系アメリカ人または悪 | アフリカ系アメリカ人または善 というカテゴリーに以下の言葉(写真)を瞬時に分けるテスト。

傷つける、凶悪、輝かしい、(黒人の写真)、(白人の写真)、素晴らしい

単語が増えるたびに一瞬判断に迷う。「アフリカ系アメリカ人または善」 と 「素晴らしい」が瞬時に結びつかない。しかしカテゴリーを変えるとその反応が変わる。

ヨーロッパ系アメリカ人または善 | アフリカ系アメリカ人または悪

凶悪という単語がすんなり アフリカ系アメリカ人 にカテゴライズされてしまう。私も自分でやってみたけど、表面的な意識と少しばかりのひっかかり(無意識的)があるような気がした。興味ある人はhttps://implicit.harvard.edu/implicit/ で試せるのでやってみるとよいかも。

無意識に影響を与えているものもあるんだな、とこれまた無意識に刷り込んでおくとよいのかもと思った。