『スピリチュアルにハマる人、ハマらない人 / 香山リカ』

スピリチュアルにハマる人、ハマらない人 (幻冬舎新書) スピリチュアルにハマる人、ハマらない人 (幻冬舎新書)
香山 リカ
幻冬舎 2006-11
内容(「BOOK」データベースより)
いまスピリチュアルが大ブーム。かつてはアヤシイと思われていた「守護霊」「前世」「魂」の話題が、軽く明るく普通に語られるようになったのはどうしてなのか?そこには「人は死んでも生き返る」と信じる子どもの増加、「科学のお墨付き」を売りにした「脳トレ」「健康食品」ブーム、「自分の幸せ」だけが大事な内向き志向との隠れた共通点があった―。時代の空気を読むスペシャリストが、ブームの深層にひそむ、日本人のメンタリティの変化を解き明かす。
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タイトルが面白そうだったので。

江原某を私はよく知らずテレビも観たことないんだけど、流行ってるなあとは思う。そしてみんな(若い女性ね)はどこまで信じてるのかなあとも思う。

私個人は、霊も前世も神様も信じていない。ただ神様に関しては「いてもいいし、いてほしいと思う」と思う。ただしこの神様は宗教の神様ではなく、哲学や数学に出てくるような概念上の神様だけど。じゃあスピリチュアルを否定するのかというとそういうわけでもなく、ユングによって提唱されたシンクロニシティは結構信じてたりもする。オーラの色はわからないけど、出来る人の雰囲気は違うと思ったりもする。パウロ・コエーリョも読む。そんな風にスピリチュアルには少しあやふやな立ち位置である(2009年春現在)。

彼女の分析で面白かったのは、現代のスピリチュアルが「現世利益」「個人の幸福」に費やされてるという指摘。なるほど、これが「世界平和」「他者の幸福」に行ったら宗教だけど、個人利益に向かっている場合、その世界への敷居は低い。「ちょいスピ──”幸運癖”をつけるちょっとスピリチュアルな方法」と書かれたら、おまじないみたいなものだしな。「恋愛とお金を手にいれてミラクル☆ハッピー」という軽さが現代のスピリチュアルなのだろうか。

あとよしもとばなな氏や林真理子までもが江原さん信者だとは知らなかった。こういう有名人がハマってるのもブームの一因だったのかしら(いまはブーム、尻つぼみだよね?)。

特に結論はなく分析だけなんだけど、なかなか面白い視点の本だった。話題だったことだし江原氏の本でも読んでみようかしら。しかし、私はころっと精神世界にハマってしまいそうな素地があるので、気をつけて踏み入れていかねばいけないな。