働くことがイヤな人のための本 (新潮文庫) 中島 義道 新潮社 2004-04 内容(「BOOK」データベースより) 「仕事とは何だろうか?」「人はなぜ働かねばならないのか?」「生きることがそのまま仕事であることは可能か?」―引きこもりの留年生、三十過ぎの未婚OL、中年サラリーマン、元・哲学青年の会社経営者といった人物との架空対話を通して、人間が「よく生きること」の意味を探究する。仕事としっくりいかず、生きがいを見出せない人たちに贈る、哲学者からのメッセージ Amazonで詳しく見る by G-Tools |
「こんな本読んでるくらいなら、いい加減働けよ!」という意見が聞こえそうですが(私もこういう人がいたらそう言うだろうけど)、まあちょっと待ってくれ。
なんでこんなに働くのイヤなのかなあと考え、それを考える材料として読了。戦う哲学者の中島先生の本です。中島さんの本は前に「生きることも死ぬこともイヤな人のための本」を読んだことがあるけど、自分には共感できる部分もあり、そうじゃない部分もあり、哲学者としては興味のある人だ。人生の(社会の)問題に夜も眠れないくらいに向き合って考える生き方はつらそうだけど、彼はそうせざるを得なかったのであり、”気づいてしまった人”は突き詰めざるを得ないんだろうなあ。
さて内容ですが、インパクトのあるタイトルの割りに、内容があまり一致してないと思う。「社会の理不尽さ」ということを認識することにはなるとは思うが、それは全然救いにはならないし、読んだから何かが解消されはしなかった。働きたい人はもっと自己啓発的な本を読むべきなんだろうな。
でもこういう本は、違う見方を与えてくれるだけであって、そこから自分の答えを得るしかないんだろーなー。人によっては良いのかも。でも私には「???」だった。本の解説がvamoくんとのコメントで出てきた齋藤美奈子さんだったのだが、思いっきり内容を否定していたのが笑えた。最初読んだときは「こんなん蛇足じゃない?」と思ったが、あれ込みで完成されている本なのかもしれん。