子どものための哲学対話―人間は遊ぶために生きている! 永井 均 講談社 1997-07 出版社/著者からの内容紹介 子どもは、考える葦である。 ぼくはなぜ、生まれてきたのか?どうして勉強をしなくちゃいけないのか?こまっている人を助けてはいけない?うそをついてもいい?元気が出ないとき、どうしたらいいか?友だちなんていらない?泣くから泣き虫なのか、泣き虫だから泣くのか?地球はほんとうに丸い?死んだらどうなる? 40の疑問をぼくと猫のペネトレが考える。中学生から。 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
ぺネトレ:人間は自分のことをわかってくれる人なんかいなくても生きていけるってことこそが、人間が学ぶべき、なによりたいせつなことなんだ。そして、友情って、本来、友だちなんかいなくても生きていける人たちのあいだにしか、成り立たないものなんじゃないかな?
この本は子ども向けの哲学入門書のようなものだけど、非常に面白かった。大人が読んでも、ん?と考えるきっかけを与えると思う。押し付けがましい答えもないし(そもそも答えは書いてない)、まさに最後に書いてあったように、「たまたまある場所に立った人にだけ、意味を持つ」本だと思う。「図形に一本の補助線を引くだけでその図形の見方が変わる」という引用をしていたが、その補助線になる本だなあ。
なんでこの本を読んだかというと、友人などいらないという押井守の記事や、坂本龍一も立花さんの「二十歳のころ」で「現在友だちと言える人はほとんどいない」と述べているよという趣旨のスレを読みまして、そこにこの本が紹介されていたので、面白そうな切り口だなあと。中学生あたりの子どもに「友だちなんていなくても平気」というのは、なかなか大胆じゃない?ある程度大人になって自己が確立された人には友だちなんてなくても良いのかもしれないね。
別に10代ではないので今更「友だちとは?」なんて論じるつもりもありません。が、”今現在”の私の考えでは「友だち少ない」とネタにする割には、それで困ったことは特にないんだよね。ただ一人だと物凄く出不精なので、友だちがいると外出できたり、話すことによって新しい視点・情報を得たりすることができたりするのがいいとは思うけど。あと友だちと、家族・恋人はまた別問題だから、それらが居る・居ないでも変わってくるのかもしれませんね。
この著者は面白かったので他の本も読んでみるつもり。