真剣師小池重明の光と影 (小学館文庫) 団 鬼六 小学館 2002-12 出版社 / 著者からの内容紹介 アマ将棋界の強豪、小池重明が44歳の若さで短い生涯に投了を告げ、早10年がすぎた。高段位の花形プロを次々と打ち負かして無類の強さを発揮する一方、人妻との駆け落ちをくり返した破綻の人生だった。真剣師とは賭将棋を生業とする、いわば将棋のギャンブラーのことで、その稼業はいまや完全に消滅している。小池の晩年を伴走した団鬼六氏だからこそ書けるエッセイや小説に加え、小池自身が書き残した『自叙伝』収録し、最後の天才真剣師の実像に迫った。 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
相変わらず手元に本がないので、親の書棚から見繕って。選んだポイントは棋士の話ということと団鬼六が書いてるの?!という驚きから(ご存知だとは思いますが、団先生は官能SM小説の大家でいらっしゃいます)。
感想は、うーん、古い言い回しを知ってるなら楽しめたのかなあということ。団先生が真剣師(お金をかけて勝負をする人たちのこと)を江戸時代の武士のような言い回しで描いてるのですが、私にはちょっと難しくてそれを楽しむだけの余裕が持てなかった。だって、「──将棋に対する未練、断ち切り難く、再び、東京へ立ち戻り候。厚顔の至りに御座候えど以前の御厚情におすがり申す次第。何卒、今、一度、御指南番の末席にお加え下さりたく、伏してお願い申し上げるしだいに御座候」という感じなのよ。目がすべってしまうわ。
この小池さんの生き方、またもや「時代」という感じですが、すごい人生の人もいるもんだなあと。ほんとに将棋好きだったんだと思うんだけど、いかんせんお金と女に緩かったようですね。しかし、そこまで女に入れ込むというのがすごい。しかも次から次からと。どっかでも書いたけど、昭和だよなあ。
片一方では嫌われ、片一方では好かれる。そのキャラクターもすごいが、それを受け入れたまわりの後援者の人も度量が広いと思った。こういうのも「お金持ちの粋」といえるんですかね。