『おひとりさまの老後 / 上野 千鶴子』

おひとりさまの老後 おひとりさまの老後
上野 千鶴子
法研 2007-07
<本書の”はじめに”から引用>
長生きすればするほど、みんな最後はひとりになる。結婚したひとも、結婚しなかったひとも、最後はひとりになる。女の人はそう覚悟しておいたほうがよい。(略)本書は、「おひとりさまの老後」をすでにはじめているあなた、これからはじめようというあなたに送るエールだ。なぜって、わたし自身が、すでにはじめている大先輩たちからたくさんのエールをもらったのだから。
ようこそ、シングルライフへ。
Amazonで詳しく見る
by G-Tools

これも売れた本らしいですね。読もうと思った理由はタイトルにあるとおり。この素敵なタイトルに惹かれたのだった。

さて、上野千鶴子というとフェミニズムの先駆者であり、フェミニズムというと「なんか知らんが女性の権利、権利うるさいなあ」ぐらいの知識しかないわたくし。面白そうだと思うんですが、やたら主張する人も嫌いだし、かといって男女平等だとも思えない日本社会。自分があまり女性っぽくないんで(色気とかいう意味で)全然直面したことないんだけど、こういうのって女性っぽい人ほど直面する問題なのかしら(男女の差異やセクハラなど)。ただ女性の敵はあくまで女性になると思ってるんですけどね。

本書はシングルライフの、暮らし・つきあい・お金・介護・死について語っているもの。私は上野さんの著書を読んだのが初めてだったので、これが上野節ってやつかあと思いながら読んだ。姉御肌っぽい感じですね。そして、都会に住む学者さんのお金ある暮らしがベースになっているとは思うけど、こうやってきちんと問題を整理されると別にひとりで老後迎えても平気じゃないかしら?と思えた。そういう選択肢もアリだと思えるのは収穫だ。何でもそうだが、選択肢が増えるのは良いことですよ。あと文中で太字強調してるんだけど、あれは編集側が意図してるのか本人がやったのか。すごく安っぽくなって良くなかったよ。口述筆記のタレント本みたいだ。

上野さんの考え方は自分と似たところがあってうなずくことが多かったけど、でもまだあそこまで割り切れないなあ。しかし、フェミニズムに傾倒するのは嫌だが、そもそものフェミニズムが何かわからないので、それについて読むのも面白そうだと思った。個人的にこの上野さんをもう少し知りたいですよ。