今夜、すべてのバーで (講談社文庫) 中島 らも 講談社 1994-03 出版社/著者からの内容紹介 第13回吉川英治文学新人賞受賞/必読のアル中小説/1ページごとに笑い泣く、前代未聞の面白さ!卓抜無類のユーモアとペーソス満載の最新長編。 完全無欠のアル中患者として緊急入院するハメになった主人公の小島容。全身ボロボロの禁断症状の彼方にほの見える“健全な生活”。親友の妹さやかの往復パンチ的叱咤激励の闘病生活に次々に起こる珍妙な人間たちの珍事件……。面白くて、止まらない、そしてちょっとほろ苦い、話題沸騰、文壇騒然の長編小説。 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
お酒が強いわけでもないですが、好きなのです。
ビールを1~2缶程度なんだけど、全く飲まないという日が数えるほどしかありません。これもアルコール依存症と呼ぶのかしら?と首をかしげたこともありましたが、これを読むと全然違うなとも思います(笑) そんなお酒飲みの人のための小説。
これは”面白い”というのとは、ちょっと違う不思議な感覚の読み物だった。中島らもの実体験が元になってるんだけど、完全なノンフィクションというわけではない。ただ出てくる登場人物がそれぞれ非常に個性的なキャラだ。また病理学的な観点からアルコール中毒の怖さを淡々と描いている。でもお酒を飲むことの楽しさも描いている。相反するんだけどどっちもよくわかるんだなあ、ふしぎ。
中島らもはちゃんと読んだことがないので、わかぎえふとの関係は実際どうだったのかなあ(彼女を想像させる人も出てくるので)とか思ったりしました。でも非常に破天荒な人だったというのは伝わってきたよ。昭和という感じだなあ。平成の世でこういったタイプの人は出てこないだろうなあ。
ただただ早い死が残念です。生きていたらどんな晩年を送ったのかしら。