ジャマイカ楽園の真実 LIFE&DEBT

ジャマイカ楽園の真実 LIFE&DEBT

ジャマイカ楽園の真実 LIFE&DEBT
アップリンク 2005-12-22

内容(「DVD NAVIGATOR」データベースより)
音楽や文化、歴史的背景など、さまざまな角度から注目を浴びる“カリブの楽園”こと、ジャマイカの真実に迫るドキュメンタリー。イギリスからの独立に始まる激動の時代からレゲエの地として知られるピースな面まで、知られざるジャマイカを紹介する。
Amazonで詳しく見る
by G-Tools

みんちゃんが貸してくれた一枚(あれ、なんで貸してくれたんだっけ?)。

しかし、これは実に重いドキュメンタリーだった。ジャマイカの現状を「経済」という立場から追っているんだけど、比較的クリーンなイメージのあったIMFや世界銀行のしていることは先進国の搾取なのだろうかとの疑問を持った。もちろん、一方だけの視点で物事は話せないし、私はIMFの方針などがわからないので公正に感じてないかもしれないが。

出だしから欧米からのツーリストとローカルな人々比較だったので、よくある「国の光と影」という内容で持っていくのかと思ったのだが、話はそれだけで終らず、ジャマイカの経済について、とくにIMF(国際通貨基金)からの借り入れによる債務や国内自給率の話、外国資本による安価な労働提供などについて触れていた。

借入しても使い方に制限のあるIMF資金ではうまく国内で使えずに、安価な食料が米国から流れ、国内の農業が廃れていってるらしい。このあたりの話は、我々の日本でも他人事ではないと思う。そして何よりも、世界と競争する力をということで北米と同等の立場での競争をさせられる。そんなの、最初からスタート地点が違う小国ができるはずがない。そして膨れ上がる負債。この負のスパイラルは、正直ジャマイカ一国の力では抜けられないと感じた。これはアフリカなどの開発途上国も同じことだと思う。

そしてこのジャマイカの風景が私の任地と似てた。もちろん、ジャマイカのほうが全然発展してるんだけど、たまたま私の任地が観光名所だったので、南アフリカから来るお金持ちのツーリストと地元の人々の対比を毎週末横目に見てた。私もお金持ち部類であったので、それをどうこう言える立場ではない。でも個人の努力だけではどうにもならない現状があるのは確かだ。世界は救われないなと溜息しつつ二本目のビールを飲む。自分が安全なところにいるからこそ感じるこのエセ正義感も嫌だ。ホテルルワンダなどを観たときと同じもやもやしたやるせない気分。

知り合いのJOCVジャマイカ隊員とボブマーリーを思いだしながら観ていたDVDでした。

One love, one heart
Let’s get together and feel all right