『モテたい理由 / 赤坂真理』

モテたい理由 (講談社現代新書 1921)

モテたい理由 (講談社現代新書 1921)
赤坂 真理
講談社 2007-12-19

<講談社BOOK倶楽部より>
モテ服にモテ子……女性誌はなぜ「モテ」を大合唱するのか? エビちゃんブームの深層、蔓延する自分語りの文法から恋愛至上主義とオタクの関係まで、混迷する男女の今をえぐる!

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これは、昨今私が感じてたもやもや感をクリアにしてくれた本として目からうろこだった。まぁ、前半は秀逸/後半グダグダだったのが残念だが。

そのもやもや感とは、電車の中吊りなどでみるスイーツ系雑誌のあおり。あれって結局何なんだろう?世間の大多数があれに賛成してるのかしら?というもやもや感だった。さてそれがどんなものかというと、ここで本文から引用したJJの特集記事を載せてみる。ちなみにこの前に「モテは卒業。これからは愛され系じゃなきゃ!」という流れがある。

愛され系の決め手は第2印象服

出会い(第1印象) 友達に誘われた学生合コン

  • 脚見せセクシーで視線集中
  • ショーパンで脚見せ
  • ノースリで二の腕見せ

初デート(第2印象)

  • 実は愛され系お嬢さん
  • 薄ピンク×白のコーデ
  • 膝上ふんわりスカート
  • 肌見せは控えめに

……なんだ、このすごい計算高さは。第2印象て!!これはいわゆるギャップ萌えってやつを狙ってるんだよね?軽そうに見えてほんとの自分はそんなことないのよー的な。そしてこれらの先に何があるかというと、「幸せな結婚」という目標に向かって伴侶をゲットしにいってるというのが著者の分析でもある。モテ=結婚の方程式なわけだ。

あー、そうか。違和感ってこのあたりだったんだというのが私の感想。ファッション雑誌って「(自分らのための)可愛いと思う格好」を提供してるのかと思ったんだけど、「(相手が)可愛いと思われる格好」が混ざってるからどうも雑誌のあおりがおかしく思うんだ。すべてはその裏にある「結婚」という最終目標に向けた伴侶ゲットへの計算高さ・ギラギラ感があるんだ。

そしてまたFRaUという雑誌がずいぶん華麗な転身(笑)を遂げていることに驚いた。2007年3月号でリニューアルをしたらしいんだが、そのときのコピーがこれらしい。私の記憶では割合かっちりした感じの雑誌だと思ったのだが。

気がつけば働き者、のわたしに  私らしい仕事、  私を変えない結婚、あります。

うわ、最終的には結婚なのか!そうなのか!結局、「等身大の自分」も「自立した大人の女性 」も「さぁ自分磨きがんばろう!」も「そんな彼女の普段の顔」「スローライフ」も「ロハス」もそこか(笑)!!むしろあまりにキッパリした態度に吹いたわ。一昔前だと結婚よりも「納得できる仕事を選ぶ」とか「(結婚するあなたに)ほんとうにそれでいいの?」とあおってた気がするんだけど、見事に手のひらを返された感がある……。キャリアウーマンと呼ばれる人々に「仕事だけじゃかわいそう」みたいに言ってるってことだよね?

──ま、ここまで書いたところでたいした結論もないんだが、とりあえず世間の風はまた結婚に戻ってきちゃったのかあと、これからのつらい冬時代を想定しつつ、モテ力欲しいなあと引きこもりながら思った無職・独身・Over30。でもやっぱりメディアは操作されてるから信じるもんか!と思ってもみたり(どっちやねん)。