『数学的にありえない(上)(下) / アダム ファウアー 』

数学的にありえない〈上〉 数学的にありえない〈下〉 数学的にありえない〈上〉 / 〈下〉
アダム ファウアー Adam Fawer 矢口 誠
文藝春秋 2006-08
出版社 / 著者からの内容紹介
巨大な陰謀に巻き込まれた天才数学者ケイン。窮地に追い込まれた彼の唯一最大の武器、それは「確率的に絶対不可能な出来事」を実現させる能力だった—-。北朝鮮に追われるスパイ、謎の人体実験を続ける科学者、宝籤を当てた男、難病の娘を持つ傭兵……随所に仕掛けられた伏線が次々に起爆、全ての物語は驚愕の真相へと収束する—-。
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ダン・ブラウンの『ダ・ヴィンチ・コード』を引き合いに出されることが多いらしい作品だそうで。個人的には「ダ・ヴィンチ・コード」を超えたとは言えませんでした。まぁ「ダ・ヴィンチ・コード」の扱っている内容が宗教好きの私に合っているというだけかもしれないけど。

さてこの作品は確率論や量子力学などの知識が盛り込まれてて、そういったところは結構面白い(でも相対性理論のあたりでは間違いを書いてるらしいが)。確率論なんて馴染みがなかったけど、これ読んだらかなり興味が出てきた。例えば58人いるクラスのうち同じ誕生日の人が二人以上いる確率は99.4%だとか(計算式がちゃんとある)、期待値とかラプラスの魔とか。

ストーリーのほうはギャンブル好きの主人公や自己中心的なスパイに感情移入ができなくて、「……ハズレか?」と思っていたんだけど、下巻でストーリーが流れたので一気に読めた。結論としては普通に読める本でした。新たな世界(確率論)への興味を開いてくれたので、自分には良い本だったのではないかな。